第54話 私負けませんから!

何故か隣には僕の腕を取り、組んできた才村さんがいます。

ええと、それ恋人にする行動だよね?


後ろから視線が・・・・

(ねえ、やはりあの2人、お付き合いしていたのではないですか?)

(そう思うよね?年齢も近いし、あの才村さんの、常山さんを見る眼差し・・・・)

(常山さん、気が付いてるのかついてないのか・・・・)

(男なら、こうガバッとしてあげたらいいのにね?)

(キャッ!大胆・・・・でもたぶん才村さん期待してるよね・・・・)

(多分じゃないよ?絶対だよ?何度もアピールしてるみたいですけど・・・・彼は相当な鈍感なのでしょうか?)


・・・・酷い言われようだ・・・・それに聞こえてます・・・・

それに、才村さんほどの女性が僕に?どう考えてもあり得ない・・・・

あれだけの美女ですからね。世渡り上手なんでしょう。

まあ、彼女に限れば人当りもよいし、性格なのでしょうが・・・・


才村 友郁の受難は続く・・・・


・・・・

・・・

・・


侍女さんに案内されてやってきたのは学校の運動場よりはるかに広い、400メートルトラックが何本もありそうな、広い場所でした。


そして才村さんは、僕から離れる気がないらしく、ずっと引っ付いてきてます。

ええと、ちょっとかわいらしい小動物?みたいな。

だけどここは心を鬼にして・・・・


「才村さん、今から2人の魔法を見るから・・・・危ないので一度離れてもらっても?」

「・・・・どうしても?」

「ええ・・・・できれば。」

「じゃ・・・・じゃあ・・・・キスしてくれたら離れます!」

ええと、何を言ってるのでしょうか彼女は。

「何度か言ったかもだけど、それつり橋効果だから、もっと自分を大事に・・・・」


言い終わらないうちに、彼女は僕から離れ・・・・正面から首を抱きしめ、キスしてきました。

アッと思う間もなく・・・・

そして強く抱きしめてきます。

思わず抱き返してしまいました。

何という事でしょうか・・・・

彼女は自分を見失ってます。

僕は・・・・キスって初めてですが・・・・その・・・・興奮します・・・・だけど駄目今は!

僕は才村さんを引き離します。

「そそそその・・・・・もももっとだね・・・・自分を・・・・大切に・・・・」


「私のファーストキス、いかがでしたか?」

「え?ええ?僕もだけどその・・・・興奮しました・・・・って何してんの!もっと大事・・・・って初めて?」

「ええ!ファーストキスは大好きな常山先輩にって決めてましたから!」

・・・・ええとどうしたら・・・・


すると、侍女さんが、

「その、大変申し訳ありませんが、お二人が待ちかねてますよ?」


・・・・見てたよね・・・・

「あ、お邪魔ですよね?」

「いやいや何言ってんの?君たちの魔法を見るのに来たんだから、いいんだよ!」


つい興奮してしまいました・・・・

「やっぱりお付き合いしてたんですね?」


「いやいやそん「無論恋人ですよ!そして、私負けませんから!」」

・・・・才村さん暴走中・・・・さっきもですが、一体何と勝負してるのでしょう・・・・


こんなので魔法に集中できるのかな?

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