第104話 この場にいる女性はスキルの講習?

僕が並行世界であれこれしている頃、女性陣は、スキルを得るべく実践での講習とでもいうのかな?ソーイングセットとシャツで、色々しているようです。


裁縫スキルを持っている矢板橋さん・・・・彼女は名前で呼んでと言いますが、中々恥ずかしく、またそこまで親しくないと思っているので、名前では言えません。


そんな彼女ですが、どうしたらいいのかわからない様子で・・・・

「ええと、確かスキルを所持している人が、そのスキル関連の事をしながら他の人に教えていく・・・ですよね?」


これに答えられるのは才村さんだけ。


「えー・・・・矢坂橋さん?私達は貴女の真似をしますので、貴女はこれをどうするああすると言いながら、そうですね、布地に針と糸で、とにかく縫いながらしゃべっていれば・・・・それを見ながら私達が、真似をする・・・・それである程度時間をかければ、多分スキルが・・・・」


「そうですか、ありがとうございます、才村さん。では・・・・ええと、皆さん今更とは思いますが、こういうものと思って私の説明通りにして下さい・・・・でいいのかしら?」

「ええ、それでいいと思います。」


「では・・・・皆さん、針に糸は通しましたか?では、このシャツは・・・・使い捨てになりますので、適当に縫って大丈夫です。では、シャツの下側を、少し短くしちゃいましょう。」


そう言いながら針を進める矢坂橋さん。

それを敢えて同じ様に真似る他の人。


そして・・・・さほど時間もかからず全員裁縫のスキルを獲得。

「何故か途中から妙に針の動きが早くなったと思ってたのよ。なるほどこれがスキルですか・・・・」

古手さんが感心したように言います。

「あ、才村さん?ええと、貴女のスキルで・・・・最終的には浄化を覚えられるよう、お願いしますね?」

「はい森江先輩。お任せ下さい!それでですね、侍女さんは多分いつもの仕事・・・・と思いますが、あ、スキルのレベルは私達だけ・・・・かもしれませんので、浄化のスキル、増えてないようでしたら、浄化だけ教えますね。」


「ありがとうございます、才村様。」

「それと・・・・もうこの服は処分する事になるので、布巾として使いましょう。それでは皆さん、まずはお掃除です!テーブルを拭き・・・・壁も拭いちゃいましょう。最後は床ですね・・・・」


暫くして全員、家事全般のスキルが増えたようです。

「えっと、侍女さんはこの後どうなるかわかりませんが・・・・スキルが増えましたので、レベル5になるまでひたすら掃除をお願いします。もう私が説明する必要もありませんので・・・・」


そして皆が掃除を・・・・片付けを・・・・


「あ!レベル5になって・・・・ツリーが解放?浄化・・・・ありました!」

「本当です!これでもしもの時は、きれいにできますね!」

吉安さんと伊知地さんが早くも浄化を獲得したようです。

その後・・・・転移者は全員取得できましたが、侍女さんは駄目なようです。


「では、浄化のみ教えていきますね・・・・」


暫くして、全員覚えたようです。

「素晴らしいスキルをお教えいただき感謝いたします。」

「いいのですよ・・・・」


女性は皆スキルの事に集中し、僕を見ていなかったようです。

そして最初に僕の異変に気が付いたのは、才村さん・・・・なかなか友郁と呼ぶのも恥ずかしいです・・・・

でした。

「ええと終わりました・・・・って順平さんは?・・・ってきゃあ!」

才村さんが見たのは、部屋の隅で痙攣している僕の姿だったようです。

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