第34話 いくつか質問をする
「では、先ず答えなくていいので、僕が質問したい事を先にいくつか言います。一つ一つ応えて頂いている間に、失念してはどうかと思いますので、いいですか?」
「分かりましたは、では、少し・・・・覚えられるか分かりませんので、侍女の方にご協力を願っても宜しいでしょうか?」
何でと思ったけど、もし質問が複数あれば、質問された事を忘れてしまうからかなと思ったので、肯定する。
「じゃあ、ええと、侍女さん、一つずつ覚えておいて下さい。言葉そのものではなくていいので、意味が分かれば・・・・その、回答を得られたら、その都度次の質問を、僕が何を質問していたか指摘してほしいのです。」
侍女さんのうち、僕の侍女さんが、
「分かりましたわ、常山様。」
「ありがとう・・・・才村さんも何かあれば、質問してほしい。」
「え・・・・ええ・・・・常山先輩が質問して、足りない部分があれば聞きます。」
「では・・・・ええと、先ず一つ目なのですが、僕達を召喚するよう命じたのは誰で、召喚したのは誰でしょうか?何せ、僕達があの場に転移させられた時、1人だけしかいませんでした。あの場では王宮と聞かされましたから、王族・・・・王様が治めているのでしょうか?そして王族の方が1人もお見えにならないので、どうなのかと思います。あ、これは質問が3つですね。1つ目・誰が命じて召喚をしたのか。2つ目・誰が召喚を実行したのか。3つ目・ここを治める国の王族が誰も姿を現さないのは何故ですか?」
一度ここで一呼吸を。
「ええと、まだあるのですが、いいですか?」
受付の女性が一寸険しい顔をしているのに気が付いたので、聞いてみる。
「え・・・・ええ・・・・問題ありませんわ。むしろ当然の質問と言いますか、誰もその事についておっしゃらなかったのが意外ですわ。あ、先ずは全ての質問ですね、どうぞ。」
「では・・・・この世界と、本来僕達がいるはずの世界との違いですね。さっぱりわかりません。この中で特に聞きたいのは、一つはスキルです。スキルって何ですか?今日でここに来て3日になりますが、全く理解できません。次にレベルです。この世界の人にはレベルの概念が無いと説明を受けましたが、私達転移者にはあると聞いてます。この違いは何でしょうか?次の質問は、魔法ですね。私達の住む世界には魔法が存在しません。これも理解できません。さらには、スキルの増え方です。講習を受け、スキルが増えましたが、他にも僕、スキルが増えたんです。これはどうやって増えたのか・・・・ある程度確証はあるのですが、これは普通知っている事なのでしょうか?それとも誰も知らないから、黙っていた方がいいのかと思い、才村さん以外には言ってません。」
更にここで一息つく。
「ちょっと驚くべき質問がありましたが・・・・まだ何か?」
「ええ・・・・これはギルドでと思いますが、パーティって何でしょう?既に才村さんとはパーティになっているようですが、これは何人も一緒になっていいのかどうか?人数が増えた場合どうするのか?ですね。それと・・・・申し訳ありませんが、私達と、侍女さん方・・・・の、味覚の違いなんです。彼女達は王宮で、僕達に出される食事が美味しいと感激していましたが、正直僕達は美味しいと感じませんでした。」
すると侍女さん方が
「ええ?あの食事が美味しくない?あ、失礼しました。」
「ああ、いいのですよ。あ、多分忘れてなければ今僕が思いつく質問はこんな感じです。才村さんは何かありますか?」
「は・・・・はい!いくつかあります!女性としての質問ですが・・・・いいでしょうか?」
「あ、僕いない方がいい?」
「いて下さい!今後常山先輩にも大いに関わってきますから!」
うわ・・・・才村さんが強気だ・・・・
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