第6話 進化
【リトルインフェリアタッドポール:♂のレベルが上がりました】
【スキル『早熟』が適用されます】
【種族レベルが10になりました】
【『毒耐性』のレベルが7になりました】
【『体当たり』のレベル5がになりました】
【『毒攻撃』のレベルが5になりました】
【ステータス】
種族:リトルインフェリアタッドポール
性別:♂
HP:8/14(+3)
MP:11/11(+3)
SP:4/12(+3)
レベル:10(+3)
ATK:10(+3)
DEF:10(+3)
INT:19(+3)
MND:10(+3)
SPE:12(+3)
スキル:
『鑑定 :レベル7』
『毒耐性:レベル7(+1)』
『噛み付き:レベル5』
『体当たり:レベル5(+1)』
『毒攻撃:レベル5(+1)』
『早熟 :レベルー』
『水棲 :レベルー』
【種族レベルが最大になりました】
【進化先が複数存在します】
【進化先を選択してください】
【インフェリアタッドポール/リトルタッドポール】
『鑑定』はまた上がらなかったか。
かなり重宝しているので、早くレベルが上がって欲しいのだが、必要な経験値もその分必要なようだ。
『毒耐性』スキルのレベルが上がっているが、最初の一撃で相手の『毒攻撃』をくらってしまったからか?
ちょっとだけ肌の表面がピリピリしたし、それの可能性が高い気がする。
ともかく『状態異常:毒』にかからずに済んで良かった。
やはり前もって同族との戦闘を想定して、『毒耐性』スキルのレベルを上げておいて正解だったようだな。
相手は相手でつくづく頭の良い奴だった。
なんせ俺とほぼ同じ戦法取ってきてたし。
もしかしたら俺の戦闘をどっかで観察していて、それを取り入れていたのかも。
つまりは高い学習能力があるってことだ。
もっと成長してから出会っていたら相当厄介な相手になっていただろう。
ある意味ここで倒せておくことができたというのは、後々大きいかもな。
戦闘での感想はこのぐらいにしておくとして、今回のアナウンス。
スキルや種族レベルのアップは勿論だが、なんと言っても一番の注目は進化だろう。
・・・ついに、といっていい。
最初の種族の説明に少しだけ情報があったから期待してはいたが、思ったよりも早かったな。
生誕してからまだ1日経っていないぞ。
ゲームでは弱小モンスターの救済措置として基本的に早めの進化があるし、この世界でも同様なのかもしれない。
この「リトルインフェリアタッドポール」っていう種族も例に漏れずかなり弱い種だったみたいだし。
1回目の進化だから先は長いかもしれないけれど。
問題は分岐だ。
どうやらこの世界の進化は、分岐先があるみたいだ。
こういうのは基本的にツリー状になっていて後戻り出来ない。
よーく考えて、その選択を間違えないようにしなくては・・・。
最近のゲームだと攻略サイトが展開されて、そういったツリーの情報が大体検索するだけでわかってしまう。
かくいう僕自身もその恩恵に少なからずあやかっているため、とやかく言うことはないが、この状況ではそういったものに頼ることはできない。
名前やなんかから少しでも情報を拾って、選んでいくしか無いな。
この進化先の名前についても『鑑定』することができるのか?
