第125話 他の人の回復は?

それに、アーダさんですか?態度がころころ変わるのが気になりますね。

本人は自覚があるのでしょうか?

それともこれが地の性格?

彼女の為人がさっぱり理解できません。


何せ先ほどやってみた並行世界でも、彼女はこの後何処かへ去ってしまって、殆ど接触が無かったので、益々わからないのです。


「では転移者様宜しければお名前をお聞かせ願いたいのですが、宜しいでしょうか?」


「あ、名乗っていませんでしたね。私の名は常山順平。私の方が若干年下ですね。それと、隣の彼女は才村友郁さんです。私より一つ年下の、会社の後輩です。」



すると才村さんが、何を思ったのか、僕の腕に身体を絡ませながら・・・・


「才村友郁です。順平さんとは深いお付き合いをしていますの。」

・・・・深いお付合いって・・・・キスもしてません・・・・よね?並行世界では子供を産ませてましたから今更感ですが・・・・この現実世界?では体の関係じゃないんです。


「常山様に才村様ですね。改めまして、助けていただき最大限の謝辞を・・・・と言いたいのですが、現在何も持ち合わせが・・・・って、常山様どうされましたか?」


「せん・・・・順平さん!しっかり!」


どうやら僕はふらついて、才村さんに支えてもらってますが、半ば意識が飛んでいたようです。

そう言えば、頭が痛い・・・・

「頭が・・・・」

とたんにどんどん体調が悪くなる感じです。


「誰か!ベッドへ!」


何人かの女性が、僕を・・・・ベッドに寝かせてくれてます。


「才村さん・・・・少し潜り過ぎました・・・・」

恐らく並行世界の使い過ぎでしょう。


「きゃあ!ちょっと待って下さい!そして喋らないで!ええと・・・・回復!」


才村さんが何かしてくれているようですが、頭の痛みは引きません。


「どうしたのですか?まさかと思いますが、私を助けて頂いたあのスキルは、相当体に負担があるのでは?」

・・・・たぶんそれは問題ないと・・・・問題なのは、度重なる並行世界の使い過ぎでしょう・・・・


「駄目・・・・よくならない・・・・ええと、何か薬は・・・・」

才村さんは震える手で何か探していますが、それでは見つからないでしょう。


こういう時に役立つのは・・・・状態異常の回復・魔力の回復・・・・のどちらか?

あまり考える事ができないですね・・・・


そんな中、彼女は何か見つけたようで、僕に飲ませようとしますが・・・・身体が動かず、飲めません。


そして・・・・もう目も開けられなく・・・・

そう思っていると、口に何かが押し当てられ・・・・柔らかいです。

そして、何かが流れてきます。

これはまさか・・・・?


そう思ったのですが・・・・

ここで僕は気を失ったようです。

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