竜族について

1、竜族について

始祖の竜と呼ばれる存在の血族。精神に依存する種族。肉体の強弱、外見すらその精神性に依存している。精神が三種族から見て「まともでない」ほど力を持つ。逆に三種族に感性、精神のありようが近ければ近いほど弱体化する。

魔族と同じく枷をはめられており、それを外す条件も魔族と同じである。

また三種族に比べてかなり長寿であり、500年以上生きている個体も珍しくない。


2、姿について

竜体の姿と人型の姿を生まれたときから使い分けることができる。大きく分けて幼体、成体の二つの発達段階が有り、前者は幼い子供の姿、後者は成人した人型の姿を取る。また、幼い子供の姿でなくとも本来の竜の特徴が人型の姿に混ざっていると、同じ竜族から一人前として見られない。


また属性ごとに姿や特性が違う。

【大地の竜】

四足。ツノや鱗など全身に爬虫類の特徴を持つ。コウモリのそれのような鱗で覆われた翼を背から生やし、長い尾を持つ。頑丈で鋭い牙と爪を持ち、他の竜よりも物理的な力が強い個体が多いため肉弾戦が得意。

昼間であれば海を除く他の属性を少しだけ使用することができる。ただし消費する魔力は大地の魔術を使ったときよりも遥かに多い。


大地の始祖の影響を受けて狂気に飲まれている個体が多く、正気である個体は滅多にいない。また好戦的な者が多く存在する。


【海の竜】

脚の代わりに4つのヒレ。長い首と尾ビレを持つ。頭部にヒレ耳。陸海どちらでも呼吸ができるが、空を飛ぶことはできない。範囲は個体差があるが、自分の周囲の海流や水質などを操ることができる他、無から望んだ通りの水を生み出すことができる。また鱗を持たないため身体が柔らかく、肉弾戦はあまり得意ではない。


海の始祖の意志に従っている個体が多い。そのため戦闘を好まないものが多く、他種族に対して友好的なものがほとんどである。


【炎の竜】

四足で大地の竜の特徴によく似ている。ただし両前足と翼が融合している。炎を溜め込む器官があり、それを吐いて攻撃することもできる。また大地の竜と同じく頑丈な鱗で全身が覆われているため肉弾戦もそこそこできる。


他種族に友好的なものと敵対的なものの両極端である。どちらにせよ傍観的な態度を取っている炎の始祖をよく思わない個体も多い。


【風の竜】

四足で大地の竜に似た姿をしている。ただし翼は虫のそれに酷似。翅を震わせて音波を操ることが可能。また範囲は個体差があるが、空気中から周囲の状況を把握することが可能。耳がいい個体がほとんどである。鱗こそ生えているが、大地や炎のそれよりは柔らかく、脆い。牙と爪を持たない。


不明。巣の中からあまり出てこない。


【雷の竜】

四足で両前足と翼が融合している。ただし爬虫類の特徴はツノだけであり、他の部分は哺乳類のそれによく似ている。また翼は鳥類のそれである。体中の羽毛は本人の魔力に反応して硬化する他、走り回って速度を上げれば上げるほど身体に電気が蓄積されて攻撃力が向上する特性を持つ。ただし体躯が最も小さい種類である。


三種族に対して敵対的か中立的な立場。三種族を見下している個体が多いが実利主義であることが多い。


【水の竜】

四足で蛇のように細長い身体を持つ。ツノ、たてがみ、ひげのような器官を持ち、翼を持っていない。水の中でも呼吸ができる。翼こそないが空を飛ぶこともでき、川が周囲にあると雨を降らせることができる。


感情に乏しい。最も自分たちの始祖に従順であるため他の属性の竜族に対してあまり友好的ではない。


3、属性

それぞれ生まれつき持っている属性と無属性の魔法しか使うことができない(例として大地の竜は大地と無属性の魔法を操れるが、その他の海、炎、水、風の魔法を使えない)。

それぞれの始祖には序列が存在しているが、その子孫たちの関わりにおいてそれは重要視されない。

また、彼らは自らの属性に関係するものが近くに存在していたり、或いはそれに触れていると僅かながら魔力が回復していく。これは彼らの精神が良い方向に安定することに寄って得られる効果である。


4、竜の鱗

竜の体の一部を指す言葉。鱗以外にも腕や足、目玉や髪、血液なども含まれる。部位によって摂取できる量は変わるが、魔力の増強に役立つ。最も鱗として効果を持つのは心臓である。また、一定以上の量を摂取すると素質のある存在は魔族に、そうでないものは全身が溶け死に至る。但し魔族はどんなに食べても魔族のまま変わらない。


5、竜の心臓

最も重要な臓器である。脳が潰されても心臓が無事であれば修正ができる。この心臓は核の役割を持ち、この中に一定の魔力が残っている間はどんなに血液が流れ出てもどんなに重症でも生存する確率が高い。またこの心臓の内部に蓄積された魔力を組み上げ体外に出すことによって剣とする秘術が本家に伝わっているが、これを分家の竜族が使用すると激痛に蝕まれることになる。

最近になってこの剣を竜族本人が使えず術者以外が使えない代わりに、竜族の負担が大きく軽減され分家でも使用ができる術が開発された。しかし現状群内部の極少数にしか伝わっていない。またこの方法はあくまで模倣であり、本来の心臓の力よりも遥かに弱まっている。

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