第2話

「貴様と話していると調子がくるうな。 続けるとしよう。このように術を使える。 人によって個人差があるものだ。 小さな火をつかえたりする。 全く、使えないやつもいる。 無属性と呼ばれる。 安心しろ。 後々に使えるやつもいれば、死ぬまで使えないやつがいるんだ。」

 話が長いな。 聞かないとだめかな。 今まで無属性だったしな。 

 使い方すらしないだけどな。

 聞くしかないのか。 黙って聞こう。

「自分は雷を主に扱う。 火と水を少し扱える。 能力は人によって個人差があるのは話したな。 低い能力のやつが使うとどうか見せよ。」

 ハロルドはしゃがむ。 川に手を置く。

 近くの木に、右手の人差し指を向ける。

 水が発射される。 一直線に向かう。

 1、2cmくらいの穴があく。

「少し鍛えたんだかな。 威力が弱いな。 次は火だ。」

 ハロルドは咳払いする。 恥ずかしいようだ。

 ジョンは普段もこれくらいなんだろうと感じた。

 ハロルドは両手をあわす。

 右腕に火をまとう。 肘までぐるぐると生き物のように回っている。

 木に近寄る。 拳をふるう。

 隣の木より大きな穴があく。

 火は残ったままだ。

 焼けた臭いがする。

「すごい…」 今度は心のこもった言葉だ。

「やっと興味を持ってくれたようだな。 適性を分かるには雷属性なら雷に打ったれてみるとかな。 それでは信じてしまうからな。 確かめる方法はある。 ここは最適な場所だからな。」

 ハロルドは川に手を置くように言う。

 ジョンは川に手をおく。

「水を押すか吸い上げるイメージだ。」

 ジョンは水を吸い上げるイメージをした。

 水面は波紋が広がる。

 水が少し吸い付く。

「適正ありだ。 弱いな… 次は雷だ。 体のどこでもいい。 電気を走らせるようなイメージ。」

 ジョンはさっき見た手に稲妻を走らせたようなイメージを頭にえがく。

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