第120話 あの時にリンクしつつ、並行世界を再び

ここで助けてしまえばどうなるか・・・・


あらゆる可能性がありますが、転移者の女性達の希望であり、僕がそうさせるつもりがなかったとはいえ、あの装置のせいで、見せたと思っていた並行世界を実際に体験させてしまった・・・・つまり、見たと思っていた彼女等も実際に並行世界に行ってしまっていた、と。


そしてその記憶の中で出産し、育てた子供にまた巡り合いたい・・・・と。

これはその並行世界と同じ流れを辿れば可能でしょうが、既にその並行世界で体験しなかった出来事が発生してしまってます。


これは困りものです・・・・

仕方がありません。

僕はばれないよう、深く潜る事にしました。


深く潜ればほんの数分もかからず結果が出るでしょう・・・・



僕はここで寝て居る人を全員助けた結果と、助けなかった結果を確認しました・・・・

それ以外にもありますが。


そして、困ったことが。


まるっきり再現をすれば、何とかなったのですが・・・・

何と今回、明日襲撃してくる魔王を、僕があっさり仕留めてしまったんです。

あれ?

これ街というか、ここは王都なのかな?

この街が破壊され、僕達は逃げ・・・・その後力を得、魔王を討伐・・・・その流れが全く意味をなさなくなってしまいました。


そして・・・・彼女らが妊娠する行為をする前後に特にあの並行世界とリンクさせてみました。

何せ僕が射精をするタイミングが大事ですからね。

彼女らの卵子は、普通に過ごせば確定なのですが、精子は数が多いですから・・・・


結果は・・・・いくつかの並行世界で確認しましたが、何とかなるようです。

ようは逃げるのではなく、あの並行世界で逃げた先ですが、そこで定住すればいいだけの話。


そこまで確認していると・・・・

「順平さん!しっかり!」


才村さんが必死に僕を起こそうとしています。

結果がわかりましたから、そろそろいいですかね。


僕は並行世界を閉じ、戻ります。

その瞬間ぐらつき、才村さんが抱き留めてくれます。


「順平さん、心配したんですよ?突然動かなくなったので、驚きました・・・・」


「あ、そのごめん。ちょっと今のこの状況は、僕は並行世界で体験しなかったので、ここで行動を起こした場合、どうなるのか・・・・特にあの子供ですね。あの子供に再び、希望通り巡り合わす事が出来るのか・・・・それを確認していたんです。」


僕は才村さんに隠さずしゃべりました。

「それならそうと言って下されば・・・・」

「あ、そのごめんね。」


「それで、結果は?」

「あらゆる可能性を体験しましたが・・・・あの時の世界とリンクすれば、何とかなります。」


顔を輝かす才村さん。

でも、結果はゲスいんですよ?


「じゃあこの人達は助けても問題ない?」

「ええ・・・・大丈夫そうです。」

まずは寝ている人を調べ、どうするか考えないとですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る