第4話

「馬鹿、出直しておいで!」

お米が佐之助の頭をゲンコツで

殴った。

「イテッ」

佐之助が自分の頭を右手でさすった。

「なに、すんだよ」

「頭を冷やしておいで」

お米が柄杓で佐之助の顔に水を掛けた。

「プハーッ」

佐之助が両手で顔を拭った。

「このババア」

佐之助が拳を振り上げた。

「お止め」

そのとき、佐之助の背後から声がした。

「火付け改め方、凛華花乃嬢である」

眩いばかりの美貌の女が、馬上から

声を響かせた。

   (第一章 終)





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