第10話 才村 友郁 その2
ああ、何て事なのでしょうか。
よくは分かりませんが、ギフトやスキルと言うような、何かの能力でしょうか?それらが何かの役に立つと説いていますね。それを皆さんが必死になって奪い合っています。
鍛冶?生活魔法?
よく分からない事を説明しています。
役に立つとか立たないとか。
誰がその基準を決めてるのでしょう?
たまに魔法と言ってますが、魔法の存在する世界なのですか?
ひょっとしてゲームの世界でしょうか?
あ、常山先輩が、私に気を使ってくれてますが、流石にあのスキルとかを貰わないと、と思ったのでしょうか。
立ち上がり私と共に向かおうとしますが、あ!
後ろから誰かが・・・・常山先輩に危ないと言う間もなく、その人は常山先輩にぶつかり、先輩が飛ばされてます。とんでもない勢いで!しかもそのまま去っていきます。あれは学生の集団でしょうか。
何て礼儀知らずで、自分勝手な学生さん。
私はそれよりも、私をかばった為にこのようになってしまった常山先輩を申し訳なく思い、膝枕でその場にて介抱します。
ええと、いいのですか?好きな・・・・そう、私は常山先輩が好きになってるんです!好きな、まだお付き合い以前の状態の人とこのような事をしてしまっていいのかな?ちょっと恥ずかしいです。
あ、もう常山先輩ですが、気が付いたようです。
そして周りを見渡すと、あの喋っていた人と、私達しかいません。
「おやおや、呑気なものですねえ?もう外れスキルしか残っていませんよ?」
喋っていた人が言います。
「何があるんですか?」
私は思わず聞いてみます。
「家事全般と鑑定ですね。」
あの喋っていた人がそう答えます。
「ねえ、どうしようか?」
常山先輩が聞いてきますが、私に判断できるわけもなく、
「ええと・・・・どうしましょう・・・・?」
そうとしか答えられません。
「まあ、私的には、そちらの女性が家事全般、男性が鑑定にした方がマシじゃないかとは思いますがね。」
ああ、喋っていた人が意見をしてくれますがどうなのでしょうね。
「じゃあ僕が鑑定にしておくよ。どちらもあの人から言わせれば、外れスキルらしいけれど。」
あ、私ったら、気が付けば常山先輩の手を握りっぱなし。
しかも変に汗ばんじゃって、その、不快だったらごめんなさい!でも、放しませんから!
「ここに手をかざせばいいのかな?」
どうやら平らな場所に手をかざせば、そのスキルと言うのが貰えるようです。
何かが身体に入り込んでくる感覚。
「ええと、才村さんだっけ?大丈夫かな?」
常山先輩が私を気遣って声をかけて下さいます。
あ、私の苗字知っていてくれたんですね?
「ええと、よく私の名前知ってましたね?」
あ、思わず聞き返してしまいました。
「だって、ほら、制服に名札つけてるでしょ?」
まあ、そうですよね。
「ああ、そうでした。」
馬鹿な人と思ったかしら?
それと、ステータスオープンと念じれば、自分のステータス?が見れるみたいです。
名前 :
性別 :女の子
種族 :人間(召喚者)
年齢 :23歳
レベル :1
所属 :社会人一年生
所有スキル:家事全般 Lv1
何でしょう?
レベル?所有スキル?
やはりゲームでしょうか?よく男子がゲームで、そのような話をしているのが聞こえていましたから。
この後、私は常山先輩が私を嫌がらない限りは、ずっとついて行こうと、そう決心しました。なので、手は放しませんよ!
震えが伝わらなければいいのですが。
もし常山先輩がいなければと思うと、恐ろしくてとてもじゃないですが、手を放す事なんてできません。
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