14日 アダンはレベル100になった 『ダンジョンマスターは〜』

「アダンさっんっ、レベ、ひゃく、おめでとっござっ」

 エメが盛大に泣いている。アダンはダンジョン探索の疲れをがっくりと感じて、溜息をついた。

「なんであんたが泣いてんだよ」

「だってアダンさん、テオドールより、かっこい」

 心底うんざりした顔でアダンがぼやく。

テオドールおとぎばなし基準やめてくれよ」


(139文字・ルビ除く)


□■□■□■□


『ダンジョンマスターはおとぎばなしを夢みてる』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898472387


このワンシーンは、前に思い付いて、でもあまりに断片すぎてそのままになっていたものです。


アダンはわりかし自分の感情に自覚的ですが、いろいろあって、他人を信頼したり大事にしたり幸せな気持ちになったりするのが下手くそなのでうまく動けていません。

エメは、アダンのことは好きですし、いろいろあって秘密も共有しているので信頼もしてますし、冒険者として強く憧れてもいますが、それが恋愛感情かどうかはわかりません。そもそも、田舎で「大人になったら親に言われて結婚するもの」という価値観で育ったので、自由恋愛というものが、いまだにピンとこない。


いろいろあって一緒に暮らしているので、周りからすると「それで恋人的な関係じゃないの嘘でしょ」という状態です。

レベル100をきっかけに、アダンは何か考えていたのかもしれないですが、多分うまくいってないですね。

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