第71話 投擲スキルの有用性

そして・・・・内元君のスリングで放った石は、魔獣の口の中に入り込みます。

才村さんも同じく、自分の当てた方の魔獣の口の中に、スリングで放った石が入り込みます。


少し余裕が出たので、鑑定でどの部分を素材として使えるのか調べると、毛皮と肉と出ます。

毛皮・・・・では口の中に攻撃を加え、殺す必要がある?


弱っている魔獣の口目がけ、どんどん石を投げる3人。

その内相手が動かかなくりました。

鑑定すると・・・・死んでいます。

そして、まだ6体の気配がありますが、どうやら襲ってきそうにないので、早速解体を・・・・

「わ・・・・私・・・・怖い・・・・」


無我夢中だったのでしょう。才村さんは今頃になって怯えます。


内元君も震えてますが・・・・

「折角なので、解体スキル覚えて下さい。」


半ば強引にアウルベアーの解体を行う事に。

「僕のする事を見て覚えて。」


震える内元君をよそに、僕は解体を始めます。

幸いここは岩があるので、あ、ですが重い・・・・

仕方ないので地面に小さな穴を掘り、血抜きをします。

地面に血が吸い込まれます。

その間に、近くにある小さな木を風魔法で切っていきます。

そしてそれを何本か、魔獣の死体の近くに・・・・土魔法で穴を掘り、木を立て、また土魔法で固めます。それを3本。

そして少し放してまた3本。

まあ、三角にクロスさせるんですけどね。


バッドとかでやるように、3本で固定させ、その間に木を載せます。

そしてロープで括り付け、アウルベアーの脚に括り付け、反対側から引っ張ります。

しかしまだ駄目。

仕方がないので、もう一組作り、もう一体のアウルベアーの所にも設置・・・・この2体、お互い近くにいたので今回はこれでいけますが、同じ仕掛けを作り、それぞれの脚に紐を括り付け、遠い方から引っ張り始めます。

今度はテコ?滑車?まあ丸太なのでそこまでの効果はないですが、さほど力をかけずに今度はアウルベアーが持ち上がります。

そして、ある程度上がったら、木に紐を括り付けます。

持ち上げるのは内元君にも手伝ってもらいます。


そしてどんどん血が流れます。

血を抜いたら・・・・解体作業を本格化させます。

腹を裂き、内臓を取り出し、皮をはぎます。

何故か引っ張れば簡単に毛皮が取れていきます。え?何でこんなに簡単に?

暫くして、僕の方は完全に毛皮が取れ・・・・浄化の魔法で毛皮を綺麗にし、カバンに・・・・仕舞えるのかな?

何とか押し込みます。

そして内元君も、解体スキルと剣術スキルが増えたのか、突然作業がはかどります。

半泣き状態ですが、そこは容赦なくやってもらいます。


内元君の方も毛皮が取れました。

こちらも浄化で綺麗にします。

この後は・・・・お肉ですね。

そう思ったのですが、何やら・・・・うめき声?


最初にこの魔獣がいた場所ですね。

そこから聞こえます。


一応警戒しながら近づくと・・・・

そこには、かろうじて生きている、血だらけの人間が6人、呻いています。

うわ・・・・助かるのこれ?


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