第133話 発見・・・・
僕はアーダさんの手を握ったまま・・・・現実ではないから許されているのかな?
一寸睨まれたような気がするけれど、気にしないでおこう・・・・
注: アーダは長年厳しい環境の中、公爵の妻という立場にあったため、目つきが少し悪くなってます・・・・
普通にしていても機嫌が悪く見えます。
なまじ元が美人なので、その目つきで見られると、たいていの男は怯みます・・・・
【うう・・・・恥ずかしい・・・・汗ばんでないかしら?もう10年ぐらい男の人に触れてない・・・・】
アーダはますます緊張するのだった。
そして暫く歩くと、アーダを救出した時と同じように、前方に人を発見する。
「少々お待ち下さい。どうやら2グループに分かれて・・・・」
アーダさんが僕を・・・・その、握っている手を引っ張って、制止を求めてきます。
不意に引っ張られたので、バランスを崩し、アーダさんの方に倒れ掛かり、アーダさんを抱きしめる形で転倒を免れます。
あ・・・・すごい顔つきで睨まれます。
うわ・・・・これ怒ってるよね。顔を真っ赤にしてあんなに睨むようですから。
僕は慌てて離れようとしますが、何故か放してくれません。
「常山様?どうされましたか?こんな所で求められてもその・・・・」
【思わず引っ張ってしまい、常山様がその、バランスを崩し倒れそうになるのを思わず抱きしめる形で支えてしまいましたが・・・・迷惑ではなかったかしら?】
「そ・・・・そのごめんなさいいい!!!」
僕は全力で離れようとしましたが、手を放してくれません。
「その迷惑ですね?私みたいなのに抱かれるなんて?ですがその・・・・手を今放して常山様とはぐれる様な事は避けたいのですが?」
「そ・・・・そうですね、気を付けます・・・・ええと、2つに分かれてますか?」
僕にはまだはっきり見えません。
「ええ・・・・わが弟と妹と、いとことで別れてますわ。いとこはまだ幼子も含まれてますわ。」
・・・・アーダさんの態度がいまいちわからない・・・・時に鋭い口調になるけれど、あれは喜怒哀楽でそうなるのかな?
正直どう接すればいいのか悩みます。
それに、何だか握ってる手の力が強いです。大丈夫でしょうか?
「それより時間がないのですわね?接触を図りましょう。」
そう言ってアーダさんは僕の手を引っ張って、人のいる方向に進んでいきます。
こうして横でアーダさんをじっと見ますが・・・・
日本人とは違う美しさ・・・・
正直整いすぎて、人形かと思うぐらいですね。ただ、少し目つきが険しいのが気がかりです。にっこりすればもっと親しみやすそうなんですが・・・・
そう思っている間にどうやらアーダさんの弟妹の方に先に接触したようです。
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