第3話 召喚者だけの特権

「さあ、向こうで説明を受けて下さい。各々一人ずつ係りの者をお付けしますので。」


そう言って指で行き先を示したその人に、向こうに行くよう促され、僕と才村さんは移動しました。


・・・・

・・・

・・



何やら先程の学生?勇者でしょうか?が熱弁を振るっています。


「・・・・はここで待っていてくれたまえ!生産スキルを手に入れた方々、僕らの旅の手助けになるアイテムの生産、よろしく頼むよ。」


大丈夫かな?目上の人にあんな口きいて。


そんな中、2人の女性が目の前にやって来ます。


「もし宜しければ、召喚者様、転移者様について少々説明いたします。」


そう言ってますが、何でしょう?。


「わかった。じゃあ頼みます。」


2人の女性は、僕と才村さんに説明をしてくれます。

外野が煩いけれど。


この2人の説明によれば、この世界はレベルの概念はないですが、召喚者及び転移者にはレベルの概念があるらしいです。


そして、ステータスオープンと念じれば、目の前に画面なるものが現れる・と。あ、その前に何やらカードを手渡されます。


「カードです。但し、普通のではなく、召喚者様・転移者様限定の特別カードですので、くれぐれも扱いにはお気を付け下さい。」


これも召喚者にしかない現象のようです。このカードを所持していれば、表示が出るようです。


試しに「ステータスオープン!」


と念じてみます?あ、ちょっと言葉に出たかな?


すると、あれ?さっきの鑑定?が出たのと似た画面が現れます。


名前   :常山 順平つねやま じゅんぺい

性別   :男の子

種族   :人間(召喚者)

年齢   :24歳

レベル   :1

所属    :社会人二年生

所有スキル:鑑定Lv1   


と出ていますね。


いまいちよく分からないですね。


「自身のお名前等出てませんか?」


「ああ、出ていますね。」


「このカードがあれば、こうして自身の事を見る事ができます。色々表示を設定できるそうですので、後で色々お試しください。」



と言う事だそうです。


よく分からないけど、カードと言った?


「そのカードでお金の管理もできます。」


「便利ですねこれは。」


「あと、これを。」


何やらカバンを手渡されます。


「中に短剣と、替えの服がご用意してあります。カードで使えない場合もありますので、金貨を入れてございます。」


「あるね。あ、そうだ!才村さんが怪我しているんだ。治せないかな?」


「少々お待ち下さい。」


何故か勇者様御一行の方へ向かう女性。


暫くして、騒がしい御一行がやって来ました。

男子三名、女子三名?全員高校生っぽい。


「何だリーマン?怪我したって?」


「こっちの女性だよ。」


「治せよ。」


「えええ?使っちゃうの?」


「いい練習台じゃないか?」


「ま、いいけどね?」


何こいつら?明らかに年下だろうに、この態度はどういう事?


で、この女の子、何やらぶつぶつ言ってるようだけど。画面見ながら?で、才村さんの手首の腫れが、消えていきます。


「あ!痛みが消えました。」


「おお!治っちゃったよ!」


女子高生は喜んでいるようです。


「さあ、治したんだ、治療代を寄こせ!」



何言ってんだこいつ?バカ?


一寸雲行きが怪しくなってきたので、僕はこいつらの事を鑑定してみます。




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