第6話
次の日魔晶石見たさにわたしは昼食後にこっそりと誰もいない、調理場に潜入をした。
前世の記憶ではコンロの摘みを回せば『簡単に火が出る』それを想像していた。
調理場を探すとそれに似たものを見つけた。
「これを回せばいいのかな?」
なにも躊躇することなく、わたしは摘みをカチャッと捻った。
コンロの上に真っ赤な魔方陣が『ブワァーン』と音を出して浮かび上がり。
わたしの身長の倍もある炎が目の前で燃えあがった。
「ひいっ!」
わたしは炎を止めようと摘みを幾ら回しても勢いは収まらず、炎はわたしに襲いかかろうとした。
「「きゃぁーーーっ!」」
「お嬢様!」
コーダは庭で休憩をしていのかわたしの悲鳴を聞き、すぐに調理場に飛び込みわたしの手を引くと背に庇った。
「…くっ」
小さく声をあげたコーダは素早くコンロの炎を消し止めて、自分ではなくわたしを心配をした。
「ミニーノお嬢様、大丈夫ですか?」
わたしは震えながら頷く。
「良かったー」
「コッ……コーダは? …コーダは大丈夫なの? 怪我はしていないの?」
「俺は大丈夫ですよ。お嬢様」
震えるわたしに笑顔を向けたのはコーダの嘘だった。
火が消えてわたしの頬には小さな火傷だったけど。
大丈夫だと言っていたコーダは服が破け、背中に大きな火傷の傷ができていた。
火傷の傷に眉をひそめて苦しむ青白い顔のコーダ…。
「「いゃぁぁーーっ! 誰がきて! コーダ死なないで!!」」
わたしの叫び声でバタバタと調理場にくる足音が聞こえた。
「ミニーノどうしたのです、何があったのですか?」
「ミニーノお嬢様!」
「お嬢様!」
お母様とレーラさん他のメイドさんが集まって来た。
わたしとコーダが怪我をしたとわかるとすぐに、お医者様を呼んでくれた。
お医者様を応接間に案内して、そこでわたしとコーダは診察をしてもらった。
「ミニーノお嬢様は頬に軽い火傷ですね。こちらも大丈夫です…お二人ともこの火傷に効く塗り薬を塗れば、直に綺麗に治りますよ」
「本当ですか、ありがとうございます」
わたしとコーダに塗り薬を出してお医者様は帰って行くと、キッと怖い顔でわたしを見たお母様。
「ミニーノ、あなたって子は危ないことばかりするのですか!」
わたしを怒るお母様の声が最後にいくほど震えていた。
「ごめんなさい、お母様」
「いいえ、見ていなかった私のせいです。すみません奥様。すみません…どんな処罰でも受けます」
コーダは深く頭を下げた。
処罰だなんて、わたしのせいなのに。
「そうですか…」
「いや、違うのお母様! 聞いてコーダのせいじゃ無いの私が悪いの…全部私のせいなの…うっ…うっ…ごめんなさい。コーダごめんなさい…私が悪いの」
謝り泣きながらお母様スカートに引っ付いた。
お母様は私の頭を優しく撫でてくれた。
「そうですね。勝手に調理場に入ったミニーノ、あなたが悪いのです。コーダにまで怪我をさせてしまうなんて…しっかりと反省をしなさい」
「ふぁい…お母様…コーダごめんなさい。サラさん、スタさん、怪我をさせてごめんなさい」
スタさんとサラさんに頭を下げた。
「大丈夫です、お嬢様」
「いいんですよ、お嬢様」
スタさんとサラさんは言ってくれ、私の頬に薬を塗ってくれた。
その前では薬を塗るために服を脱いだ。
コーダの背中には30センチぐらいの大きな火傷の傷が出来ていた。
「コーダ、痛い? ごめんね、ごめんなさい」
「大丈夫ですよ、ミニーノお嬢様」
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