いつまでも私のお姉ちゃん

 お母さんからもらったチケットを握りお姉ちゃんの部屋に行った。

「お姉ちゃん今から出かけない?」

「私もう風呂入ったから明日でいい?」

「今日でないとダメ」

 先延ばして進路を変えるまでは私と話す気ないんだ。だったら

「いいから行くよ!!」

 いつもみたいに強引に引っ張りだそ!!。

「待って。私まだパジャマだから」

 パジャマ姿かわいいとかもうどうでもいい。今は早くいかないと。


 そして観覧車に乗った。

「何いきなり。これって」

「お母さんに遅くなる前に帰ってきなさいって言われてるからもうためらわず。お姉ちゃん。京都行くの頑張ってね」

「いや、それは」

「わかってる私のためにやめようと思ったんだよね。でも私は挑戦してほしい」

「違うそんなの」

 お姉ちゃんが涙を流した。

「私は強みしか言ってない。本当は咲奈がいないって考えたら怖かった。私にとっての咲奈のでかさを痛感してしまった。そしたら何で京都行くのだろうって」

 初めてだ。私に弱音を吐いたのは。やっぱりお姉ちゃんは行きたいんだね。私があんなことしたせいで不安にさせてたんだ。だったら私がまた安心させないと。

「大丈夫だよお姉ちゃん。私たちはずっと姉妹なんだよ遠くにいるとか関係ない」

「でも」

「私の知ってるお姉ちゃんはポーカーフェイスが下手で嘘がつけなくて。まじめなのにたまに天然なところがかわいい。でも、そんことより、私は何事にも妥協しないお姉ちゃんが好き」

 本当は一緒にいたほうが嬉しいけどとかいおうとしたけど、自然に言葉が浮かんできた。本当のお姉ちゃんへの気持ちをぶつけることができた。

「本当にいいの?私がいなかったらあなた体調崩したときだってあった」

「うん。たまに泣いてるかも。だから電話で慰めてほしい」

「でも」

 あーもうめんどくさいな。素直じゃないのもかわいいけど。

「だったら聞くけど行きたいの?行きたくないの?」

「い、行きたいけど」

 やっば初めてお姉ちゃんに反抗した―。

「だったら行きなよ。私も自立できるよう頑張るからお姉ちゃんもがんばろ」

「あなたも私の知らないところで成長していたのね。あなたから許可出てたら行く予定だった。だから行くわ。ありがとう」

 いつものお姉ちゃんになった!!。あとはパジャマじゃなかったら最高にかっこよかったのに台無しだよ。私のせいだけど。


 観覧車がタイミングを合わせたかのように到着した。

「帰るわよ」

「うん!!」

「ねぇそのパジャマどこで買ったの?」

「知ってるくせに」

「エ―私ストーカーじゃないけど!!」

「ストーカでなくて堂々と私の隣歩くものね」

 いつもと変わらない会話だけどこれができるのももうあまりないんだね。


 それから最高のクリスマス、お正月を過ごした。バレンタインでは互いにチョコをあげた。

 卒業式では私は大号泣。春休みにはお姉ちゃんと二人でもう一度ニャンニャンワールドDXに遊びに行った。もちろん前みたいな無理はせずお姉ちゃんの好きな乗り物を優先して。そして、お姉ちゃんがあっという間にお姉ちゃんがいっちゃうひになっちゃった。

「じゃ行ってくるね」

 私と両親は新幹線乗り場に見送りに来た。

「行ってらっしゃいがんばってくるんだよ」

「娘が一人になるなんて」

 いやいや娘は二人のままですよお父さん。

 私はもう声を出そうとすると涙ができて声が出せない。

「まったくあなたがそんなに泣いてどうするの?本当に心配だわ」

「だったら残ってよ」

 私は最後の抵抗をした。行けとかあんなに強気で行っておいてやってはいけないことだけど。

「あんたが行けって言ったんでしょ。安心して。私はどこに行ってもあなたの唯一のお姉ちゃんだから」

「でも、やっぱり」

 なーんか観覧車の日と立場が逆転してる。やっぱり残ってほしいその気持ちが強くなってきた。もうどうしよう。このまま京都に一緒に行きたい。

「あんたは高校頑張んなさい。それで二年後に京都に進学すればいい所になれるでしょ」

 その手があった。

「そんなの嫌よ。可愛い娘一人くらい置いておかないと。こんなのと二人は嫌よ」

 お母さん。それお父さんの前では禁句のやつ。

「んだと。だったらお前から結婚しろとかいうなよな!!」

「は?そもそもあんたが遅すぎたからいいかげんしよっていったんでしょ?」

 何で二人が喧嘩始めるの。

「っま。こんな親だから咲奈にまかせた。喧嘩になったら仲裁とか」

「ねぇもう一ついい?」

「何?もう時間ないけど」

「じゃーね雫!!」

 私は一度でいいからお姉ちゃんのことを名前で呼びたかった。

「恥ずかしいけど悪くないわね」

 私に名前呼ばれて顔真っ赤にしてかわいい。

「そうだお姉ちゃんこれ」

 私はお姉ちゃんに包み物を渡した。

「これは?」

 開けるとそこにはフィギュアが入っている。

「私が壊したフィギア。やっと見つけたよ」

 私が渡したのはトイプードルのフィギュア。壊してなかったから頑張って探す他の。

「ありがとう」

 お姉ちゃんがキスをしてきた。心臓が止まるかとおもった。

「咲奈元気で」

 その言葉を最後にお姉ちゃんは電車に乗った。

 これで終わりじゃなんいんだよね。またいつかお姉ちゃんにあう。その日が楽しみ!!

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今日も二人は仲良し 蓮蠱 @rusiruhu

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