第55話 だれか専門の人を呼んだ方が・・・・

「あのさ、今更なんだけど、誰か魔法の知識のある人に教えてもらった方が・・・・」

僕が言いかけると、2人の女子高生に遮られます。

「それはダメです。常山さんのような考えの方でないと。」

・・・・どういう考えなのか僕にも理解できるように教えて下さい。

「先ほどのスキルに関する考え、感動しました!きっと魔法でも素晴らしい知識を披露して下さると期待しています!」


「え?ちょっと待って?知識なんてないよ?考え方を、そう、視点を少し違う方向に向けたというか・・・・」


何で僕がこんな弁明まがいの発言を?

「そう、それです!私達にはない、その柔軟な考え方!是非もう一度お願いします!」


・・・・それは分かったけど・・・・


「ええと、どっちからがいいかな?」


「では、先ほどは私でしたので、伊知地さんの火魔法を見てあげて下さい。」


「・・・・じゃあ伊知地さん、一度火魔法というのがどんなのか・・・・出す事できる?」

「あ・・・その・・・・危険ですよ?」


「え?じゃあねえ・・・・伊知地さん、そもそも今から使おうとしてる魔法、攻撃魔法じゃない?」

「ええ・・・・そのように求められましたから。」

「それが根本的に間違ってるよね。火というのは色々便利でね。僕はサバイバルで、キャンプしながら友人と3泊ぐらいしたりしてたからわかるけど、食事をするのにとにかく温めるか焼かないといけない。そうしないと・・・・基本的に現地での食料調達だったから・・・・それには火が欠かせないんだよ。ええとね、僕さっき削った木の枝の残骸を持ってるんだけど、これに火をつけようか。」


そう言って僕は地面に切りくずを置いていきます。

「ええと、どうやって魔法を使うかわからないけど、攻撃魔法ならこの木のくずは燃える前に吹き飛ぶからね、威力を抑えないと。」

「どうすれば・・・・?」

「ええとね、じゃあ、魔法を使かう時に、コツとかある?腕を伸ばすとか、指先を攻撃目標にかざすとか?」


「あ、手のひらを相手に向けるようです。」

「なるほど・・・・じゃあね、それを指先でやってみない?」

「指先でですか?」

「うん。スキルの時みたいに。」

「ええと・・・・やってみます・・・・あ!出ました!」

彼女の指先からは、ライターの火のようなのが出てきました。

「熱くない?」

「大丈夫です。」

「じゃあね、一度魔法を止めて、今度は地面のこの木くずに魔法を使ってみようか?」


僕は木くずを示し、同じようにやってみます。まあ出ないけど。

「わかりました。さっきのでコツをつかみました。見て下さい。こう・・・・指先に魔力?を集め・・・・燃えろと念じれば・・・・」

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