第78話 侍女さんがやってきました

僕が返答に窮していると、何故か侍女さんもやってきます。


「一応声をかけました。」

と内元君。

「遅くなりました。念のために、こちらをご用意いたしましたが・・・・お要りでしょうか?」


例の念書?何と言うのか分かりませんが、拘束力のある書面です。


「あの、申し訳ありませんが、こちらにサインをしていただければ、お答えします。」

そう言って”火炎の罪”のパーティメンバーに書面を差し出します。

「あ?何だ・・・・っておい!こんなのにサインさせるのか?まあいいが・・・・」


全員書いてくれました。

「あの、まだはっきりとは分かりませんが、先ほど、カバンに空間魔法のスキルと、後たぶん幾つかのスキルで、改造をしました。これです。」

そう言ってカバンを差し出します。

「鑑定してもいいか?」

「どうぞ。」

「何々・・・・ええ?2450キロ入る?長さも10メートル?時間の経過が遅いから生物は入らない?おいおい、とんでもない代物だぞ?これをお前が、今作ったのか?」

「ええと、そうなりますね。秘密ですよ?」

「ああ、その紙に名前書いたからな、外部に漏れる事はねえ、安心してくれていい。しかし・・・・もう一度作れるのか?」

・・・・どうなのでしょう?カバン作った時、気絶しましたからね。

「ええと、どうでしょう?作ってる途中、目を回し、気絶しましたから・・・・」

「そうか・・・・ってそりゃあ魔力切れじゃねえか?おい誰か魔力を回復するポーション持ってねえか?」

「あ、私あるよ?」

”火炎の罪”の女性メンバーかな?が何やら液体を持ってきます。

「これだ。あんた鑑定あるか?」

「ええ・・・・では、その調べます。」

僕はこのポーションを調べます。

”魔力回復ポーション:飲めば魔力が回復します。”

「鑑定しました。いいのですか?」

「ああ、それ飲んで、やってみてくれ。」

・・・・僕はその前に、ふと思ったので、実行してみます。

”複製”スキル。

ひょっとして・・・・

そう思い、このポーションを手にし、念じると・・・・

うわ、また魔力を持ってかれる感覚がありますが・・・・耐えました。


そして、手には2個のポーションが。

鑑定しても同じです。

ええと、これどうやって複製できたのでしょう?

複製したのはいいですが、何が元になってたのでしょうか、物理的に。

まあ今は考えるのは止めましょう・・・・

たぶん増えたと思う方を飲みました。


僕はもう一つをポケットに仕舞い、”火炎の罪”の方は言いませんでしたが、つまりはカバンを目の前で一つ作ってみせてくれ、と言う意味なのは明白。

そのかばんをどうするかは、どうなのでしょう?価値が分かりませんが、凄い物と言うのは分かります。


「ええと、カバンはどうしましょう?」

すると侍女さんが、

「書類の入っていたカバンです。今は何も入っていませんから、お使い下さい。」

それとほぼ同時に、

「あ、あるのか、じゃあいいか?」

そう言って”火炎の罪”のメンバーがカバンを差し出そうとしていました。

「一応置いといて下さい。」


僕はカバンを2つ並べ、左右の手にカバンをそれぞれ手にし、先ほどのように念じます。

すると・・・・あ、今度は2つ同時に魔力が・・・・

ですが今は先程飲んだポーション?のおかげで先ほどのように倒れる事はなく、あ、きっと土魔法や回復魔法を使った後なので、元々魔力が無くなっていたのでしょう。


暫くして、フラフラになりつつ、今度は気絶しないで、作業が終わりました。

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