第123話 スキルで対応できないものでしょうか?

僕は少し考えます。

施術をした魔術師ではないと駄目?

うーん・・・・ちょっと引っ掛かります。

まさかとは思いますが、この魔術師、かなりの高レベルだったのでしょうか?

今僕が思いついたのは、その施術を行った魔術師より、僕の方がレベルが上なら、解除?解呪?出来るのでは、と。

若しくは普通に治療?


あ、その前にここから彼女を出す事が出来るのかな?


僕は腕の鎖を確認します。

後ろの壁に続いているのかな?


触ってみると・・・・何ともないですね。

これ取り除くと何処かに不具合とかないよね?


僕は、スキルを使い、この鎖を無力化していきます。


並行世界で獲得したスキルです。

何故そのまま僕の手元に残ったのかは疑問ですが。


暫くして、カチャッという音と共に、鎖が彼女の腕から外れます。


「あ・・・・外れた?」

「大丈夫そうですね。ではこのままその胸の紋様に取り掛かりましょう。」

どうやらこの仕掛けは僕のレベルより低い魔術師が行ったのでしょう。


さて・・・・どうするか・・・・魔力を流し込むか、上書きか・・・・

両方?


僕は彼女の胸元の紋様を注視します。

「そのままじっとして・・・・触ります。」


するとやはりばちっと弾かれますが、今度は魔力を流し込みながら触ります。

すると、紋様が暴れ始めます。

僕は念のため回復魔法・・・・これ頭の中ですが、効果があるのかわかりませんが・・・・

僕はどんどん魔力を流し込みます。

すると、またもや変化が。

動きが止まります。

僕はすかさずスキルを発動・・・・並列思考と高速思考を駆使し、考えます。

そこで考え付いたのが、そのまま魔力を注ぎ込み、変化があった時にすかさず紋様を取り除いてみる、というものです。


今動きは止まってます。行ける?

そして・・・・紋様は・・・・スキルで動かせそうです。

複数のスキルを無意識に使っているので、何のスキルを使っているのかまでは分かりませんが。


暫くし・・・・紋様は消え去りました。


そして・・・・急激に僕は元の世界に引き戻される感覚になります。


「あ・・・・駄目です・・・・ああ、成功はしましたが・・・・戻らねば・・・・元の世界で・・・・会いましょう・・・・」




暫くし、僕は才村さんに揺すられていました。

「先輩しっかり!」


僕は周りを見ます。

「う・・・・どうなってました?」

「ええとその、この女性の胸が急に光だし・・・・そして消えたのですが、その間先輩ずっと目を見開いていて・・・・」

・・・・よくわかりませんね。

あ、その寝ている彼女の胸を確認しないと。

そう思っていたら・・・・


「う・・・・」

その女性が動き出します。


「ああ!おい目覚めたぞ!」


「え?本当ですか?」


周りの人が騒がしいです。


僕はその、彼女の身体にかかっている布をめくり、胸を確認します。消えてます。触ってみますが・・・・普通に触れます。


そして・・・・

「う・・・・」


どうやら目が覚めたようです。

「・・・・ここは?そして・・・・貴方何処かで見ましたね?何処でしたか?」


「先程の出来事、思い出せますか?」

「夢の出来事ですか?」

「貴女は夢と認識してますか・・・・」

「そう言われると、貴方がやってきて、私の束縛を取り除き、胸の紋様を消し去って・・・・」

そう言ってその彼女は体を起こし、自身の胸を見ます。

「・・・・ない!ないです!」

僕は思わず見てしまいます。

「あ、胸はありますよ、ないのは・・・・紋様ですわ。」


彼女の胸の中心にあった紋様は消えてました。そして・・・・魔力で満たされてますね、彼女は。

どうやら成功したようです。

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