わからないことはまず実践。
やってみてできなくても、不都合が起きるなんて事はないだろう。
とりあえずかけてみるとしようじゃないか。
【インフェリアタッドポール】
最低級のカエル系魔物の幼体が成長したもの。
わずかながら毒を保有している。
体格が一回り大きくなり、足のような物が生えてくる。
そのため少し身体能力が上昇する。
水の外へとでるための準備をしている。
【ステータス】
種族:インフェリアタッドポール
HP:34/34(+20)
MP:31/31(+20)
SP:32/32(+20)
レベル:1
ATK:30(+20)
DEF:30(+20)
INT:39(+20)
MND:30(+20)
SPE:32(+20)
スキル:
『毒耐性』
『噛み付き』
『体当たり』
『毒攻撃』
『早熟 』
『水棲 』
『陸棲(微)』(new)
【リトルタッドポール】
低級のカエル系魔物の幼体。
身体能力は弱く、大抵の魔物に力負けしてしまうが、わずかながら毒を保有している。
危機察知能力に優れており、生存能力がインフェリアタッドポール種よりも高い。
【ステータス】
種族:リトルタッドポール
HP:16/16(+2)
MP:13/13(+2)
SP:14/14(+2)
レベル:1
ATK:11(+1)
DEF:11(+1)
INT:20(+1)
MND:11(+1)
SPE:15(+1)
スキル:
『毒耐性』
『噛み付き』
『体当たり』
『毒攻撃』
『危険察知』(new)
『早熟 』
『水棲 』
割と詳細に出てくれた。
種族についての説明が出てくれたら御の字だなとか思っていたら、俺が進化したときの想定ステータスすら出てきてくれるとは・・・。
これは進化した際のイメージがより詳細にできるな。
ただ、スキルについて二重鑑定はできないみたいだ。
新しく追加されたスキルについても、名前から自分が考えているような内容とどの程度差異があるかどうかを確かめたかったんだが、見れない物は見れないでしょうがないな。
うーん・・・。
しばらく2つの種族についての説明や進化時のステータスを眺めて、見比べた末、俺はついに進化先を決定した。
【リトルタッドポールでよろしいですか?】
【はい←/いいえ】
はいを力強く選択し、俺は進化先をリトルタッドポールにした。
身体能力の上昇量が20もあったのは正直魅力的ではあった。
単純に計算したら、身体能力が軒並み今の3倍近くになってる訳だし。
陸で少しだけ活動できるようになるのもね。
活動範囲が広がるって言うのは、それだけで大きなメリットだからだ。
だが少し待ってほしい。
俺が探索したときに見た奴らはまさに化物といって良いレベルのやつらだった。
だからこそ俺はこっちに戻ってきて同族と戦闘してレベルを上げていた訳なのだが。
そいつらを見る限り、ステータスが20ばかし上がっただけで、果たしてどうにかなるような相手だろうか。
冷静に考えて、俺はそんなことができるとは到底思えなかった。
何より、インフェリアタッドポールはリトルタッドポールと比較してリトルが取れて、身体が成長してしまっている。
通常であれば、それはプラス要素でしかないが、今この世界でこの状況に限りそうではない。
俺にとってこれから強くなっていくために、今最も重要な要素は『早熟』スキルという「弱い魔物の幼体」というごく限られたものたちにだけ与えられるぶっ壊れスキルだ。
まだまだ全体的なスキルレベルが低いしこれからも活用していきたい。
進化先のステータスを見る限りインフェリアタッドポールも『早熟』スキルを保持しているようだが、既に足が生え始めているようだし、すぐにカエルになってしまいそうだ。
だから少しでも幼体でいる期間を長くすることで、『早熟』スキルを保持している期間をできる限り長くしておきたい。
また、新規スキル『危機察知』。
野生の世界で特に群れを率いるような生物のボスに一番必要な能力とも言われている。
死んだらゲームオーバーな世界。
コンテニューが無いゆえ、絶対に死なない立ち回りが必要になる。
そのような理由で俺は今回の進化先を「リトルタッドポール」を選択した。
ふぅー、なんがか選択した途端に急に眠気が襲いかかってきた。
さすがにこのまま無防備に眠るのはまずいだろうと思い、近くにあった水草の根元、その物陰に隠れる。
だが、できたのはそこまでで精一杯であった。
そこから先の記憶が全くないほど、深い深い眠りについてしまう。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
起きて周りを見渡すと、辺り一面に水草が茂っている光景が目に飛び込んできた。
しばらく状況が飲み込めず、ぼーっと景色を眺めていたが、時間経過とともに頭が徐々にクリアになっていく。
そうか俺は転生してオタマジャクシになっていたんだな。
