第59話 本当に耐火煉瓦ができるとは・・・・

此処にいる3人の女性は、そのレンガを見て驚いています。


才村さんですが

「あの、常山先輩ってどうしてこんな知識があるのですか?その私、知らなくて・・・・耐火煉瓦と普通の煉瓦は何か違うのでしょうか?」


あ、そうだよね?

「ええと、土を固めて・・・・粘土かな?まあそれなりに色々入ってるみたいだけど、粘土みたいな土を、水分を含ませ、混ぜて、形を作り、焼くか日干しで乾燥させるんです。」

「今回は焼きましたよね?」

「ええ。建築に役立てるなら、日干しの方が粘りがあって壊れにくいんです。ただ、熱に弱く、鉄を溶かしたりしようと思っても、レンガの方が先に駄目になるんですよ。」


「へえ・・・・そうなんですか、知りませんでした。で、焼くとどうなるんですか?」


・・・・どうなるんでしょうか?どういった用途に適しているのかは知ってますが・・・・

「ええとですね、多分レンガの中の何かの成分が、化学反応を起こすんだと思います。こればかりは知識、それも適当に得た知識なので、本当かはわかりませんが、熱に強くなるかわりに・・・・脆くなります。まあ、建築に使えば、地震が来ればレンガが割れるらしいですね。」


「なるほど・・・・でもあの、さっきレンガを焼いた時、何やらかまどみたいにレンガを組んでましたよね?」

「ええ。ただ魔法で焼いても表面しか焼けませんから。なので、火をしっかりレンガにあてないといけないので、囲いを造りました。それに、全て囲えば酸素がいきわたらくなり火が燃えません。折角の木片ですからね、有効に、効率よく・・・・まあ、こういった事もやった事があるんですけどね。」


何せ僕の持っている本に、書いてあるんです。その通りに実践したんですけどね。

日本にいる時は材料、道具があったので簡単・・・・とは言いませんが、失敗もなく出来ましたし。


そんな事を話していると、侍女さんが

「あの、この完成したレンガはいかがいたしましょう?」


「あ、そうですね・・・・どこかに仕舞っておけませんか?いずれどこかで家を借りるなりして、かまどなり高温の火を扱えるようにしたいんです。」


「分かりました。あとで使用人に倉庫へ運ばせますね。」


・・・・これで美味しいピッツァが焼ける!

あ・・・・こんな事の為に作っちゃったのがばれたら、怒られそうなので・・・・黙っておきましょう・・・・そう思ったのですが

「あの、常山先輩?この煉瓦で、かまどとかできるのでしょうか?そのつまり、台所で、使うような・・・・」

あ、よかった、ごまかせます!

「ええと、出来ると思いますよ。ピザ窯みたいのを造ればパンも焼けますし、オーブン代わりになります。それに、台所でしたら、鍋を置けるようにすれば、鍋でお水を沸かせますし、鉄板を引けば肉や野菜を焼けたりできますね。」


すると2人の女子高生も、後は侍女さんも目が輝いてます。吉安さんが・・・・

「あ、あの!クッキーとか焼けますか?」

・・・・ええとご免なさい作り方知りません・・・・

「ええとその、作り方知らないので、無責任な事は言えませんが、ピザ窯を造ればきっと焼けますよ?」


わあっと歓声を上げる女性陣。

今度は伊知地さんが

「では、プリンはいかがでしょう?」

・・・・なぜお菓子が続くのでしょう?

「ええと・・・・プリンって卵・・・・だよね?卵が手に入って・・・・後は砂糖?それと・・・・その他は知りませんが、きっといける・・・・って、プリンも焼くんですか?知らないものですから・・・・」


「ええ、オーブンで焼くんですよ。」


”因みにプリンはオーブンで蒸すか、蒸し器で蒸して作る・・・・本当の名はプティングです・・・・”


何せここで提供される食事が美味しくなく、その内自ら作らないと、精神的にきつそうですからね。食は大事です。何が楽しみって、働いた後に美味しくいただく料理ですよ。


そして何を思ったのか、才村さんが

「私、常山先輩の為にいっぱい美味しいお料理作りますからね?」

と言ってくれてます。

ええと、そんなに張り切らなくても・・・・?

「ええと、その、ありがとう?」

「毎朝美味しい味噌汁作りますから!」


・・・・ええと、何故味噌汁?それと味噌はあるの?

「ええと、味噌・・・・あるかな?」


「え?」


2人の女子高生が、何故か盛大な溜息をつきました。


・・・可哀想な才村さん。これは難攻不落ですね・・・・と。

え?何?僕何か悪い事をした?

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