12/6 メキシコのクリスマス音楽
中南米らしい陽気さとリズムのよさ、そしてヨーロッパの教会音楽の伝統を受け継いだ響きがなんとも南国らしい『夜は招いている』(Convidando está la noche)という歌。400年近くも昔、17世紀のメキシコで作曲されたクリスマスキャロルです。
お気に入りのひとつなのですが、日本ではマイナーなのかあまり演奏記録がないようで。メロディも親しみやすくて単純なので絶対クリスマスコンサートとかで受けそうだし、手拍子とか鈴とか打楽器をふんだんに使うととっても賑やかで盛り上がること間違いなしなので、もっと演奏すればいいのにと思っている大好きな歌です。もしかしたら私の知らないところで演奏されているかもしれないので、それならそれでぜひとも聴きに行きたいところです。
ちなみにこのクリスマスキャロルが作曲された16世紀~17世紀は、1492年のコロンブスによるアメリカ大陸到達を機に、スペイン人やポルトガル人がこぞって新大陸へ渡り、植民地として都市を築いてキリスト教の布教に努めた時代でした。
その過程では大きな声で言えない黒いヤバいこともたくさんしているのですがそれはひとまず置いておいて、ヨーロッパ人の入植と共にキリスト教芸術も中南米にもたらされ、現地の文化と融合して独自の発展を遂げたのです。
このクリスマスキャロルもそういった過程を経てメキシコ生まれの作曲家によって作曲されたもので、17世紀当時のヨーロッパの教会音楽の技法の中に土着の音楽の要素がふんだんに盛り込まれています。
ちなみに美術の分野においては、ペルーのクスコにエスクエラ・クスケーニャという美術学校が設立され、そこで学んだ画家たちによってクスコ派と呼ばれる一派が誕生しました。クスコ派絵画の特徴は原色中心の鮮やかな色使いと派手な衣装にあり、これがまた不思議な魅力に溢れているんですよね。個人的には中南米のルネサンス・バロック文化は非常に興味があります。
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