12/5  ロシアのサンタは孫娘と共に

 サンタクロースといえば赤い服に白い髭の恰幅のよいおじいさんというのが定番ですが、ロシアのサンタクロースは青い服。さらには可愛い孫娘ちゃんが一緒についてくるってご存知でしたか?


 ロシアではサンタクロースの代わりにジェド・マロース(Дед мороз)という人物が子供たちにプレゼントを配ります。名前の意味は"霜じじい"。元はロシアの神話と民間伝承に登場する寒波の精霊として恐れられた存在です。ジェドマロースの特徴は白い髭と青い服に長い杖。そして孫娘であるスネグーラチカ(Снегурочка)を伴っているということ。


 スネグーラチカもまた、本来は神話と民間伝承に語り継がれる人物です。名前の意味は”雪娘”。民間伝承ではその名の通り、雪から産まれた少女、もしくは雪のように冷たい心を持つ精霊として登場します。青い民族衣装や毛皮を纏い、美しいプラチナブロンドの髪を三つ編みにした超絶美少女です。

 いずれの伝承においても、スネグーラチカは最後は溶けて消えてしまうという悲しい結末を辿ることになりますので、その儚さが芸術家たちのインスピレーションを刺激するのか、オペラに絵画にと様々な芸術作品にも登場します。何てったって美少女ですからね。


 彼らがクリスマスにサンタの役割を果たすようになったのはそう昔のことではなく、20世紀初頭から。当時のロシア(ソ連)では宗教的な儀式が禁止されていたため、サンタクロースに代わる存在としてジェド・マロースにスポットが当てられたようです。


 ロシアの子供たちはクリスマスシーズンになるとジェド・マロースとスネグーラチカの訪れを心待ちにします。よい子には二人がプレゼントをたくさん持ってきてくれます。でも悪い子はジェド・マロースの魔法の杖で氷漬けにされてしまうそうですよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る