第2話 説明は続く

何勝手な事言ってやがるんだ!


元の世界に返して!


まだ子供が小さいのよ!


各々主張しようとしてるけど、あの喋ってる人、やたら声が通るな。

なので、結局あの一方的に喋ってる人の声に負けています。


「勿論生活の保障と資金はご用意できますが、スキル及びギフトは人数が想定以上に多いので、一人おひとつにさせて頂きます。勿論、早い者勝ちですよ?」


この一言で、特に若い男性が騒ぎ始め、パニックになり始めます。


そんな中、勇者?に選ばれてる奴が個別に呼び出されて連れていかれ、どうやら男子学生のようですが、その友人?数人が付いて行ったようです。あれらが勇者御一行になるのかな?


そしてどんどんパニックが広がっていきます。

僕の知ってる女性が、僕に気が付いたようで、こちらに来ようとしてる?僕も接触しようとしたけれど、


ああ!何て事だ!リーマンに突き飛ばされ、彼女は倒れてしまいました。


僕は無我夢中で駆け寄ります。


「大丈夫ですか?」


「ええ。ええと確か、同じ会社の常山様ですね?」


「覚えていてくれたんですか?」


「ええ、あ、痛い。」


「何処か怪我?」


「手首が痛いです。」


僕は彼女の手首を見ますが、腫れています。


折れている?いや重度の捻挫?


僕は以前山登りで足をくじいた事があったけど、ソフトボール程に腫れ上がって、これは折れたなと思った事があります。折れてなかったけど。


多分そんな感じ。


「動かさないで。多分折れてはいないよ。酷い捻挫だけど。じっとしていれば、数日で治るから。僕も似たような経験あるからわかるんだ。」


「ああ、よかった。」


その間にも、召喚に巻き込まれた人々が我先にとスキルやギフト?を求め争奪戦が展開されていきます。


鍛冶スキル?ああ、武具を作るサポートが期待できますね。いいスキルですよ。


鑑定スキル?あれは駄目ですよ。知ってる物の名前ぐらいしかわかりませんからな・まあ外れスキルですよ。


生活スキル?ああ、暮らしていくのに便利ですよ?商売もできますからね。いいスキルですよ。


家事全般?女性なら誰でもできる程度の物ですよ。敢えて使う?モノ好きですよそんなの。


道具作成?ああ、これも物を作るサポートが期待できますよ?


もっと戦闘向けはないかって?申し訳ありません、勇者様とその御一行様に優先してお付けしましたので。


そんな感じでどんどんなくなっていくスキル、ギフト。


俺も行こうとしたが、彼女をかばっていたので、後ろから突き飛ばされるのに対処できずに今に至ります。


・・・・

・・・

・・




気が付けば、彼女に介抱されています。


そして、この場には僕と彼女、そして先ほどから喋ってる人しかいなかった。


「おやおや、呑気なものですねえ?もう外れスキルしか残っていませんよ?」


「何があるんですか?」


「家事全般と鑑定ですね。」


「ねえ、どうしようか?」


「ええと、どうしましょう?」


「まあ、私的には、そちらの女性が家事全般、男性が鑑定にした方がマシじゃないかとは思いますがね。」


まあそうなるかな。僕が家事全般?あまり有効利用できそうにないですし。


「じゃあ僕が鑑定にしておくよ。どちらもあの人から言わせれば、外れスキルらしいけれど。」

幸い彼女は利き手の方は無事だったので、一応、何かの拍子にはぐれるといけないので、手を握って行動をしています。


と言うか彼女が放してくれない。


当然ですね。その手は凄く汗ばんで、震えが伝わってくるのがわかります。


僕はしっかり握り、そのギフトとやらスキルかな?をもらい受けます。


「ここに手をかざせばいいのかな?」


何やら身体に入り込んでくる感覚。


そして彼女が代わりに手をかざしていきます。


僕は彼女を見ます。


すると、頭に何かイメージが。

そのうち何やら画面っぽいのが現れます。


名前  :才村 友郁さいむら ゆか

性別  :女の子

種族  :人間(召喚者)

年齢  :23歳

レベル :1

所属   :社会人一年生

所有スキル :家事全般 Lv1      


鑑定レベルが低いので、これ以上の表示は不可能


と表示が出てますね。


これが、鑑定?


「ええと、才村さんだっけ?大丈夫かな?」


「ええと、よく私の名前知ってましたね?」


しまった!でも待てよ?確か制服に名札付けてたよ?


「だって、ほら、制服に名札つけてるでしょ?」


「あ!そう言われるとそうでした。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る