12/20 好きなクリスマス音楽③
古いものだと15世紀頃のものから現代のものまで、好きなクリスマス音楽は数え切れないほどあります。一番好きなものは何かと聞かれると絞れなくて悩んでしまうくらいで、それだけ好きな音楽に溢れているからこそ一年の中でもクリスマスというのは特に好きなんだろうな、と思います。
15世紀から17世紀にかけてのスペインは優れた芸術家を数多く輩出した”黄金時代”でした。有名な画家のエル・グレコやベラスケスもこの時代の人です。音楽においても、宮廷に召し抱えられた音楽家によって土着の世俗歌曲集が編纂されたりと、豊かな芸術文化が花開きました。
当時のスペインは、イベリア半島をイスラム勢力から取り戻し、キリスト教国家へと統一したカトリック両王とその子孫の治世下。宮廷にはがっつりカトリックの教えが根付いています。そのためか世俗曲とは言えどもその歌詞には深い信仰心を垣間見ることができます。つまり宗教的な内容の歌がかなり多い。もちろんクリスマスの出来事を歌った歌も数多く残されています。
私が特に好きなのは『Dadme albricias hijos d’Eva』という歌。"贈り物をくださいな、イブの息子たち。何故? だって新しいアダムが誕生したのですもの。その人は新たな神の子"とイエスの誕生を喜ぶ歌詞は全てスペイン語なのですが、リズミカルで跳ねるような楽しげな旋律が馴染みやすく、覚えてしまうとついつい口ずさみたくなってしまいます。
ちなみにこれは16世紀に編纂された『ウプサラの歌曲集』という作品集の中の一つ。ウプサラとはスウェーデンの地名で、この作品集がどういう経緯を辿ってかウプサラ大学で保管されていたのを20世紀になってから発見されたのが命名の理由なのだとか。『ウプサラの歌曲集』の中には他にも面白い音楽が沢山残されていて、当時のスペイン音楽が大好きな私としてはまさに宝箱のような歌曲集です。
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