第69話 お昼になりました

誰かのお腹の音が鳴りました。


あれ?もうそんな時間?

するとさっきまで教えてくれていた女性が

「ありがと!いいスキル頂けて嬉しかったよ!今から大急ぎで昼作るからさ。じゃあ。おいてめえら、スキルは手に入ったのか?」


いきなり男前に・・・・いや、その前から男前だったかな?


「「「「「はい!」」」」」

声の揃った返事が返ってきました。


「よし!今から昼作るぜ!急げよ!」

僕は周りを見渡すと、空いているスペースがありますし、食材・・・・鑑定すれば何かわかるので、3人を手招きします。


「折角だし、料理のスキル覚えとく?多分日本で料理できてましたよっての関係ない感じだから、今から覚えたほうがいいかな、と。」

「そ・・・・そうですね。男性に料理を教えて貰うとか微妙ですが、先輩ですから嬉しいです!」

いやそこで抱きつかないで・・・・


「私達お邪魔ですね・・・・」

去ろうとするので呼び止めます。

「一緒に覚えて下さい。」


・・・・

・・・

・・


僕の知っている料理を用意しました。

3人にも同じ料理を。何故?それは今から一緒に食べるからです。

「まあポテトサラダ?と肉と野菜を炒めただけだけどね。」


今12人で食べてます。

僕達が一応揚村さんと内元君も来るだろうと思い、ついでに用意していたのですが、2人は腕を組んで現れました。

え?もしかして付き合い始めた?

僕がそう思うと

「私達、おき合いはじめました!」

「男になりました・・・・」


え?

どういう事?揚村さんの言い方も微妙でしたし?


「え?だって常山さんには才村さんがいるじゃない?じゃあここはやっぱりうっちーかなって?」

え?うっちー?


「二人で一度部屋に行き、色々道具を作ろうと思ったんですが、彼女、二人っきりになったら突然服を脱ぎ始めたんです。そして僕、犯されました・・・・」

・・・・ええ?男が女に犯されたの?

「その割には凄かったよ?」

「だって・・・・」


これ以上聞くのは・・・・おめでとう内元君。僕より先に大人になったようで羨ましい・・・・


「あの!今度、いえ!今夜私達もいいですよ?」

才村さん、それつり橋効果です・・・・


そしてため息が聞こえた気がします。



で、あらためて・・・・今は侍女さんを含め12人で食事中です。

厨房にはほとんど調味料がありませんでしたので、肉汁で味付けをしました。

ポテトサラダ?は怪しいですが、野菜炒めはそれなりのお味です。


「あれ?これ美味しい!流石先輩、料理もできるのですね!今どきの男子はお料理もできないと駄目なんですね。」


「え?これぐらい誰でもできるでしょ?肉焼いて、野菜焼いて、芋すりつぶしたぐらいだよ?」


「そうは言ってもそれができないんですよ、経験が無いと。」


そう言うものですかね?でも今皆さん、いや3人か、が食べてるのは自分で作ったのですからね。


食事をしながら思いました。昼からどうしよう?

またあの広い場所でレンガを作るのも良いですし、何か道具を作ってみるのもよさそう。

それとも外で何か魔物との戦う訓練をすべき?悩みます。


そして気が付けば、揚村さんはお友達と何やら話し中です。


そしてあれほど戦闘は嫌と言っていた内元君が

「ちょっと道具を作ったんですが、外で動物で試したいのです。お付き合い願えませんか?」

と言ってきます。

「え?いいけど道具って何?」

「これです。」


ええと、縄の先に石?が巻き付けてあります。

「これってスリング?」

「ええ。直接投げるより、より遠くへ石を投げ飛ばす事ができるはずです。」

・・・・これは外でしないといけませんね。

「じゃあ一度外で試そうか?」


僕は内元君と外へ出ようとしましたが

「私も行きます!」

才村さんも同行するようです。

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