第六部:天空の城で竜を殺す

149話:一本首のゲマトリア(前)


 ――それは、遠い遠い昔の話

 「ボク」がまだちょっと小さくて、そんなに強くなかった頃。

 少なくとも千年以上は前のはず。

 詳しい年数は覚えてないです。

 だって古竜の寿命は永遠と同じ!

 死なない老いないだから時間なんて関係ない!

 その時のボクは二百歳か、三百歳は数えてなかったはず。

 いえスイマセン、二百も若干サバ読んでます。

 上にか下にかはご想像にお任せ!

 いやまぁそんな事はどーだって良いんです。

 それより大事な昔の話。

 ボクがまだまだ小さくて、首も一本しかなかった頃。

 

『ガアアアァアアアァ――――っ!!』

 

 恐ろしい咆哮が大地を揺らす。

 深い森の木々を薙ぎ倒し、黒く大きな影が走る。

 その姿は夜を狼の形に押し込めたかのよう。

 影の獣を無数に従えながら、巨大な狼は狂ったように吼え猛る。

 それは古竜で《古き王》ではないけれど。

 永遠に等しい不滅の魂と、強大無比な魔力を誇る頂点捕食者。

 まぁボクと比べたら全然大した事ないですけどね!

 ……いえ、実際はその頃のボクよりソイツの方が強かったかも。

 暴れ回るソイツが何て名前かも知らない。

 知らないけれど、その時のボクは森の影で小さくなっていた。

 恐ろしい。あの黒い狼に似た竜が。

 ボクより強いソイツに見つかれば容易く引き裂かれてしまう!

 古竜は不死、古竜は不滅。

 死ねないし、そう簡単には滅びない。

 あのイカれた獣に捕まったら、一体どんな目に遭わされるのか。

 恐ろしい、恐ろしい、恐ろしい……!

 似た事は何度かあった。

 他の狂った古竜に襲われて、鱗や肉を何度も剥がされた。

 逃げ延びる事が出来たのは単純に運が良かったから。

 どうしてそんな事になったのか、その時のボクには何も分からなかった。

 分からないまま逃げ込んだ森でボクは息を潜める。

 大丈夫、大丈夫だ。

 このままやり過ごせば――。

 

『ガァッ!? オォオォオガアァアッ!!』

 

 突然、黒い狼の雄叫びに変化が生じた。

 驚きと戸惑い。

 何よりも苦痛を訴えるような声。

 一体何が起こったのか――ボクは恐る恐る顔を覗かせる。

 そしてボクは信じ難い光景を目にする。

 古竜である黒い狼の前に、一人の男が立っていた。

 纏った赤い装束の上からでも分かる筋骨逞しい偉丈夫。

 人間である以上、どれだけ大柄でも竜とは比べるべくもない。

 けれど、一目見た時の印象はまるで逆。

 ボクの眼には男の姿が竜よりも遥かに大きく見えたのだ。

 それが錯覚でないと示すように、男は黒い狼と真正面から対峙している。

 もっと言えば、抑え付けている。

 黒い狼が振り下ろした爪、それを片手で受け止めて。

 鋼よりも硬いはずの鱗に指を喰い込ませ、ガッチリと掴んでいる。

 ――あり得ない、ボクは夢でも見ているのか?

 人間が、定命に過ぎないはずの人間が。

 生身で恐るべき古竜を真っ向から上回っている。

 信じ難い光景だ。

 

『ギャアアァア!!?』

「無駄だ、竜よ」

 

 藻掻き暴れる古竜に対し、男は低い声で呟く。

 それから無造作に黒狼の巨体を持ち上げて、思い切り地面に叩き付けた。

 一度ではなく何度も。

 森の木々を伐採するかのように、何度も何度も振り回す。

 

『ギッ、ギアアァアッ!!』

「存外しぶといな」

 

