第86話 森江 泉
僕に従ってくれている侍女さんに、最終的に確認してもらいます。
「ええと、ありがとうございます。では、今からナプキンを用意しますが、手持ちに持っている人がいれば、教えてくれませんか?僕の後ろの侍女さんに渡して下さい。あ、そのどうなのですか?まだ持っている人っています?」
僕は綺麗な女性に聞きます。
「・・・・女性に、付き合っていない男性に、自分の使っているナプキンを見せろと言うの?」
「別にいいですよ、見せなくても。いやならそこまでですから。ここは日本ではありませんから、同様なものがあるのか、手に入るか分かりませんから。」
僕はそう言いながら、
「内元君、後の交渉はよろしくお願いします。あ、後の話は彼として下さい。僕は今から色々出しますから、いいですか、今から僕がする事は、秘密の事ですからね。」
僕は才村さんから手に入れたナプキンを右手にし、どんどん複製をしていきます。
左手に複製したものが手に入るので、それをどんどんテーブルの上に。
そして暫くして、クラっと来たので、複製をやめます。
一気にし過ぎました。
あ、綺麗な女性が支えてくれます。
「だ・・・・大丈夫ですか?顔が真っ青ですよ常山さん?」
「・・・・申し訳ありません。貴女に触れるつもりはなかったのですが・・・・」
「いけません、少し休んだ方がいいですね。私は問題ありませんから、私にもたれて下さい。」
いや駄目でしょう?
「ポーション飲め・・・・あ・・・・」
その綺麗な女性、どこかで見た事あるなと思ったのですが。僕を強引に抱き寄せてきます。
「ちょっと何してんの、離れなさい!」
「いいのよ、この人すごくいい人なんだから。覚えて無さそうだけど。」
うん?何の事?僕はポケットから複製したポーションを飲みます。
暫くして頭がすっきりします。
ええと今この女性を、抱かれた状態で眺めてますが・・・・
そう言えば、似た女性が会社にいたような・・・・
僕は早急に思い出します。
「・・・・ええと、もしかして、
因みに僕の知りうる限り、1つ年上・・・・
「ええ、常山さん。やっと気が付いてくださって嬉しいですわ。」
綺麗な女性は知り合いでした。あれ?眼鏡かけてなかったっけ?
「確か森江さん、眼鏡かけてましたよね?どうしました?それと、声をかけて下さればよかったのに。眼鏡かけてないので気が付きませんでしたよ。才村さんもきっと同じですよ。」
僕は起き上がります。
「ええ、その通りですね。私もここに来るまで確信が持てませんでしたし、その、お顔がお近いとお思いになられましたよね?」
「ええ・・・・その、申し訳ありませんが、息が感じられるほどでしたので。」
「その、ごめんなさい。眼鏡が無いと、ほとんど見えませんものですから・・・・」
「そうですよね。僕も森江さんが眼鏡かけてない姿見た事ありませんでしたから。じゃあ今はコンタクト?」
「いえ・・・・コンタクトは使ってないのです。眼鏡は・・・・ここに巻き込まれた時に壊れましたの。」
そう言って壊れた眼鏡を出してくる森江さん。
幸いレンズは割れてなく、フレームが変形しただけのようです。と言ってもぐにゃっと曲がっていて、フレームが割れてますね。
「ちょっと待って下さい。」
そう言って僕は修復を試みます。
そして・・・・元のように直りました。
「あの、どうですか?かけて見て下さい。」
そう言って僕から眼鏡を受け取る森江さん。
「あ、元通りです、ありがとうございます、常山さん。」
抱きしめてきました。あ、なまじ綺麗な女性なのでドギマギしてしまいます。
「あ、そのごめんなさい・・・・」
「あ、その眼鏡、もう一度貸して下さい。」
僕はもう一度受け取り、複製します。
そして渡します。
「眼鏡が壊れたら事ですから、予備を作りました。」
僕は一応オリジナルを手元に置いておきます。
「ありがとう・・・・」
「ねえ、貴女達、知り合いだったの?ならどうして一緒に居なかったのよ?」
背の高い女性がそう言ってきますが・・・・
「ごめんなさいね。眼鏡が壊れていて、顔が分からなかったのよ?」
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