24日 【オールスターメドレー】Merry Christmas!!!!

「なっちゃん! クリスマスイブだよ! サンタさんへのお願い事決まった?」

「あたしんとこ、もうサンタさん来てくれないんだよね」

「あはは! わたしも!」

「願い事決める意味ないやんけ」

「でも楽しくない? もしかしたらほんとにいて、きてくれるかもしれないし。わたしは毎年お手紙書いてるよ」

「ほよみは可愛いな? じゃあ、あたしは五億円をお願いしとくか」

「わたしはフニョフニョモンチャ星の土地権利書をお願いしよ~!」

「何て?」


 一方その頃ダニエルはフニョフニョモンチャ星を自爆で破壊していた。宇宙を漂い続けるダニエルはもはや滅びをもたらす魔神であった。夢香と夢香の兄は、魔神となったダニエルを追い、機械化した体で立ち向かい続ける。ふたりの願いは、ただひとつ。兄妹で末永く仲良く暮らすため、楽園の地へ辿り着くことだ。

 一方その頃ダニエルは兄妹を


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 自爆で葬り去ろうとし


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 ていた。迫りくる脅威に


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 兄妹は思わず目を瞑る。そこへ現れたのは羅刹院




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 封魔であった。


「魔神め。遂に見つけたぞ。……揺愛との誓いを果たすため。此れより私は、羅刹と成りて、神を斬る……!」

「オーノー! ワタシ、宇宙ヲ旅シテ、イロイロナ天ソバヲ食ベタイダケナノニ!」

「せぇやぁあッ!! 秘奥義! 魔葬・卍斬剣ッッ!!」


 羅刹院封魔の全霊の一撃がダニエルの頸を狙う。負けじとダニエルも自爆しようと身構える。剣士の絶技と、魔神の理不尽が、今に激突しようとした。

 しかし。

 上空から襲い来る人影が、ぶつかり合わんとする封魔とダニエルに一撃を見舞い、ふたりを遥か遠くへ吹き飛ばす。

 その人影こそ。

 3年A組きってのフツメン、唇の下のほくろが目立つ、いつもメガネの気取った少年――――


_人人人人人人人人人人_

> 田村和夫、参戦! <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


「いやいやいやいや」


 僕は手を横に振った。


「ありえない。何で田村がアニメ版『暁ノ伝承龍』に参戦してるのさ」

「オファーがあったんだとよ。しかし、松屋のテレビでも映るなんてすげーなー」


 河原が隣でキムカル丼を食べながら感動している。僕たちは松屋で昼食をとっていた。牛めしを頼むと無料でついてくる味噌汁の油揚げを箸で弄ぶ。この揚げ、でかいな。でかいからリヴァイアサンと名付けよう。


「この調子で田村がいろんなアニメに登場したらウケるなー」

「ウケないウケない。考えてみなよ河原。ローリング☆ガールズに田村が出てきたらおまえどう思う?」

「絶対いやだな……」


 げんなりした顔をする河原。わかってもらえたようだ。ちなみに『ローリング☆ガールズ』というのは僕らが好きなアニメのタイトルだ。語ると長くなるからここではやめておこう。


『なに……! おまえは、鬼巌堂惨臥! 死んだはずでは!』

『羅刹院。貴様のことはいけ好かん。だが……我らの崇めた魔神とは、こうも理不尽なものだったのか。我らは間違っていた。手を貸すぞ、羅刹院封魔!』


「おー、共闘展開じゃん。熱いな。……ん?」

「あれ? なんかテレビ画面がおかしいね」

「壊れたのかな。……いや、これは……まさか! 電波ジャック!?」


 画面が砂嵐とともに切り替わり、魔王の顔が映し出された。


魔王「我は魔王だァァァァァアアア!!!!!!」

僕&河原「なんだとーーーーーーーー!?!?!?」

魔王「今から全人類を絶滅させるよん笑」

僕&河原「まじか笑」

魔王「くらえーーーーーー!!!!!!全部絶滅砲ーーーーーー!!!!!!!」


その時!

神の光とともに英雄が帰ってくる!!


魔王「なに~?絶滅しないだと!?」

エイジ「オレが、防いだ。」

魔王「英雄エイジだと!?!あのとき貴様もろとも全部を絶滅させ、完全に絶滅させたはずなのに!?!?」

女神「魔王よ・・・・これが人の絆の力なのです・・・・のです・・・のです・・・」

魔王「うるせ黙れ~~!!!!!!」


女神は絶滅した!


エイジ「あ、女神絶滅したんだ。」

魔王「うん。てか、人の絆の力で貴様は復活したの?」

エイジ「ああ。彼が、助けてくれたのさ。」


オレは仲間の方を振り返り、ニコリと笑う。

その仲間とは・・・・!!