 そう言いながら、男はひと際強い力で黒狼を大地にぶつける。

 痛めつけられて半ば砕けた身体でも、古竜は決して死ぬ事はない。

 死なず、尚も暴れようと咆哮する。

 その抵抗に、男が行った事は極めて単純シンプルだった。

 

 「ふんっ!」

 

 

 どれだけ竜が不死不滅でも、器である肉体を壊す事は出来る。

 男は拳を固め、それを黒狼の胴体に打ち込む。

 たったそれだけの事で、竜の身体は大きく拉げた。

 

『ギァ……ッ!?』

 

 断末魔すらロクに上げる事も出来ず。

 その男が黒い狼を仕留める為に起こったのは、拳を二度叩き込む事。

 たったそれだけで、古竜の巨体は行動不能な状態まで砕かれた。

 ……肉体を破壊する事は出来ると言っても、それも決して容易い事じゃない。

 竜の血肉は他の生物より遥かに頑強で、纏う鱗は更に硬い。

 だというのに、男は素手でそれを破壊してしまった。

 一体どれほどの力があればそんな真似ができるのだろう。

 

「……ふむ。これだけ砕かれても、完全に死んだワケではないか。

 流石の生命力だな」

 

 最早微かに震える事しか出来ない黒狼。

 男はその残骸を踏み締めて見下ろす。

 と、奇跡的にも薙ぎ払われずに残った茂みがガサリと揺れた。

 其処から顔を出したのは、白金の甲冑を帯びた騎士。

 艶やかな金髪を風に揺らす小柄な少女。

 その美しいかんばせにはうっすらと汗が滲んでいた。

 

「すみません、少し梃子摺ってしまって」

「いや、問題ない。そちらこそ大丈夫か?」

「ええ、残敵の処理も彼が直ぐに……」

『――既に終わらせてある』

 

 ぬるりと、少女の影から這い出てくるように。

 次に現れたのは漆黒の甲冑。

 その出で立ちは少女のような「騎士」とは程遠い。

 黒い鎧と外套で全身を隙間なく覆った姿は不吉な「死」の気配を纏っている。

 さながら死神じみた姿は見ているだけで怖気を誘う。

 身長も少女よりかなり高く、竜を撲殺した男とそう大差は無い。

 死神は腰に下げた剣の柄を指でなぞり、地に伏した古竜の残骸に視線を向ける。

 

『此方も片付いていたか。出遅れたな』

「王とは呼べぬ程度の竜だった。私一人でも問題はない」

『油断と慢心は怪我の元だ』

「無論、分かっているとも。忠告には感謝しよう」

『……それと、森を荒らし過ぎだ。

 竜を相手に加減出来ぬのは分かるが、少しは気を使って貰いたいものだ』

「まぁまぁ、その辺で」

 

 どうやら男の暴れっぷりに死神はご機嫌斜めだったようだ。

 少女は苦笑いを浮かべながら二人の間に立つ。

 男も悪気はなかったようで、困った様子で頭を掻く。

 

「いや、すまない。これでも加減はしたつもりだったんだが」

『……竜すら超える天賦の膂力か。

 相変わらず、人である事が信じ難い男よな』

「私は人間だとも。人間であっても竜には負けぬ。

 ただそれを示しているだけだ。

 ……とはいえ、竜を砕く事は出来ても殺す事は私にも不可能だが」

 

 やや苦い声で言いながら、男は黒狼を見る。

 明らかに生存が不可能なレベルで肉体が壊されても、古竜ゆえに死ぬ事はない。

 普通ならば肉体を放棄して魂だけの状態になって然るべきだ。

 けれど理性を失っている為か、黒狼は死体のまま無様に藻掻いていた。

 

「《封印剣》は?」

「私達が先んじてしまいましたからね。

 後続が用意しているはずなので、到着し次第そちらに任せましょう」

「そうか。ならば暫し此処で見張りだな。目を離した内に逃げ出されても困る」

『――それと』

 

 死神の声が、今までとは異なる響きを帯びる。

 ボクはそれが何か直ぐに理解した。

 「敵意」だ。

 これまでは親しい間柄の仲間に向けていたもので。

 今の言葉は、何処かに潜んでいる「敵」に対して刃を突き付けるものだ。

 その「敵」が誰かは、それこそ考えるまでも無い。

 

『其処に潜んでいるもの。

 何者かは知らぬが、大人しく出てくるが良い』

 

 有無を言わさぬ圧力に、ボクは声もなく震え上がった。

 分かる、分かってしまった。

 この死神は竜を砕いた男の仲間で、恐らくそれに近しい実力を持っている。

 コイツも王の冠を持たない古竜ぐらい、容易く破壊出来るのだ。

 あの無害そうに見える少女騎士も同様。

 ……いや、もしかしたら、この中では彼女が一番――。

 

『警告は一度までだ』

「ヒッ……!?」

 

 声に含まれた殺気が強まる。

 ダメだ、完全に居場所はバレてる……!

 息を潜めて誤魔化しても意味がない。

 一瞬の内に山のような葛藤が頭の中で荒れ狂う。

 何をどう考えても結論は一つ。

 そう、観念するしかない。

 

「……こ、降参! 降参しますから!

 ボクは敵じゃないんで勘弁して下さい……!」

 

 万に一つの奇跡が起こったとしても、勝ち目は無いし逃げられない。

 それならばと開き直って、ボクは無様な命乞いを口にした。

 のろのろと木の陰から顔を出す小柄な古竜ドラゴン、それがボクだった。

 人間は確か、助けを求める時はこうしたはず!

 うろ覚えの見様見真似で、ボクは二枚の翼を高く掲げてみせた。

 そんなボクを見て、恐ろしい人間達は酷く驚いた様子だ。

 少女騎士は目を瞬き、鋼のような男は首を捻る。

 唯一、真っ黒い死神の反応だけは良く分からなかった。

 兜のせいで表情もロクに見えやしないんだ。

 まぁその時のボクにそんな事を気にする余裕なんて欠片もありませんけど。

 いつ何時、腰に下げた剣がボクを八つ裂きにするのか。

 不死身の古竜なのに生きた心地がまるでしない。

 一秒後には五体をバラバラにされる錯覚に苛まれる。

 そんなビビり散らすボクを余所に、やべー連中は言葉を交わす。

 

「竜……ですよね?

 随分と若い――というか、幼く見えますけど」

「見たところ幼竜のようだが、これだけ言葉を解するとなると成竜なのか?」

『――否、紛れもなく古竜なり』

 

 重々しい死神の言葉に、少女騎士と鋼の男は再び驚いた顔をする。

 

「古竜? 本当に? 五百年も生きているようにはとても見えませんが」

『生きた歳月はあくまで目安よ。

 どれだけ長く生きても古竜に昇格できぬ竜も珍しくはない』

「それでもこの竜は、恐らく二百も生きてはいないぞ」

『才があったという事だ。冠を戴くだけの天稟が』

 

 仲間達に応じながら、黒い死神はボクを見た。

 相手の心とか、本質とか。

 そういうものを奥の奥まで抉り取るような眼差し。

 ボクは身を固くするしかなかった。

 相手は人間――人間?――のはずなのに。

 これまで見たどんな竜に睨まれるよりも、遥かに恐ろしい……!

 

『……二百を数えるかどうかの歳に、その才覚。

 か』

「っ……」

 

 死神が口にした名前に、ボクは身震いした。

 今はもういない偉大な母。

 《古き王》の一柱である竜王バビロン。

 ……もしコイツらが、近頃多くの竜を仕留めているという《竜狩り》だとしたら。

 単なる雑魚なら気紛れに見逃してくれるかもしれない。

 けれどもし、その雑魚がバビロンの直系だとしたら……。

 

「――待ってください、《森の王》よ」

 

