第85話 対価

「・・・・一度座ってお話しませんか?後ろにも沢山女性がいらっしゃるようですし。」

「あらそうですわね。ではみなさん、こちらの方のご厚意に感謝し、座りましょう。」


3人が仕切っているという事でしたが・・・・特にこの綺麗な女性が一番なのでしょうか?


そう言って僕は座ると、この女性しれっと僕の隣に座ります。あ、もう反対側は内元君です。


そしてふくよかな女性が・・・・

因みに綺麗な女性の隣には背の高い女性が。

で、真向かいには他の女性が座ります。


僕は侍女さんにお願いし、紙を持ってきてもらうようにお願いをします。


「ええと、僕達は今男性2人、女性4人でパーティを組んでいます。代表の常山です。まず、皆さんの求めている品ですが・・・・お渡しできない事も無いのですが、その前に、とても重要な話なので、今この場にいる人と、僕達のパーティメンバー以外には決して話さないと言う書面に、署名していただきたいのです。」


うん?何か今、僕が名乗った時に、綺麗な女性が反応をしていたような?気のせい?

うーん・・・・どこかで見たような気がしますが・・・・人違いですよね。


「一寸それってどういう事ですか?」

綺麗な女性が僕の隣で・・・・近いです。

「ええと、これは僕達を守るのと同時に、皆さんを守る事になります。もし全く知らない人が情報を得て、僕の秘密を知れば、僕もそうですが、その秘密を知ろう、手に入れようと、秘密を漏らしてしまった皆さんにも危険が及びます。漏らした人を捕らえ、肉体的、精神的・・・・そして皆さんは女性なので、性的に酷い事をして聞き出そうとするかもしれません。そして、どれだけ注意していても、秘密は漏れてしまいます。ですが、あ、侍女さんありがとうございます。この書面は拘束力があり、書面に記載した事柄に違反しようとすれば、肉体に少し痛みが走り、秘密の事柄を喋れなくするようです。あ、その痛みも一時的で、無意識に喋ってしまう事があるので、その場合に特に有効です。一度読んで下さい。酷い事は書いてませんから。」

暫らく全員が読んでいます。

暫くして・・・・


「特に変な事は書いてませんね。分かりました。ここに名前を書けばナプキンを頂けるのですね?」


僕は今言うべきと思い、語ります。

「僕は苦労して、スキルを得ました。今回は、皆さんの分の物を色々用意しますが、何度も無心に来られても困ります。ですので、次も、もし欲しいのでしたら、対価を用意して下さい。」


綺麗な女性の手が止まります。あ、一応名前は書いたのですね。

「対価?貴方もやはり私達の身体が狙いなの?だから男って・・・・」

背の高い女性がそう言ってきます。身体が目当てって・・・・あのリーマン達に言い寄られていた?隣の女性は綺麗ですし、目の前に一人、やはり整ったスタイルの良さそうな女性がいますが・・・・

「ちょっと待って下さい。その、身体って・・・・そんな要求はしません。なんでもそうですが、物を得ようと思えば、それなりに交換する物や、金銭がいります。僕があなた方に生理用品を用意するとして、その出処はどうでしょう?僕も全く何もしないで手に入れる訳ではないのですよ?」


「え?そんな・・・・こんな訳の分からない世界で、どうしろと言うのですか?」


「・・・・逆に聞きますが、皆さんこの3日、何をしていましたか?僕はこの世界の事を調べたり、色々してましたけど。」


静まり返ります。

「あ、その話は後でしましょう。皆さん名前書きましたか?ええと、それぞれの侍女さん、この書面の確認願います。あ、侍女さんも署名して下さいね。」

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