海だったのか
鮭さん
第1話
「しょらいしょらい、将来の夢を持ちましょう。将来の夢を持つと、将来役に立ちますからね。」
教壇の上で先生が言います。偉そうです。本当かな、本当かな、たかしくんは思いました。
「先生!!本当ですか!!将来の夢を持つと将来役に立つのですかー!!」
勢い余ってたかしくんが質問します。
「役にタツノオトシゴ。」
先生が言いました。
「役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。」
先生、唇をとんがらせて、タツノオトシゴの物真似をしています。
「役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。」
繰り返す先生。
「せ、先生ふざけてるよー。だめだだめだー!!」
「だめだこれー。だめだこれー。」
「もうだめだー。だめだこれー。」
「だめです。だめです。」
落胆する生徒たち。みんな机に手を投げ出して、だらーんとしています。
「だめだー。だめだー。」
「役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。」
繰り返す先生。
「ふ、ふざけるなよ.....。ふざけるなよ.....。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ.....ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ........
「人が真剣に質問しているのに.....。質問しているのに.....。」
たかしくんは怒り始めました。
ゴゴゴゴゴ.....ゴゴゴゴゴ.....
「役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。役にタツノオトシゴ、シュピーシュピー。」
繰り返す先生。
「ふざけるなー!!」
「そうだそうだ!!ふざけるなー!!」
生徒たちの怒り爆発!!
シュンシュンシュンシュン!!
シュンシュンシュンシュン!!
鉛筆や消しゴムが先生に向かって飛んでいきます。
シュンシュンシュンシュン!!
シュンシュンシュンシュン!!
サササッ!!
机の下に隠れる先生。
「机の下に隠れクマノミ。机の下に隠れクマノミ。」
そうか、ここは、海だったのか!!
完
海だったのか 鮭さん @sakesan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます