群の外の人々

【叙唱世界の人々】


・帝国


帝王

《アルシュレト=エーレンフロイツ》

 鮮やかな青い髪を持つ青年。獅子の耳と尾を持つ獣人。兄弟がいたが彼以外の生き残りはいない。表情筋が硬いが、旧知の仲であるベルクトには大体何を考えているかが分かる。


帝国軍最高指揮官

《ベルクト=アベルフロイツ》

 金の髪と青の瞳を持つ人間の男。大地の竜族と契約している。アベルフロイツ家が古くに帝王の血筋から分かたれた関係でアルシュレトと共に育った。


《ヘンゼルとグレーテル》

 愛らしい顔立ちをした金髪の双子。白辰と共同で研究していた実験の最初の成功例。雷の竜族の鱗から造られたため、雷の竜族を父母と呼び慕っている。無邪気で子供らしいが、戦闘などの場に出すと途端に血を求め敵を拷問するような残虐性を持つ。


《モルヴァ》

 トルエノの父親。良くも悪くも竜族らしい性格。どちらかというと大地の竜族に性質が近く、分家の竜でありながら強大な力を持つ。


《アンヘル》

 トルエノの弟。雷の竜族の一人。竜族らしい思想を理解し受け入れているが他の竜族が嫌い。父親のことも嫌い。家を出た姉達に代わって家を守っている。


・公国


最高指導者

《アンレトフィア=マールレフト》

 金髪の若い女性。人間である。光輝の王を盲愛しており、自分が縋れば彼の王は必ず自らを救うと思っている。未婚。姉妹がおり、次の指導者はその姉妹の子供である。


・白辰皇国


皇王

《エルネヴィアン=ラフォンテール》

 赤髪の獣人の男。この男もまた研究に狂っており、常に自宅に籠っている。この男の研究によって誰かが犠牲になることは今の所無いが、何をしているのかは誰も知らない。またその性質上殆ど人前に出ない上、興味を持たないことには無関心な国民性からどんな性格をしているのか誰にも知られていない。


・滄劉


聖母の眷属

《ツキガミ ハルオ》

 温厚で心優しい海の竜の青年。本家の竜族。海の始祖と意思疎通をとることが出来る。最高指導者としての役割も果たしており、滄劉の国を護りながら日々を過ごしている。


《ツキガミ レフカ》

 ハルオの娘。シオンの双子の姉。明朗快活な少女。攻撃系の魔法に長けている。


《ツキガミ シオン》

 ハルオの娘。レフカの双子の妹。物静かで大人しい性格。補助系の魔法に長けている。


《ホソミチ アキツグ》

 ホソミチ家の長子。頭脳明晰で体術の心得もあるが弟に対して恋愛感情を抱いている。その為か弟の行方を捜しており、婚約者も世継ぎも現時点ではいない。


・定まった場所にいないもの


蒼白の人造竜

《エン》

 二番目。喋れる個体。性自認が男。世話を焼くのが好きで下の兄弟達の面倒をよく見ている保護者的立場。兄弟以外の他人に対してあまり興味がない。武器は金属製の鞭。

 属性は炎。


《トヴォ》

 三番目。喋れない個体。トゥレスといつも一緒に行動している。何を考えているのかが兄弟にも分かりにくい。手先が器用だが飽きっぽいようでよく途中で放り出す。武器は大鎌。

 属性は大地。


《トゥレス》

 四番目。喋れない個体。トヴォといつも一緒に行動している。考え方が三種族寄りであり、行動もわかりやすい。絵や歌などの芸術に興味があるが、そこの感性は独特。武器はメイス。

 属性は風。


《カトル》

 五番目。喋れる個体。明るく元気。とてもお喋りが好きでお調子者だが、一番情緒不安定気味でもある。抱きしめられるなどのスキンシップが非常に苦手。武器はハンマー。

 属性は海。


《フェム》

 六番目。喋れない個体。性自認が男。エンと同じように兄弟の面倒を見ている。ベタベタされても大抵微動だにせず受け入れ、自分からベタベタすることは滅多にない。武器は槍。

 属性は雷。


《スィエテ》

 八番目。喋れない個体。美味しいご飯をこよなく愛す。いつもお腹を空かせているため、お菓子をエンに持たされている。兄弟の中で一番大量に食べる。武器は手甲。

 属性は水。


【世界内部の神々やその眷属】


・神王教


光輝の王

《ラシュレーム》

 白き王。冥漠の王とは表裏の関係。白い外套に身を包み、ミルククラウンのような王冠を頭に乗せた幼い少女の姿で描かれる。無垢なる神であり、幼子。世界を産み落とした後に何処かで眠りについたとされており、この神自身を見た者は誰もいない。


 母の望みに応えてこの幼子は箱庭を創造した。しかし母は最早いない。ならば自分は何の為に生まれたのだろうか。化身により寝かしつけられたこの幼子は、次に目が覚めた時に今の世界を破壊し、新たな世界を作るだろう。


冥漠の王

《ラシュレーム》

 黒き王。光輝の王とは表裏の関係。黒い外套に身を包み、コロネット型の黒い冠を頭に乗せた幼い少年の姿で描かれる。幼子でなく、また無垢でもない。身体の主導権は光輝の王が握っているため、共に眠りについている。


 自分達を捨てた母を恨み、自らの半身を憐れんだ。彼は可哀想な片割れの為に共に眠り、夢の中で幼子を慰め続けている。自分勝手な創造品達にはとうの昔に愛想が尽きており、白き子が望めば破壊の力を白き子に貸すだろう。


黒い空の魔導師

 冥漠の王の化身。個体としての名は失われている。数度冥漠の王の手で作り変えられており、元々の慈悲深い性格と打って変わって攻撃的な性格になっている。気に入ったものを気紛れに自分の好ましいように変えることがある。


揺籃の守護者

 光輝の王に産み落とされた守護者だった者。元々は守護者の卵を眠らせ育てる役割を持っていた。しかしその中から悪魔と烙印を押され殺されてしまう者や、成長しても死んでしまう個体等を見る内に耐え切れなくなって造反した。


・始祖竜信仰


大地の始祖

 序列一位の始祖竜。戦争に負けた後、守護者たちの手により地中深くに封じられている。非常に凶悪な竜であると伝わっており、また国生みの神でもある。二千年前の大戦を起こした張本人。

 眠り続ける彼の口からは常に呪詛が吐かれ、彼の影響を受ける者、即ち大地の竜族は往々にして彼の狂気に蝕まれる。海の始祖の双子の弟である。

 炎、風、雷、水の始祖は彼の力を使って彼が生み出したもの。


海の始祖

 序列二位の始祖竜。海と一つになってこの世界に住む者を見守っている。人に対して過度の干渉はすべきでないと考え、彼自身は非常事態以外で滅多に姿を可視化しない。

 最も穏やかな始祖。滄劉の国を守護しており、また王に捨てられた神々を匿い育てるなど愛情深い性質。その一方で庇護する存在に手を出した者に怒り狂い攻撃する一面も持つ。振る舞いや行いは三種族のそれに近い。信仰の自由を重視しており、自らを信仰しない者を虐げることはない。大地の始祖の双子の兄である。


炎の始祖

 序列三位の始祖竜。白辰内に存在する自らの神殿で過ごしている。基本的に人型を取っており、紅く長いマント、毛先が燃えているような色の髪、何かの骨の仮面が特徴。大食漢。

 三種族に合わせた価値観を使って物事を考えることが多く、無闇に三種族を虐げることも自らの子孫を実験に差し出すこともしない。しかし海の始祖のように愛情深いわけではなく、傍観者的立場にいる。また不義理や裏切りを嫌っている為に自分を信仰していない者に対してあまり力を貸さない。


風の始祖

 序列四位の始祖竜。白辰内に存在する自らの神殿を根城にしているが、しかし研究に熱中しているため玉座を空けていることが多い。彼は風と同化しているため人前に姿を晒すことは滅多にないが、人型は緑の髪をし目元を包帯で隠した青年の姿をしている。

 かなり常識からかけ離れた思考回路をしている。他者の研究にも興味を示し、その研究の為に自らの子孫やはたまた自らの血肉でさえも提供するような性質。


雷の始祖

 序列五位の始祖竜。常に帝国内の玉座に鎮座している。その為人型をとっており、その姿は幼い幼女そのものである。まるで人形の如く虚ろな顔をしているが、これは今の彼女の身体に心がないためである。その為信仰されようがされまいが彼女が気にすることも無く、求められれば力を貸し、奪われればそのまま奪われる。

 彼女が自ら行動することはほとんど無いが、戦闘に関わることであれば時折行動をする。


水の始祖

 序列六位の始祖竜。普段は本来の姿で自らの神殿内を這いずり回っている。最も活発に行動をしており、また気性も荒い。彼女は大地の始祖が兄の代わりとして生んだものであり、しかし力が海の始祖には遠く及ばない為に序列が最も下になってしまった。他の始祖の力を奪うことを目的としている。自らの信者に対して深い信頼を置いており、信仰心の見返りとして授ける加護も大きい。但し自らを裏切った者や見返りのみを望んでいるものに対して非常に攻撃的になる面もある。


・その他の神々


宇宙に焦がれる者

《ニャルラトホテプ》

 王の作った模造品。千の顔を持つとされる神を模して造られた。本物と同じように多くの化身を抱えている。いずれ王を玉座から引きずり下ろし、この世界に自らのオリジナルを呼び寄せ取り込まれるのが目的。各地で暗躍している。本体の居場所は不明。


海底に眠る者

《クトゥルフ》

 王の作った模造品。地球という星の海底神殿ルルイエに眠るという神を模して造られた。滄劉の深海部に神殿があり、そこに存在している。普段は人型の化身を行動させて本体は寝ている。世界征服には興味があるためニャルラトホテプに協力しているが、別に自分のオリジナルには興味がない。


智慧を唄う者

《ハスター》

 王の作った模造品。カルコサという都市のハリ湖に幽閉されているという神を模して造られた。滄劉の深海部に神殿があるが、羊を養うためによく人型の化身が上部にいる。羊を飼うのが楽しいのと信者がこの世界のおかげで生まれた存在であるためクトゥルフとニャルラトホテプをよく思っておらず妨害をしている。


陽光に微睡む者

《ヴルトゥーム》

 王の作った模造品。火星という星に住み着いているという神を模して造られた。滄劉の上部に神殿があり、その神殿が陽光を取り込むので滅多に外に出ないでいる。兄達の争いを傍観している為に協力も妨害も行わない。


狂焔を齎す者

《クトゥグア》

 王の作った模倣品。生ける炎とも呼ばれている神を模して造られた。滄劉の上部に神殿があるがニャルラトホテプの妨害をするために化身がよく外にいる。普段こそ冷静な性格だがニャルラトホテプの名前が出たり本人がいたりすると冷静でいられず周囲が焼け野原寸前になる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る