12/16 東方の三博士とは?

 馬小屋で産まれたばかりのイエスの元に馳せ参じた東方の三博士。クリスマスの物語には必ずと言っていいほど登場するこの東方の三博士について、今日は簡単にお話します。


 彼らは東方の三博士、もしくは東方の三賢者、東方の三賢人、マギという呼称でも知られています。では彼らは何をしていた人たちなのかと言いますと、星を読み解き世の情勢を知る占星術師だったとされています。


 東方の三博士たちはある日、不思議な星を見て西へと旅をし、エルサレムへと辿り着きました。そしてエルサレムのヘロデ王に謁見してこう言うのです。


「ユダヤの王としてお生まれになった方はどこにおられるのでしょう?」


 これを聞いたヘロデ王はたいそう驚き、そして不安に駆られました。自らの王位を脅かす可能性のある者が生まれたというのですから、このまま放っておくわけにはゆきません。学者や聖職者を集め、イエスがベツレヘムにて誕生したことを突き止めた王は、三博士たちに星の現れた時期や状況を詳しく聞き出し「その幼子について詳しく調べ、見つかれば報告しなさい。私も拝みに行こう」と申し出ました。

 しかし、その言葉の裏でヘロデ王は脅威となるであろうイエスを見つけ次第殺してしまおうと画策していたのです。

 そんなことは露とも知らない三博士たちは東へと動く星に導かれ、ついにイエスの元に辿り着きました。彼らは歓喜に打ち震えひれ伏して礼拝し、黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げ、そしてヘロデ王の元へ戻ろうと来た道を引き返し始めます。しかし、夢の中で「ヘロデ王の元へは戻ってはならない」と告げる声が。彼らはその言葉に従い、行きとは違う道を通って帰路に就いたのです。

 その後騙されたことを知ったヘロデ王は大激怒。どえらいことをやらかすのですがあまりにもアレなのでここでは割愛します。


 三博士と言われますが、実は聖書には明確な人数は記されていません。贈り物が三つであったことから、彼らは三人であったというのが定説になっています。彼ら三人は若者、壮年、老人であるとも伝えられ、名前は若者がメルキオールで贈り物は黄金、壮年がバルタザールで乳香、老人がカスパールで没薬というのがヨーロッパ圏では一般的です。

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