「エイジの仲間、捻じ切り十郎太ってなァ、己れのことよ」


 ざんばら髪に、ぎょろりとした眼、晒すは隆々とした筋肉。背中に三尺を超える大太刀を背負い、武者は、ニヤリと不敵に笑った。

 ここは山妖道は亞鎚の山中。武者は謎の侍を追い続け、辿り着いたるはこの辺境である。朋友、鬼灯丸の仇を討たんがために、十郎太は何足もの草鞋を履き潰し、ここまで来ていた。


「た、助けていただいてありがとうござっゲホッゲホッ、オエッ」


 十郎太に礼を言うのは、全身びしょ濡れの格好をした女。湖で溺れているところを、たったいま、十郎太の剛腕に引っ張り上げられたところであった。


「礼にゃ及ばねえよ。ところでよ、あんた、泳げねえ癖に泉になんか入り込んで、一体全体何がしたかったんだ?」

「そういう職業でして……。キツいんで転職活動中です。あっ、そうだ仕事しなきゃ。ええと……こほん。あなたが落としたのは、この金の侍ですか? それとも銀の侍ですか?」

「何だァ? 己れァ、確かにあの侍野郎を斬って泉に落としてやったが。金ぴかでもねえし、銀ぴかでもなかったぜ」

「あなたは正直者ですね。金の侍と銀の侍と普通の侍、全員差し上げましょう」

「何ィッ!?」


 敵が増えただけであった。


「お、おい! ひとりでも倒すのに骨が折れたってぇのに、三人だとォ!? なんでこんなことになウゥゥゥーーーーーーーーーーーーカンカンカンカン!!!!!!! ウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカンカンカンカン!!!!!!!」


 あ、消防車の音入っちゃった。音声入力で小説書くのやめようかな。でももうちょっと続けるか。


「手を貸すよ、ジュウロウタ」「わたしもお手伝いしましょう。」


 三人の侍相手に苦戦する十郎太のもとへ、ふたりの男が現れた。

 バンダナを頭に巻いた海賊の男と、メルヘンな格好の木こりである。


「おめえたちは!」

「久しぶりだね。黑濃の港で会った時以来か」

「わたしはあなたとは初対面ですが、湖で金の斧と銀の斧を調達しにきました。」

「うわ! 木こりまた来たの!? 湖は無料で金銀財宝がもらえる場所じゃないんだけど!?」

「おい、話してねェで、助太刀に来たならさっさとしろ! ま、負ける!」


 慌てる十郎太に、海賊が言い放つ。


「いいだろう。僕はあの後、死水海域で嵐の女神を倒し、使い魔にした。さあ、嵐の女神! 侍を葬れ!」

「人間如きが命令しないでください……! 必殺……! メイルシュトローム……!」


 山の中に嵐が発生した。木々を薙ぎ倒し、嵐は全てを呑み込んでいく。

 それは世界を丸ごと覆い尽くす大嵐。

 未曾有の大災害に巻き込まれたのは、啜王国も同じであった。


「ロ王! ヌ、ここに馳せ参じましてございます!」

「ヌもここに!」

「ヌ、参上!」

「そして私もヌです! ロ王! ご命令いただければ、我々はただちに嵐を退けましょう」

「うむ。啜は、ロとヌとヌとヌとヌが支え合ってできている王国じゃ。頼むぞ、ヌ!」

「え、どのヌですか?」

「全員じゃ」

「「「「ははっ!」」」」


 ヌたちは今立ち上がる。ロを支え抜くため……。

 こっから先の展開考えてないんだよなあ。

 とりあえず一旦書くのやめて、アイデア思いついたら書こう。

 とりあえず、音声入力、終了っと。




     ◇◇◇




「という、おはなしなのでした」

「変な物語だったなあ……。ダニエルとか魔王とか田村とか、天使ちゃんが考えたの?」

「わかんない。かみさまのこえが、いってたこと、そのまんま」

「天啓かあ。さっき何か受信してたもんね」

「もしかすると、どこかのせかいで、ほんとーに、おきたことかも」

「それはどうだろ……でもそうだったら、面白いね」

「……ふあ。ねむくなった」

「もう寝る?」

「ねう」

「そっか。おやすみ」

「ぐー」

「寝つきが早い……」




 子供部屋の、本来は葉太郎くんのものだったベッドで眠る天使ちゃん。床に敷いた布団の上で、葉太郎くんも、うとうととします。今日は一年に一度のクリスマスイブ。小学五年生の葉太郎くんは、なんとなくサンタさんの正体には気づいていましたが、それでも、翌朝を楽しみにしながら眠りに落ちました。

 深夜になり。

 暗い部屋の中。

 枕元にそっと、プレゼント箱が置かれます。




  葉太郎くんの部屋から、サンタクロースは去っていきます。

  赤い服に、もじゃもじゃの白ひげ、白い袋には目いっぱいのプレゼント。

  フィンランドからやってきた彼は、お茶目に笑って呟きます。


  ――――Merry Christmas!


  空飛ぶソリをトナカイに牽かせ、サンタクロースは夜空を翔けてゆくのでした。

  やがて、幸せな朝がきます。

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