 今まさに、ボクの一つしかない首が断たれる直前。

 それを妨げたのは少女騎士だった。

 彼女は死神――いや、《森の王》の腕をそっと抑えている。

 腰に下げた長剣、その柄に指を掛けた方の腕を。

 ボクは正面から見ていたはずなのに、どちらの動きもまるで気付かなかった。

 

『何ゆえ止める?』

「無力な幼子を斬るのは、貴方の流儀ではないでしょう」

『然り。だがコレはバビロンの遺児。

 古の王でも更に別格、《五大》と称された母の血を濃く受け継いでいる。

 もう二百年――いや、百も数えれば確実に“王”を名乗るに至るぞ』

「仮にそうだとしても、人を害する竜になるとは限らない。

 現にこの子は、血に狂う事無く己を保っています」

 

 仲間を諫めながら、少女もまたボクの方を見る。

 美しく澄んだ、青い湖にも似た瞳。

 優しさと強さに満ちたその眼差しに、ボクは亡きバビロンを想った。

 似てる部分なんて殆ど無いはずなのに。

 

「……偉大なる《森の王》、史を紐解いても並ぶ者なき大剣士よ。

 私からも頼む。狂って暴れる竜ならば鋼で打ち倒す他ないだろう。

 しかしこの竜はどうやら数少ない例外であるらしい。

 これは誰にとっても貴重な機会のはずだ」

『む……』

 

 もう一人の男も少女の言葉を援護する。

 ボクはただ震えて沙汰を待つのしかない。

 この三人の誰かでも「その気」になれば、その時点で粉々にされてしまう。

 竜としては年相応に小柄とはいえ、人間よりかはずっと大きな身体。

 それをボクは可能な限り小さく折り畳む。

 無抵抗で人畜無害な事を全身でアピールする為に。

 いや――それならば、もっと良い方法がある!

 

『……待て。貴様、何をしている?』

 

 《森の王》がボクに向けて誰何の言葉を発する。

 ボクは翼を高く掲げたまま、初めての「変化」を行った。

 竜の姿から、人の姿へ。

 自分の魂に合う形に。

 造形は少しだけ騎士の少女を参考にした。

 なので自然と、ボクの身体は年若い娘のモノになった。

 初めて人間の形になったのでちょっと足元がおぼつかない。

 ボクはその場に座り込むと、改めて両手を頭上に掲げた。

 

「み、見ての通りです。

 ボクは竜の力で、貴方達を襲ったりしません。

 悪い事だってしませんし、皆さんの言う事もちゃんと聞きます。

 だから、だから、どうか……!」

『…………』

 

 恥も外聞も放り捨てた全身全霊の命乞い。

 これが通じなければ諦めるしかないけど、《森の王》は何も応えない。

 他の二人も沈黙したまま見守るばかり。

 ボクは必死に頭を下げて地面に這いつくばる。

 それ以外に出来る事が思いつかなかった。

 どれほどそうしていたか。

 程なく、頭上から大きく息を吐き出す音がした。

 

『……忠告はしたぞ』

「感謝します、友よ」

『お前が拾うと決めた命だ』

「当然、責任は果たします」

『ならば良い。好きにせよ』

 

 少女騎士と《森の王》。

 二人の間で短い言葉のやり取りが行われる。

 それからゆっくりと、身体に刺さる刃にも似た殺気が解けた。

 助かった――その安堵で思わず震えそうになってしまう。

 そんなボクに、少女騎士は小さな手を差し伸べた。

 何の躊躇も無く、人の足がまだ上手く使えないボクを支える為に。

 ……もし、この世に愛と呼ぶべきモノがあるとすれば。

 それはきっとこの少女の事だ。

 なんて血迷った妄言が自然と湧いてしまう。

 それぐらい、ただ一人で「竜」として生きたボクにとって。

 その少女の在り方は新鮮で鮮烈なものだった。

 

「大丈夫ですか?」

「あ、えっ、ぅぅ」

「落ち着いて、先ずは深呼吸を。あぁ、人の身体は慣れてませんよね。

 焦る必要はないですから、少しずつ確かめながらやりましょう」

 

