第31話 道具作成のスキル 

内元君のスキル・道具作成。

よくよく思い出すと、確か最初に説明をしていた人物が、道具作成についても言及していたっけ。

ええと・・・・物を作るサポートが期待できるとか何とか。


よくあの説明で良いと言われていたスキルを獲得できたね。


僕はそれを内元君に聞いてみると、


「あ、僕たまたまスキルを貰える場所の近くに居たんですよ。僕は戦闘なんて真っ平ごめんですからね。で、多分此処で暮らしていく事になるだろうと考え、そうすると真っ先に思い浮かべたのがお金ですよ。ここでお金を稼ぐにはどうしたらいいか。何か作ればいいのじゃないかと。で、あのスキルですよ。僕はある意味運が良かったんです。」


たまたま近くにか・・・・


そう言う僕は、真ん中ぐらいの中途半端な位置だったっけ。

そして、背後から我もと突っ込んできた誰かがぶつかってきて、その衝撃で気を失った・・・・

運が悪かったのかどうか、結果は・・・・残り物には福がある、ですよ。才村さんもそうですね。家事全般・・・・極めれば浄化の魔法。非常に有用なスキルです。


そして・・・・今僕は大いに悩んでいるのです。

今ここに集った6名の転移者。

才村さん以外はほとんど知りませんが、周りを見る限り、多分真面な人達。

女子高生3人のうち2人は清楚で大人しそうな、気配りもできそうな感じで好感が持てます。

もう1人は勇者の元彼女。

酷い振られ方・・・・彼女も嫌だった?から結果いいのかもだけど、まあ今どきの少し派手めな感じ。

まあ・・・・人は悪くはなさそうだけど、一寸注意が必要かな。

そして、内元君。


未だ侍女に手を出さない所を見ると、彼もまじめなのだろう。


この6人、今は一緒に居るけれど、今後どうすべきか、それを悩んでいます。

恐らく僕が一番年上、当然ながら責任は僕に圧し掛かってくるでしょう。


それはそれでいいのです。


だけど、本当に信用していいものかどうか・・・・


才村さんは、こう言っては何ですが、何故か全面的に信用してしまってます。

向こうもそうだと・・・・いいのですけれど。


で、どうすべきとはなんだ、ですが、魔王の討伐を含め、今後戦闘に巻き込まれる可能性が大いにありそう・・・・何せ今女子高生3人は、本来勇者たちが所有すべきスキルを、戦闘スキルを所持しています。それぞれ攻撃魔法と回復魔法を扱えるうえ、2人は遠距離攻撃。もう1人の罠が何を意味するのかは知りませんが・・・・罠を発見するのか、罠を解除するのか、罠を設置するのか・・・・それらを含め罠の扱いなのか・・・・

それとも、根本的に、物理的な罠ではなく、言葉での罠の可能性もあります。

この3人は今後間違いなく何かしらに巻き込まれ、もしくは矢面に立たされるでしょう。戦闘スキルがあるのに、何故戦わないのか、と。


この3人をサポート・・・・もしくは3人のスキルを僕が覚え、3人と共に活動をするか。


そしてもう一つは・・・・

スキルの増え方。

他の人々は気が付いていないようです。ギルドへ行けば講習があるので気が付きそうですが、先ほどの内元君のスキル、あれをあんな方法で、意図しなかったとはいえ、僕が覚えてしまった・・・・この事実が明るみになった場合、どうなるのか。

この事実を沢山の人が知ってしまえば、どんどん広まるでしょう。

この事実を今いる面々に伝えるべきか否か。

後で才村さんと要相談、ですね。


そんな事を考えていると、才村さんが3人との話が終わったようで、僕に話しかけてきます。


「あの、後でこのメンバーでギルドへ向かいませんか?」


え?どうしてかな?

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