第一回ドタバタコメディ杯
101号室 鮭さん
笑いのヒトキワ荘第一回住人募集中・ドタバタコメディ杯 全42作品(多分)。
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354055088183278
皆様、熾烈な笑いの戦いをありがとうございました。管理人は感無量です。
今大会、一際輝いてた作品はこちらと判断しました。
海だったのか/鮭さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354055087096098
【ヒトキワ荘・作品分類】
ナンセンス小説 (児童文学風)
【作品概要】
学校のとある教室。主人公のたかしに、先生は将来の夢を持つことの大切さを説くのだった。そのときは教室がこんなことになるなんて、誰も予想だにしていなかったのだ……。
管理人からのお便り
この作品は正直、読んだ瞬間に「ああ、これがグランプリだな」(グランプリというものが存在するならば、ということですが)と思ったほど、突き抜けたパワー、完成された笑いが漲っていました。そしてそれはほかの作品が追加されても私の中で変わることがありませんでした。
良かった点
地の文のですます調がいいですね。これで私の頭に「児童文学スイッチ」が入りました。まるでナンセンスの神様と言われた長新太さんの作品を読んでいるかのような錯覚に陥り、淡々と丁寧に語られるトンデモナイ世界、というギャップで女子をイチコロにするという手腕の見事さも息をのむほどでした(作為じゃないにしても)。作品を「かわいい」と思ってもらえることは非常に大事です。
擬音とナンセンス、これが鮭さん作品の重要な構成部員となっていますね。ナンセンスじゃなくて「シュール作品」じゃないのか? とおっしゃる方もおられると思います。私も鮭さんの他作品を読んだときはシュールやなぁと思ったこともありましたが、ナンセンスとシュールはどう違うのか──違いがあるでしょうが、ここで考察するのはやめておいて、私はナンセンスだと思うのでそう書いておきます。とにかく、いくら武器を持っていてもバランスが非常に難しいことで、ピッチャーの「決め球」みたく「全部それ」では意味がないんですよね。その辺の匙加減がとてもうまい方、と思いました。擬音だらけのフェスティバルになっていたら、みんな途中で読むのを脱落していくでしょう。
またオチですが、トンデモナイようでちゃんとしている物語。ダジャレを言うにしても海の生き物で筋を通した(?)先生。「海だったのか!!」この一言でサッと回収される気持ちよさがありました。鮭さんの他作品、ショートショートというやつもほとんどがそうで、最後までドカドカ行くのかと思わせておいて突然現れる「世界平和」やらの真顔の回収業者がまるで「殺し屋か?」と思わせるほど手際がいい。つまり、さんざん破壊した論理性を「あ、もう遊びの時間は終わりましたね」と、ささっと片づけていく。そのときにはロボットの手やら足やらがバラバラになっちゃってるので、結局首の上に足が生えてるみたいなすごい格好になってるんだけれども、「これが私の芸術です」と言い切ってしまう世界を創りあげてしまっているんですね。おそらく作者様は相当頭の良い人なんでしょう。それか無自覚の天才か。ほんとに見事ですし、何回でも読めてしまうおもしろさ。この「海だったのか」も5、6回は読みました。これからも再度読むんじゃないかなと思います。
鮭さんへ
管理人がつけたあだ名 「擬音とナンセンスのスーパーボーイ」
私はファンアートは描けないので、勝手にあだ名をつけました。住人さんですからあだ名がついてしまいます。101号室はあなたのものです。次の企画が終わるまで、ヒトキワ荘の部屋は自由にお使いください。
コメントがとってもかわいらしかったので、どういう方なのか非常に気になってしまい、noteの鮭さんのページを見に行ってみました。絵と動画を見させて頂きました…………ぶっ飛んでますね!!
これは私の個人的な意見ですが、私は鮭さんワークスの中では文芸作品が一番好きです。でも音楽活動もちょっと気になります。機会があればぜひ一緒に作品を作ってみたい作家さんです。ですが、私と鮭さんが組んだらなんだかとんでもないことになりそうでちょっと怖くもあります。ぜひまた新作、最強の作品などありましたら、私の企画に投稿くださるとうれしいです。
追記、部屋をご利用される際、イス、スススッ、シュピーシュピー、ブイイイイイイーーーーーーンなどの発声をなさる場合は、ご近所のことを考えられた上で音量にぜひ注意してご発声ください。お願いいたします。101号室獲得、おめでとうございます。
ヒトキワ荘・管理人 崇期より。
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