第134話 話し合い

その2人の男女・・・アーダさんの弟と妹・・・・のすぐ目の前まで行きました。何せアーダさんと同じく、鎖で繋がれています。

しかし何故2人は一緒の場所に?


そして・・・・ええと男性の方が、アルノルト王子、女性がザーラ姫、確かそう言ってたっけ。

後の人の名前は知らない・・・・


で、女性の方がアーダさんに声をかける。


「姉上!これはいったいどういう事ですか?姉上は父上のいとこと結婚されていながら、このような見ず知らずの男性と一緒にいるとか・・・・恥を知りなさい!」


・・・・ザーラという・・・・姫?がいきなり言い放つ。

するとアーダさんが・・・・

「わが夫は・・・・死んだ。」

「え?」


予期していなかったのでしょう。

「そして今は我が最高位なのだ。無論一時的だがな。」


「ちょ!兄上を差し置いて何を言っているのですか!確かに父上は儀式の途上で真っ先にお亡くなりに・・・・これは最初から分かっていた事ですが・・・・なぜ兄上を差し置いてお姉さまが?」


「・・・・王族で生き残ったうち、我が一番年長だったからだよ、ザーラ。夫も死んだし、王籍に復帰したのだよ、我は。」


「ええ?兄上は?」

泣きそうな顔をしながら聞いてくるザーラ姫。

「・・・・死んだよ。今生き残っているのは父上の娘2人と息子が1人。父上の弟・・・・王弟殿下のご子息が3名、ご息女が4名・・・・これが全てだ。そして・・・・こちらの方は、我々が行った召喚に巻き込まれた方のうちの一人だ。」


2人・・・アーダさんも含め3人が僕を見てます。


するとその男性が僕に声をかけてきます。


「君は巻き込まれたのか。だが何故アーダ姉さまと一緒にいるのだ?召喚者ごときが一緒にいていい存在ではないぞ、王族は。」

・・・・なんでいきなり上から目線?

「アーダさん・・・・この2人、助けないまま引き上げてもいいですか?」

「その不快な気持ちになったのでしたら・・・・私全力で謝罪いたしますわ。」

そう言って頭を下げてくる。いや、アーダさん悪くないからね。

「ちょ!何お姉さま頭下げてるんですか!王族が庶民に頭をを下げるなぞ、あってはならぬ事!」


「アーダさん・・・・やっぱ無理です。生理的にこの2人受け入れられません・・・・帰ります。」


僕は踵を返し、戻ろうとしたけれど、背後からアーダさんが抱き着いて引き留めてきます。

「待て・・・・あ・・・いえその・・・・お待ちください・・・・私を捨てないで・・・・」


へ?何かおかしいです。


僕はアーダさんを振り切り、アーダさんに向き合います。

え?何で泣いてるの?

「う・・・・一人にしないで・・・もう一人でいるのは嫌なの・・・・常山様・・・・私、常山様を愛してしまいましたわ。」


・・・・え?

え?

・・・・え?


理解が出来ません・・・・

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