第60話 いかついおっちゃんとの出会い
さてそろそろ一度引き上げましょうとなった時・・・・
何か外が騒がしくて・・・・賑やか?何だろうと思ったら・・・・
「ええと、何でしょう?何か騒がしいと言うか賑やかと言いますか・・・・」
侍女さんが・・・・
「見てまいります。」
そう言って出ていきました。
暫くして、武器を持った沢山の兵士?が、沢山やってきます。
この場の全員が驚きます。
え?ひょっとして僕達何か悪い事しちゃってました?
そう思っていると、その兵士?の間から、ひょっこりと席を外していた侍女さんの姿が見え、こちらにやってきます。
「お待たせしました。どうやら鍛冶職人がやってきているようで、修繕の必要がある武器がないか、ここに並べて確認するようですね。」
ええと、何故に外で?そう思いましたが、
「明るい場所で見定めたいとの、親方の意向のようですね。」
そう言ってその親方らしき人物を教えてくれます。
うわ・・・・めっちゃごっついおっちゃん。
そしてあそこに置けとか指示を出しています。
そして・・・・こちらにやってきて
「おい嬢ちゃん、何だそのレンガは。邪魔だからどかせ。」
そう言ってどかすように言ってきます。
「申し訳ありません親方。その耐火煉瓦、まだ熱いので、申し訳ありませんが、今すぐ動かすのは無理なので・・・・」
そう言い謝ろうとすると、その親方は手で遮り、
「あ?耐火煉瓦だあ?何でそんなもんがこんな所にあるんだ?どっから持ち出しやがった?そもそも俺達の管理をかいくぐって、しかもこの街で俺様の知らねえ耐火煉瓦が存在するとか、おかしいだろ?」
・・・ええと、一寸雲雲行きが怪しくなってきました。
此処は僕は話すしか?
「それは・・・・ですが、その・・・・」
このままでは侍女さんがどうにかされてしまいそうなので、僕が間になって話を。
「申し訳ありません、親方。その耐火煉瓦は、今しがた僕が作ったのです。ピザ窯を作りたくて。」あ、言ってしまった・・・・
「あ?何だピザ窯?窯を作りたかったのか?」
「ええ・・・・高温で窯を・・・・そこに色々な食材を入れれば、美味しく焼けますので・・・・」
するとその親方?が何だか知らないけど怒り出した。
「てめえふざけんな!耐火煉瓦で料理の為の竈を造ろう?ふざけんのもいい加減にしやがれ!」
そう言って、まだ熱いのに・・・・僕が完成させた耐火煉瓦を一つ手に取り、投げつけようと・・・・僕は危ないと思い、身構えましたが・・・・
親方、何を思ったのか、途中で固まってます。
しかも手のひらからは焼ける臭いが・・・・
「おいてめえら、これを見ろ!特に、ホラーツ!てめえ炉の責任者だろう?これを見ろ!」
そう言って手にしていた耐火煉瓦を投げてます。
弟子さん?が受け取って・・・・やはり手が焼けるのもお構いなしに、耐火煉瓦を見ています。
「ジークムント親方・・・・こ・・・・これは!」
ええと、ホラーツと言われた、やはりごっついおっちゃん?が驚いています。
そして、他の職人さん?も皆さん一様に驚いています。
「お・・・・親方・・・・この道30年ですが・・・・このような高品質の耐火煉瓦、見た事がありません・・・・」
「やはりそうか。信じられんが俺達が用立てできる最高品質の耐火煉瓦より、こいつの方が数段上の性能だ。」
・・・・何を言ってるのでしょう?
素人が作ったただの煉瓦ですよ?
「おい、にーちゃん!こ・・・・この耐火煉瓦・・・・これで全部か?」
「ええと・・・・焼いたのはこれで全部ですが、どうしましたか?」
暫くしてその、ジークムントと呼ばれてる親方、やけどをした手で僕の方をがっちり掴んできます。
うわ・・・・凄い力、そしてびくともしませんね。
「ワシの名はジークムント・フォルツと言うのだがな、この煉瓦、譲ってはくれんか?無論只とは言わん!それに、もっと用立てできるのであれば・・・・もっと造ってはくれんかね?」
・・・・怖くてちびりそう。
そして・・・・なんてこった!女性陣3人とも、恐怖で失禁してしまってます。
地面に座り込んで、その・・・・どんどん水たまりが・・・・
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