第74話 静かな怒りを表す常山順平
「くそ!身動きが取れない!おいお前ら何とかしろ!」
だがお付きの連れは・・・・
「森信、お前またやってしまったのか!自分が何をしでかしたか分かってるのか?」
「俺様は勇者だ!勇者様と呼べと言ってるだろ!」
「・・・・俺はもうお前についていけない。悪いがここまでだ。」
「何!今更かよ!お前、散々いい思いしたじゃねえか!」
「・・・・だからと言って人を斬っていい理由にはならない。ギルドでもそうだ。俺らが止めに入る間もなく、受付に手を出そうと・・・・もうついて行けない。」
2人とも同じ意見のようですが、今更ですね。
ですが、この森信君は許せませんね。
僕は地面に落ちている岩を拾い手に取り、土魔法と道具作成のスキルで形を形を変えていきます。
大きなU字型の楔を4つ。そしてもっと大きな岩も加工し、大きなくさびを作ります。
大きなくさびを胴体に打ち込み、森信君のだった剣を使い、打ち込みます。50センチほどの杭のようなのを。
そして森信君の胴体はこの楔のせいで身動きが取れなくなりました。
「何をする!」
「内元君、わかるよね?四肢をこれで拘束しますので、順番にお願いします。」
そう言って内元君に、先ずは左足の拘束を解いてもらい、暴れないようにします。まあ怪我をしているので、たいして力は出ないでしょうが。
そして同じように楔を打ち込みます。
続いて右足も。
「おい!どうする気だ!やめろ!」
「腕は気を付けて下さい。」
僕は淡々と作業をこなします。
手首の所にくさびを打ち込みます。
彼の拘束はこれで取り敢えず確保です。
そして他の5人を見ます。
「僕らも拘束するのでしょうか?」
そう聞いてくるので・・・・
「別にどうでもいいです。これ以上貴方方とは関わりたくありません。このままこの場から去って下さい。去りたくなければこの場に拘束します。」
「く!だが・・・・このままだと俺らも死ぬ!」
「僕は今死にかけましたよね?そしてこちらの内元君も、死にかけました。で、さらにこの僕達に何かしてほしいのですか?」
「それを言われると・・・・ただ、分かってほしい!俺達は早く日本に戻りたかったんだ!それには勇者が魔王を討伐するしか。」
「だからこんな事をしても許されると?僕らも日本に帰りたいですが、その僕らを犠牲にして、貴方方だけ帰るつもりだったのですか?」
「う・・・・それを言われると・・・・」
「別に僕も善人ではありませんからね。さて・・・・内元君、ギルドへ人を呼びに行ってもらえませんか?」
「だけど、常山さん、この人数を2人で大丈夫?」
「土魔法で・・・・囲いをすれば、ほらこの通り。」
各々一人ずつ壁で囲いました。表面がツルツルで、高さは3メートルほどあります。壁の一番上は壁の厚みが30センチほどあり、しかも斜めになっていて、仮にそこに手が届いても、多分よじ登る事は不可能でしょう。
「ではお願いします。僕は少々する事があります。」
「わ・・・・わかった。」
内元君は去っていきました。
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