12/12 クリスマスと天使

 クリスマスといえば天使。ツリーのオーナメントを始め、クリスマスカードに絵本に歌にと様々な場面で登場しますよね。特に外国の古いポストカードに描かれた可愛らしい天使の姿には、ついつい癒されてしまいます。

 では何故クリスマスといえば天使なのかと言いますと、やはりこれも聖書が関係してきます。というよりクリスマスの大抵の事柄は聖書に関係します。だって本来はイエス・キリストの降誕祭なんだもの。


 マリアの受胎告知から東方の三博士の礼拝に至るまでの一連のクリスマス・ストーリーの中で、天使は主に二回登場します。

 一つ目は、先日も触れた大天使ガブリエルによるマリアへの受胎告知の場面(12/10 好きなクリスマス音楽②参照)。そしてもうひとつ目は、新約聖書ルカの書二章に記された、天使による羊飼いへのイエス誕生の知らせと神への賛美の場面です。

 マリアがイエスを産んだちょうどその夜、ベツレヘムで野宿をしながら羊の番をしていた羊飼いたちの前に天使が現れ、今晩救い主が生まれたこと、そして彼ら羊飼いたちはこの後飼い葉桶に寝かされた幼子を目にすることになるであろうことを告げました。すると天使の軍勢が現れ、「天のいと高き所には神の栄光を。地上には善意の人々に平和を」と神を賛美し始めたのです。この奇跡のような光景を目の当たりにした羊飼いたちは、「我々も行こうではないか」とこぞってイエスの元へと向かいます。

 天使の軍勢による讃美の言葉は聖書の中でも特に有名なフレーズのひとつ。『荒野の果てに』を始め、クリスマスキャロルの歌詞や宗教音楽にも多数引用されています。


 聖書では神と人間の仲介役を果たし、神の意志を人々に伝える役割を果たすことの多い天使。クリスマスツリーのてっぺんに星ではなく天使を飾る地域もあるくらい、クリスマスには欠かせない存在です。

 ちなみにこの天使という存在、実は階級があったり悪魔と紙一重であったりと、研究すれば研究するほど厨二心をくすぐる奥の深い存在でして。天使好きとしては語り出すと収拾がつかなくなりそうなのでこの辺で失礼します。

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