第16話 いつの間にか

あれ?僕は何をしていたんだろう?


気が付けば、横たわってます。


思い出せないです、

しかし、妙に気持ちのいい枕。


思わず枕をさすってしまいます。


「あ・・・・あん♪」


んん?何か変だぞ?この枕。妙にしっとりとして、いい匂い?


僕は、何故か目が覚めました、ええ、全力で。



目を開けると、太ももですよね?何で?

で、僕の手が、大事な部分に触れてしまってるわけで。


見上げれば、そこには薄い布で覆われた、一寸何かが見えそうな才村さんが、僕を膝枕してくれてました。何で?


どうやら僕は、風呂場でのぼせてしまったようで、才村さんが介抱してくれていたらしいです。


そして、無意識とはいえ、才村さんの太ももを撫でまわした挙句、禁断の大事な部分を、触ってしまっていたらしいです。


不味い、不味いです。


盛大にやらかしてしまいました。ああ、彼女に何て事をしてしまったんだ!死んで詫びるしかありません。


「あ、あの、大丈夫ですか?」


「ごごごめんなあああさあああいい!」


僕は盛大に土下座をしました。


嫁入り前の女性の、しかもお付き合いとかしていないのに、一番大事な部分を触ってしまったのです。


「あ、あの気にしてませんから。むしろうれしいと言いますか。」


「え?何か言った?」


どうやら僕には鈍感スキルが働いているようです。


「ききき気にしないで下さいい!!」


「その、ありがとう。」


「いえ、その、よかったら、毎日しますよ?」


「ええっとその、嬉しいけど、一寸ね?」


何やら変な方向に話が行きそうだったので、此処で止めました。


ヘタレでごめんなさい。僕ってこんなヘタレなんです。



どうやら僕には刺激が強すぎたようで、今後は、気を付けましょう、色々と。


そして、この後は何事もなくはない?僕と才村さんは、同じ部屋で寝ると言う事が、どういう事かよく考えていなかったのです。



・・・・

・・・

・・



《あてがわれている部屋》


机と椅子があったので、気が付かなかったのですが、いざ寝ようと言う段になって、気が付いてしまいました。


「こ・・・・これは?」


「え、ええとベッドが少し大きめですが、一つですね。」


「何故枕が並んでるの?」


「この方がよろしいかと存じましたので。」


何がですか?


「ど、どうしましょう?」


「侍女さん、寝室にもう一つ布団をお願いできますか?僕は床で寝ます。」


「宜しいのですか?」


「常山先輩!待って下さい!」


何故か才村さんにとめられてしまいます。


「一緒に寝て下さい!」


「え?えええ?駄目だよそんなの!」


「あ・ええとその、ちょっと違いますが、違わなくって。ちょっと、一人で多分、寝られないと思うので、よかったら、一緒にお願いしたいです。」


あ、そうだよ、そうだよね。心細いよね。

たまたま僕と才村さんは、知り合いだったけど。

こんなよく分からない異世界に突然放り込まれてしまって。


「うん・わかったよ。一緒に寝よう。」




気が付けば手を握ったまま寝る事になってしまいました。

才村さんが心細いからと、手も握っていてほしいと懇願するので、繋いでしまいました。


安心したのか、才村さんはすぐに寝たようですけど、僕は色々と悶々としてしまって、結局寝られませんでした。

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