 言われた通りにボクは行った。

 人間の身体という奴がなかなか不便である事をこの時初めて知った。

 とりあえず落ち着くと、ボクは改めて少女の手を取る。

 小さく、けれど温かい手だった。

 

「……どう、して?」

「どうして自分を助けたのか、ですか?」

 

 確認の言葉に、ボクは恐る恐る頷いた。

 黒狼を叩き殺した鋼の男に、あのおっかない《森の王》。

 そしてこの少女は間違いなく《竜狩り》だ。

 竜の暴虐に蹂躙されるばかりの人間達。

 その中から立ち上がったという、その名の通り「竜を狩る者達」。

 古竜同士の争いが激化したのに合わせて動き出したと噂に聞いてはいた。

 けれど正直、此処まで強いなんて思わなかった!

 そしてそんな《竜狩り》が、何故ドラゴンであるボクを助けるのか。

 命乞いした身だけれど、道理が分からず首を傾げるしかない。

 そんなボクに少女は柔らかく微笑んだ。

 微笑みながら、実に力強く。

 

「大した理由があるワケじゃありませんよ」

 

 本当に力強く断言してきた。

 答えになってない答えに困惑してしまう。

 

「オイ、逆に混乱してしまっているぞ」

「いや、これは失礼。

 要するに、私の中の『貴女を助けた理由』は先ほど彼に語った程度って事です」

 

 鋼の男に突っ込まれて、少女はこほんと咳払いをする。

 それから改めて、ボクを助けた「理由」を語った。

 ――幼子を斬るのは、貴方の流儀ではない。

 後はボクを「人に害なす竜になるとは限らない」と。

 確かそんな事を《森の王》に言っていたはず。

 ボク自身も、その言葉に便乗するように命乞いをしたけど……。

 

「……本当に、それだけ?」

「ええ、それだけです。おかしいですか?」

 

 おかしいと言えば、おかしい。

 人間は利害と感情で動く生き物のはず。

 利害で言うならボクを生かして得などないし、感情ならば猶更だ。

 今の時代、竜に恨みを持たぬ者などいない。

 むしろ《竜狩り》なんて輩はその最先鋒でおかしくないはずだ。

 けれど少女はボクを助ける事を承知した。

 何故と、そう考えるボクに彼女は優しく笑った。

 

「勿論、それは貴女が貴女の誓いを守る事が大前提ですが。

 貴女がそれを破るならば、貴女を救った者として私が責任を取らねばなりません」

「せ、責任って」

「私の手で、貴女を斬ります。

 そうならないのが一番ですし、貴女にとっても同じだと信じています」

 

 微笑みながら言う彼女の言葉は、強く厳しく――けれど、優しい。

 それを聞いた瞬間に、ボクはストンと腑に落ちた。

 ――そうだ、彼女は強いんだ。

 強いからボクより遥かに高い場所に立っている。

 だから道理に合わない事も、不条理な事も気軽に決められる。

 強いから余裕があり、強いから高い位置から見下ろせる。

 母なるバビロンも強くて優しいひとだった。

 強ければ誰かに優しくする事も、逆に脅かされる事もないんだ!

 そう理解した瞬間から、目の前の少女はボクにとっての太陽になった。

 誰よりも眩く、誰よりも高く。

 そんな彼女のように、ボクもいつかは――。

 

「ところで、貴女の名前は――っと、失礼しました。

 名を尋ねるのなら先ずは自ら明かさねば」

「別にそんなの気にしませんよボク」

「いえいえ、誰であれ礼儀は大事です」

 

 そういうものらしい。

 強い彼女でもそういう事は気にするようだ。

 それはそれで興味深いと考えていると、憧れの人はボクにまた手を差し出して。

 

「改めてご挨拶致します、偉大なるバビロンの仔よ。

 私の名は――――」

 

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