第18話 気が付けば、いくつかのグループに
僕達は食堂の一画に陣取り、様子を見る事にしました。
最初に気が付いたのは、いくつかのグループに何となくわかれていた事です。
一つは先程のゲスいリーマンの集まり。ぶっちゃけ10人ほどいる様子。その中でも2~3人程で集まってるようですね。
もう一つはあの学生勇者とその取り巻き?
全部で6人ですね。
後は、ボッチで過ごしている人が何人か。
まあ、電車の中だったから、1人で、と言うのは多いだろうと。
若いサラリーマンや、女性に見受けられます。
それと、やはりと言いますか、女性ばかりのグループです。
転移者の男女比は恐らく7対3ほど。
男が圧倒的に多いので、おのずと女性は女性同士で集まってしまうようです。
こうやって身を守る必要が?うん、あるよね。こんな訳が分からない世界では。
あとは、たまたま知り合い?だったらしい人達が、一塊になっているようです。
恐らく同じ会社の人間なのでしょう。
勇者グループと、ゲスリーマングループとは極力関わりたくはないですね。
個人、ボッチはどうなんだろう?
後は気になるのが女性の集団。
若い女性から年配まで。
助けに、といいたい所ですが、先ずは自分たちの足場を固めないと。
そんな中、食事をしていると、またあの空気を読めない勇者君が何やら話し始めます。
「皆聞いてくれ!勇者である僕は、昨日外で戦ってみた!勇者である僕に掛かれば魔物は恐るるに足らない存在だ!君達も魔物と戦い、自らの力を強めたほうがこの先、生き残れるだろう!今日こそは我々と行動するのだ!」
あーと思ったけれど、どうやらボッチが何人か同調したようですね。
「おお!来てくれたか!来てくれたからにはお互い頑張ろうではないか!」
いいのかな?生産系のスキルしかないはず?他の連中は。戦闘のスキルは勇者とその取り巻きに渡ったと聞いてますし。
「私達は地道に行きましょう。」
才村さんがそう言ってくれます。
あ、因みにギルドカードには、パーティやらクランの事も記載してあって、パーティは、一緒に依頼を受けたり、魔物を仕留めると、経験値がパーティ内もメンバーに公平に分配される仕組みで、同じパーティに入ってなければ、魔物の討伐は、仕留めた人にしか経験値が入らない仕組みになっているそうで。
そしてクラン。
パーティが複数所属しており、多い場合100名以上在籍する組織みたいです。
大がかりな依頼を受けたり、それぞれの役割分担があったりと、便利らしいです。
現状は僕は才村さんとパーティになっています。
で、勇者パーティだけど女性、女子高生?のうち2人が何か言いたげにこちらを見ています。
だけど、あまり関わりたくないな。あ、でもあの2人は何であのバカ勇者に着いて行ったんだろう?見るからに礼儀正しい感じなんだけど。
そう思っていると、どうやら勇者君とその取り巻き男性は、新たに加わったメンバーと話に夢中になっており、メンバーの女の子に気が付いていない様子。
そんな中、先ほどこちらを見ていた2人が、こちらにやって来ます。何だろう?
「昨日は大変失礼しました。」
「ああ、それはいいのだけど、いいのかい?」
「ええ。本当はあのパーティに居たくないんです。あそこに残ってる女の子、あの勇者の彼女なんですが、私達はあの女の子と友達で。勇者といわれているあの男の子とは面識が無かったのですが、こんな訳の分からない場所で、知り合いと一緒に居たいのはわかりますよね?なので仕方なく。ですが、無駄に正義面した愚かな男とは、これ以上関わりたくないのです。」
「だけど、君達戦闘スキル貰ってるよね?」
「ええ。だから悩むんです。それと、今すぐでなくていいんです。何かあったら、私達を受け入れてもらえませんか?」
「あそこの女性グループじゃ駄目なのかな?」
「知ってますか?あそこ、3人の女性の独裁ですよ?」
「え?そうなの?それは知らなかったわ。」
「で、どうするの?僕は今すぐ君達を受け入れてもいいけど、勇者君はそれを是としないよね?あの様子では。」
「ええ。だけど、あの新たなメンバーが加わればきっと。」
そう思ってると、幸運がこの2人に味方をしてくれたのか、
「ああ、ちょっといいかリーマン。」
「何かな勇者君。」
「ああ、我々は新たなメンバーを加えようと思うのだが、パーティは基本6人だそうだ。で、新たに3人の有望なメンバーを加えたいのだが、そうすると、まずは2人を何とかしないといけない。だが、幸いな事に、この2人はまるで役に立たなかったのでね、もしよければリーマンで使ってくれないか?この2人、戦闘スキルと聞いていたが、直接の戦闘では全く役立たずでね。どうだろうか?」
ああ、きっと彼女もいるし、侍女にも手を出してるんだろうな?で、自分になびかない女2人を手放したい。でも3人を迎え入れるのに手放すのは2人?
それとももう1人手放すのかな?
「わかった。受け入れよう。僕の方は知り合いの、同じ会社に勤務している仲間と2人だからね。それに、同じ女性がいる方が彼女も安心するだろうから。」
「そうか!話を理解してくれて嬉しいよ!もし魔物と戦うなら、僕らが指導してあげるから、声をかけてくれたまえ!はははは!」
なんだあいつは?
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