第87話 浄化と下着と

「皆さん、私達にも運が向いてきましたわ!この男性、あ、私の眼鏡が直ったのでわかりましたが、同じ会社に勤務している仕事仲間です。そして・・・・人格は申し分ないので、信用できますから、あの他の馬鹿どもと違いますから!」


・・・・他のリーマン何したんだ?


「あ、取り合えずいるか分かりませんが・・・・ナプキンと、タンポン、コンドーム、そして・・・・緊急避妊薬です。人数分、分けて配って下さい。」

たまたま目の前に座った、整った顔立ちの女性と目が合います。

「あ、では私が配りますね・・・・」


「ありがとう・・・・」


その間に僕は話をします。


「僕は、頑張って複製と言うスキルを得ました。何度か試し、アイテムを複製できる事に気が付きましたが、複製ができるといっても対価がいりますので、一度に何度も複製すると、さっきのように気分が悪くなってしまいます。」

一息つきます。

「それと・・・・皆さん女性なので、どうかとは思ったのですが、他に生理用品とか、複製してほしいものはないですか?スマホをとか言われてもたぶん無理ですが、機械でなければたぶんできます。それと・・・・皆さん、下着、どうしてますか?」

一瞬でその場の空気が冷えます。


「あの、常山さん、どういう事ですか?」

ちなみにこの場は女性が圧倒的に多いので、少々空気が・・・・

「ええとですね・・・・いいのかな?これを見て下さい・・・・」

そう言って、ごめんね4人の下着の、僕が手持ちに持っているのを見せます。

「変態!」

何処からかそんな言葉が・・・・

「・・・・話は最後まで聞くべきと思うのですよ。」

「そうよ、あ、ごめんなさいね。それって女性の下着・・・・ですよね、何故常山さんが?」

「これは僕と同じパーティメンバーのです。今はそれぞれの下着を共有できないか、それぞれ着用していますが・・・・僕はこれらも複製できます。」


冷え切った空気が、一瞬にしてぎらついたものに。


「え?そうなんですか?」

生理用品等を配ってくれた女性が背後から声をかけてきます。

「ええ。あ、配ってもらいありがとうございます。」

そうお礼を言うと、何かを差し出してきます。

「あの、ハンカチをお願いしてもいいですか?」

僕はその女性を見ます。身ぎれいにしていますが・・・・ここに来た時の服なのでしょうか?

「わかりました・・・・それと、もしよかったら、ここの服に着替えて、今着ているのは・・・・日本に居た時のですよね?複製しますよ?」

「え?いいんですか・・・・って、でも汚れてますし、臭いが・・・・」

・・・・多少汗をかいているようですが・・・・それに、少し汚れてしまってますね。

「ええと、浄化と言う魔法をご存知ですか?」

「いえ・・・・」

「ではこのハンカチですが、少し淵に汚れがありますよね。」

「あ、そのごめんなさい、私ったら、男性に汚いものを差し出していたなんて・・・・」

「いいんですよ、いいですか?ええと・・・・浄化!」

・・・・あれ?威力が増してる?その目の前の彼女ごと浄化をしてしまいました・・・・


当然ハンカチの小さな汚れは消え・・・・彼女はあ、その・・・・股間をもぞもぞしはじめました。


「あ、あの、ちょっとお花を摘みに行ってもいいですか?」

「あ、ごめん・・・・その、できれば、今着ているのを全部脱いで、持ってきてくれませんか?少しの間こちらの世界の服で過ごしてもらいますが・・・・」


「わ・・・・わかりました・・・・」

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