第2話 月街の人

 そういや、11月の終わりか、12月かな?すごい大きな月が出てたよね?


 あれね、11月30日の満月よ。フロストムーン、ビーバームーン。霜月や雪待ちの月とも言うわね。


 へー。あんた詳しいんだね


 さっき調べた。あれだけ大きいと月街がきたわね。


 月街ってなに?花街の親戚?え、かぐや姫?


 月街わね、月が大きく輝くと姿を現すとされる伝説の街よ。月の光をたっぷり浴びると門が開くって。


 伝説かよ。


 かぐや姫もそうじゃない。あながちほんとなんじゃないかって話題になってるのよ。月街の伝説は二つあって、竜宮城みたいに知らない場所に連れていかれる神隠し。おじいちゃんにはならないけどね。あとは月街から人が来る。


 それほんとなの?


 実は私、月街から来たの。


 し、信じないからね?


 信じなくてもいいよ、初めて言ったし。


 え、ええ?じゃ月街ってどんなところなの?


 月の人が歌ったり踊ったりしてて、かぐや姫もいるよ。こっちみたいに働いたりしなくていいし、とっても楽なのよ。


 か、かぐや姫いるんじゃん。なんでこっちにきたの?


 それは、かぐや様がやっぱりどこか変でね。その前にもふらっといなくなったりする子がいて、上の人たちが原因を調べたのよ。ここにこの星に近づく日があってその時はこちらの街がうっすら見えちゃう、そういうときは月にも人がやってきている。


 かぐや様って!言ってる!月にいった人は!?


 別にふらふらさ迷ったり、月の人と歌ったり。あ、歌う?


 歌わねえよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る