しばらくの間寝起きは人間だったときとのギャップに悩まされそうだ。
さて、寝る前に俺は進化形を選択したはずだ。
自分自身に向けて急いで『鑑定』してみると、
【ステータス】
種族:リトルタッドポール
性別:♂
HP:16/16(+2)
MP:13/13(+2)
SP:14/14(+2)
レベル:1
ATK:11(+1)
DEF:11(+1)
INT:20(+1)
MND:11(+1)
SPE:15(+3)
スキル:
『鑑定 :レベル7』
『毒耐性:レベル7』
『噛み付き:レベル7』
『体当たり:レベル5』
『毒攻撃:レベル5』
『危険察知:レベル1』
『早熟 :レベルー』
『水棲 :レベルー』
うん、無事に進化することができたようだ。
ステータス自体は、進化前に鑑定していたものと変わりない。
体の大きさ的にはあまり変わっていないので、体感的には実感が無いな。
進化時にはどうやら大量のエネルギーを使うようで、俺のお腹がたいそう減ってしまって先ほどからグーグー鳴っている。
倒したものの進化のタイミングによって食べ損なった、二匹の兄弟達をありがたくいただきながら新しく入手したスキル、『危険察知』を改めて『鑑定』してみる。
■『危険察知』スキル
自らに危険を及ぼしそうな事、物を事前に察知することがある。
その精度や頻度はスキルレベルに依存する。
弱い生物が持つことが多いスキル。
なるほどな。
概ね予想通りのスキルと言ってもいいだろう。
自分よりも格上ばかりのこの環境ではかなり有用なスキルであることは間違い無い。
是非とも『早熟』を利用してスキルレベルをすぐにでも上げておきたいところだ。
ふぅ思っていたよりも相当なエネルギーを消耗していたようだな。
二匹の兄弟たちを食べ終えてもまだまだ腹の虫が収まりそうに無い。
お寿司屋さんでも10皿いかないぐらいしか食べられなかった人間だった頃と比べると、単純な量で計算は出来ないが相当なものでは無いだろうか。
体積的に見ればとても考えられないことだな。
自分とほぼ同じくらいの大きさのものを二つ分も食べて、それは一体どこへいっているのだろうか。
異世界特有の胃袋4次元空間でも存在するのかね。
そろそろくだらない思考をする余裕も無くなってきたな。
とりあえず何でも良いから何か食べられるようなものがないか、周囲を探してみることにした。
そういえばオタマジャクシを生育しているイメージの中で、水草を食べているものがあるんだよな。
この進化後の隙を隠す為に、寝ている間隠れ蓑にしていたこの水草は食べれるのか
?
ひとまず『鑑定』っと・・・。
【しびれ草】
水草型の魔植物。
そこそこの雷属性を纏っており、その表面に触れた物に『状態異常:麻痺』を与えることがある。
ギリギリセーフだった!
この水草、卵が産み落とされた場所からかなり近くにたくさん生えてるから、生まれたばかりの頃に探索をせずに食べていたら、どうなっていたことか。
『状態異常:麻痺』に罹り、痺れて動けなくなれば限りなく死んでいた可能性が大だ!
いやそれでも『鑑定』スキルで逃れていたか。
今回『鑑定』していなかったのは、すぐに眠ったからだし。
『麻痺』ってゲームとかだとよく使われがちな言葉ではあるけれど、体が硬直して動かないって普通に自然界においてやばいだろう。
なんなら毒よりも凶悪かもしれないな。
眠気に抗うのに必死で咄嗟にこの水草に身を隠したけれど、大正解だったな。
この水草の正体を知っているやつらは麻痺になることを警戒してあまり近づかないだろうし。
だからこそマザーもここに卵を産み付けていったのかもしれない。
卵から孵った兄弟達はどこに行ったのだろうと考えていたが、もしかしたらこっちの方に来たのだろうか。
ここは弱い生物たちでも生きられそうな環境だ。
前はこっち方面には探索していなかったはずだ。
試す価値はありそうだな。
あまりしびれ草には触れないように奥に進んでいくと、二つの触角を持った腹がぷっくりと膨らんだ奇妙な生物がそこにはいた。
【グレイトダフィリア:ー:レベル6】
体の大きさは俺とほぼ変わらないと言っていい。
と言っても、今までの会ってきたやつらが同族以外だと表わせないくらいだからそう言えるだけで、こいつも俺3匹分くらいの大きさはある。
そこまで強そうには見えないが。
俺の推測もあながち間違いじゃないんじゃないか?
とりあえず進化してからの初戦闘だし、身体やスキルの調子も確かめてみたい。
お腹も空いているし。
とりあえずこっちの水草内に棲息している奴らがどの程度の強さなのかを知りたい。
それによっては今後の行動も変わってくるだろう。
さあ、いきなりで申し訳ないけれど、お前を倒して喰ってやる!
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