12/8 クリスマスは1月6日まで?

 日本では12月25日でクリスマスは終わり、翌日からはツリーの代わりに門松としめ縄が姿を表し、お節に年賀状にお年玉にとお正月の準備がそそくさと始まりますが、実は正式なクリスマスは1月6日まで続きます。


 1月6日はエピファニア(Epiphany)、または公現祭こうげんさいといいます。この日は幼子イエスの誕生を聞いた東方の三博士が祝いの品を手に馳せ参じたことを記念する日とされています。

 基本的に西方教会(ざっくり言うとカトリックとプロテスタントのこと)では、アドベントの始まりから1月6日の公現祭までをクリスマスとしますので、クリスマスツリーや飾りなどは25日を過ぎてからもこの日までは飾っておきます。


 日本でも年明けくらいからパン屋さんやお菓子屋さんで売り出されるフランスのお菓子、ガレット・デ・ロワ。このお菓子は本来エピファニアの日に食べられるお菓子なのです。

 丸型のガレット・デ・ロワの中には、どこかにフェーヴと呼ばれる小さな陶器の人形が埋め込まれています。エピファニアの日に家族友人揃ってガレット・デ・ロワを囲み、切り分けて配った時にこのフェーヴが入った一切れに当たった人は、王様もしくは女王様として一年間祝福されると言われています。

 ちなみにこのガレット・デ・ロワのロワとは”王”を意味する言葉。東方の三博士のことを差しているとされています。


 もうひとつエピファニアの行事として面白いのが、イタリア、フィレンツェのパレードです。毎年1月6日に開催されるこのパレードは、ルネサンス時代の王侯貴族の装束を纏った人々が東方の三博士を先頭にフィレンツェ市内を練り歩く、というもの。参加者の衣装はルネサンス時代に描かれた絵画を忠実に再現しているだけあって、実に華麗で煌びやかです。ルネサンス文化の花開いた古都フィレンツェらしい壮麗な行事ですね。

 ちなみに見てきたかのように堂々と書き連ねていますがこのパレード、私は写真でしか拝見したことがありません。行ってみたいなぁ。

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