お姉ちゃんと最高の思い出
お姉ちゃんと遊園地とか楽しみすぎて全然寝れなかった。あれ、これ去年も同じような気がする。
「うーん」
「だから寝なさいって言ったのに」
とか言ってお姉ちゃんの目が充血している。なのにお姉ちゃんは元気なようだ。
「いこ!!」
すごくふらふらしているのを無理して声を出した。テンション上げていけばきっと目覚めるだろし。
電車の中で私は眠ってしまっていた。全然寝れなかったからだけでなく、隣にお姉ちゃんがいるとなぜか安心できる。
「ほーら起きなさいついたわよ」
お姉ちゃんが私を揺さぶってる。目を開けると電車を降りて近くのベンチだった。
「ごめん。私ねてた?」
「まったく全然起きないから持ったのよ」
あー。悪いことしちゃったな。
「だってお姉ちゃんの隣暖かくて眠たくなるんだもん」
つい本音が漏れてしまった。すると顔を真っ赤にした。
「ほ、ほら行くわよ」
私何かしたのかな?それとも普通に照れてるのかな?どちらにしてもやっぱりかわいい。
ニャンニャンワールドDXに来たのは初めて。いつも、というよりDXは最近できたばっかりでずっと混んでいたから人混みの苦手なお姉ちゃんが避けてただけなんだけどね。
「人多いけど大丈夫?」
「あんたの誕生日の日くらい我慢するわよ」
「でもあまり無理しないでね。去年みたいになるから」
前回の誕生日の時にお姉ちゃんが無理しすぎて倒れてしまったんだよ。だから今回はそうならないよう私がサポートしないと。
「一年たってるから大丈夫よ。ごめん少しトイレ」
もう酔ってる!!しっかり寝ないからだよ。心配だなー。
数分待ってるけどなかなか来ないなー。
「お待たせ」
あっ!やっと戻ってきた。ってさっきよりも機嫌が悪い。
「何があったの?」
「トイレ人多くて」
「やっぱり帰ろ。昨日みたいに近場での買い物でいいからさ」
「それはだめよ!!」
何で怒り口調なの?
「今日はあなたの大切な日。だから去年を超える思い出を作るためなら無理だってする」
か、かわいい。じゃなかった。かっこいいなー。それにうれしい。私ができることはお姉ちゃんより限られていつも最高なんてできるわけない。
「だったら。いこ!!」
無理だってするんだったら私はお姉ちゃんを手を引いて先導する。しっかり、人のいないところを通りながら。
「ジェットコースター乗りましょ」
お姉ちゃんが提案をした。 お姉ちゃん絶叫系嫌いなのに。いつもなら「一人で乗りなさい」とかいうのに。さすがに無理しすぎなような。
「ここの絶叫すごくレベル高いんだよ大丈夫?」
「無理だけど。ほらよく言うじゃないマイナス×マイナスはプラスって、今私負の感情のほうが強いし嫌いなの乗ればプラスに代わるでしょ?」
いや多分マイナス+マイナスでマイナス大きくなるだけなきが。
「お姉ちゃんがいいなら乗る」
ただ私の誕生日だから。とか特別な日とかだとしても去年より無理しすぎな気がするんだ。なんかあるのかな?
ジェットコースターの席に座った。しかも先頭に。お姉ちゃんすごくおびえててかわいい。って私お姉ちゃんにまだ、かわいいとしか思ってないじゃん。
「あ、安全か、かくににんはは、しっかりゅね」
すごく怖がってる。レバーぎゅっと逃げってるし。呂律も回ってない。
「それでは出発します」
「お姉ちゃんにアドバイス。目つむったほうが怖いよ」
「え?どういうこ、とーーー!!」
動き出した。目をつぶれば怖さはやわらぐけどいつ落ちるかとかタイミングわからなくて逆に怖いってこともあるから一応助言しただけなんだけど。
ここのジェットコースターは円に回る奴に傾いたり上から落ちたりとジェットコースターで定番の道がすべてそろってる。ちなみにDXは大人向け子供が乗ったらどうなるかというと…
「もう無理!!おろしてしぬってとばされる!!」
お姉ちゃんみたいに絶叫してしまう。気絶してない分お姉ちゃんはすごいほう。
「あーすっごく楽しかったー」
ふらふらしながら「生きてる」と連呼してるお姉ちゃん。
「ほーらお姉ちゃん大丈夫?」
「た、楽しかったというとウソにならないけど。なんかこう二度目もありかなって」
いや、二回目乗ったら絶対にダメだから。完全に頭がお花畑になってる。思考停止ナウだよー。
それから私もお姉ちゃんも好きな乗り物を挟みながらも、お姉ちゃんが大嫌いなジャンルの乗り物を乗りつくした。そしてもう暗くなってきた。
「ほら買ってきたよ」
完全にダウン状態のお姉ちゃんだし、昼ご飯も食べずぶっとうしだったから私が食べるものを買いに行った。
「ごめんなさいね。あなたを楽しませようと頑張っているけどやっぱりなれない」
「いいんだよ。気にしなくて。むしろ私が絶叫好きすぎるのが原因ともいえるんだし。それより何でこんなに私に付き合ってくれるの?見てるだけでもよかったんだよ」
「いったでしょ。今日を最高の誕生日にするだけ」
「それはわかるけどなんで?」
「理由なんてないわよ」
嘘ついてる。目は泳いでない。でも感じる。お姉ちゃん何か隠してる。
「嘘使いないで。こんなに無理して何もないなんて言わせない」
「隠すつもりはなかったのよ。でもあなたに言うのに抵抗があった。慣れないものに乗って気を間際らせれば話せるって思った。でも話せなかった」
何そんな大きなことなの?
「私ね。京都の大学に行くことにしたのもう合格してる」
え、
「何言ってるの?お姉ちゃんセンター試験受けるって」
「ごめん」
「じゃー無理してたのって」
「しばらく誕生日を一緒に過ごせないから最高の思い出を作ろうと思ったの」
「わかんない。私全然わかんない!!」
私は走り出した。お姉ちゃんを置いて。なんで。言ってくれれば私だって。後ろを振り向くのが怖い。もうお姉ちゃんのもとに戻ることができなかった。
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