今日も二人は仲良し

蓮蠱

今日も二人で遊ぼ!!

 お姉ちゃんと同じ女子高に通う私、日野咲奈(ひのさな)はお姉ちゃんが大好き。お姉ちゃんは私よりも二つ年上。すっごく優しくて頭よくてあこがれの存在。

お姉ちゃんは日野雫(ひのしずく)って名前なの。今日もお姉ちゃんにかまってもーらお。

「お姉ちゃん遊びに行こ!!」

 私はノックもせずお姉ちゃんの部屋の扉を開けた。

「ごめん今は無理」

 お姉ちゃんは机で原稿を書いていた。お姉ちゃんはネット漫画を描いていて結構人気。私も愛読者なのは当たり前。

「終わったらいい?」

「まったく。しょうがないわね」

 こう言ってるけどお姉ちゃん少しツンデレなとこあるからうれしいって言っているのと同じ意味!!お姉ちゃんも私のことが大好きなのは知ってるから私の頼み断るわけないもん。

「どこいく!!」

「ちょっとほしいゲームあるから」

「わかった。ワンにゃんランドね」

 ワンにゃんランドは犬と猫がたくさんいるいるところ。私とお姉ちゃん動物大好きだから月一以上いってるの。いつもゲーム買いにいっているところはワンにゃんランドのすぐ近くだからもう決まり!!」

「一時間くらい待ってて」

 また漫画を描きだした。漫画さんはいいよなー。お姉ちゃんの気分でだけど、ずっとお姉ちゃんの顔を見れて。漫画書いてるときは私の相手してくれないし。


 もう一時間かな!!時計を見るとまだ五分しかたっていなかった。もう待ちきれないよー。あっ一時間。まだ六分しかたっていなかった。

「残り256秒。残り254秒。はー」

 一時間が待ち切れなさ過ぎて秒を数えだしていた。

「ほーらいくよ」

 あ!!お姉ちゃんだ。

「早くいこ!!」

 四分も早く来てくれた!!その分お姉ちゃんといれる!!


「咲奈。あなた私ばかりと遊んで他の友達とはいいの?」

 友達はたくさんいるよ。でも、平日お姉ちゃんといれないぶん遊びたいんだっていったらみんなわかってくれたの。なんてお姉ちゃんの恥ずかしくて言えない→

「お姉ちゃんだってそうじゃん」

 これの裏を返せばお姉ちゃんだって友達と遊んでない。私のせいで!!そしてこいういじりをすると……

「わ、わたしはあなたが、毎週どこかに連れまわすから予定立てれないでしょ」

 お姉ちゃんは冷静な一面はあるけどふりを返されると顔を赤くする。それが本当にかわいいのー。

「お姉ちゃん今日は何買うの?」

「ファンタジーテイカーⅣよ」

 ファンタジーテイカー今日発売日なんだ!!

お姉ちゃんは基本的にゲームを初日に買っている。ファンタジーテイカーはお姉ちゃんが一番好きなゲーム。私はお姉ちゃんと一緒にやるようなゲームしかしたくないからやったことないけど、これ買うってことはしばらく口きいてくれないのかー。お姉ちゃんゲームやってる時だけちょっかい出すと怒るから。怒ると怖いんだよお姉ちゃん。

「そうなんだ」

「あなたもやってみればいいのに」

「いやお姉ちゃんと二人プレイとかでないとやりたくない」

「このゲームⅣから二人プレイでないとクリアできないとこあったから練習がてら前作貸してあげようと思ったのに。なら友達でも誘おうかな」

「今日やる今週中に全部クリアするから私とやってよー」

 フェアテイさん。私、あなたのゲームは神作だと思います。二人プレイ要素を入れてくれてありがとうございます。私頑張ります。

「そんなすぐに終わるわけないでしょ」

 それでも頑張る。あー楽しみー。お姉ちゃんとゲームをしている想像ができるー

「あたりすぎ」「なんでここで魔法使わないの!!」「アーもう邪魔!!」

 ……あ、あくまで想像だからここから頑張ればー

「でも、やるからには遊んだりはできないから」

 終わった。想像通りになっちゃうよ。なんとかうまくならないと。

 

 お姉ちゃんがゲームを買った後、ワンにゃんランドに入った。

「あの子猫最近来たのかな?」

 月一以上いっているともう似てる猫でも少し違う毛並みとか毛でできた模様、大きさだけでどの猫なのか判断できる。

「そういえば先週見たときにはもういたよ」

「ちょっと待って」 

 私は今衝撃的な発言をサラッとされた。

「ど、どうしたの。そんな真面目な顔をして」

「先週見に行ったの?」

「あっ」

「先週って木曜だよね。帰りが四十八分いつもより遅かった時だよね?あの時学校って言ってたじゃん」

 学校のことといわれたら私だってしょうがないって思ってた。でも、でもね他の人と遊びに行ったのは許せないの。

「学校の用事だったわよ。それで帰りに通りかかったから一人で」

「呼んでくれたらいったのに。それにそれもウソだよね?」

「う、嘘じゃないわよ」

 嘘を隠せないのがお姉ちゃんだ。お姉ちゃんはうそをつくときいつも目が泳いでしまう。前にお姉ちゃんと友達と一緒にボードゲームした時もお姉ちゃん嘘付けなくて全敗したくらいに誰でもわかってしまう。っまそれはそれでかわいい過ぎるんだけど。

「っまいいや。今度はちゃんと行ったら行ったっていうこと」

 くそ―あの時本当に学校の用事を済ませた後だったから泳がなかったのか―。ほかの癖も探さないと。

「わかった。だったら私からもいい?」

 なんか急に笑顔が怖くなった。

「私はちゃんとお姉ちゃんに嘘ついてないよ」

「うーんウソじゃなくて隠してることあるでしょ」

 うーんまずいな。これ多分あれだな。

「ほ、ほら犬さんもかわいいよ」

「話しそらさないの。どうする?自分から言うなら怒らないから」

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い。めっちゃ怖い。これいわないとトラウマ級になりそうだ。

「そ、そのお姉ちゃんが大切にしてたリアル犬フィギアシリーズのトイプードル壊してしまいごめんなさい」

「っそ。ほら犬さんかわいいねー」

 あ、あれ解決したのかな。お姉ちゃん犬の写真とるために携帯出してる。

 あ、メールだ。え、お姉ちゃんからだ。なんだろう。

 「やっぱりあなたがやっていたのね。私それ知らなかったわ。教えてくれてありがとう。ここで怒ったら店の人に迷惑かかりそうだから、家に帰ったら二つかねて説教するから覚悟しててね♡」

 あ、人生終了のお知らせが来ました。え、あれじゃないの?ほかに何かやったっけ。思い出せない。

「あ、あのーお姉ちゃん」

「ほらほら、あなたが大好きなトイプードルよ」

「あ、あのーほんとごめんなさい」

「何が?そんなおびえたら犬も怖がるでしょ?」

 笑顔が怖いって。それに、私が好きなのトイプードルでなくパグだから。って突っ込んじゃいけないって。考えないと、あーでも。

「なーんてね」

 え?なんか普通の笑顔に。

「あれ元々壊れてたから新しいの買ったんだよ。私が買いに行ってる間に忍び込んで怖して割ったのなんて察してたよ」

「ほんと怖かったから。やめてよ」

「あなただって私が嘘付けないのわかってたのに追求して、その顔かわいいとか思ってたんでしょ?お返しよ」

 お姉ちゃん私も少しsなところあるけど、お姉ちゃん私以上のsだよ。

「ならもうやらないでね」

「あなたが何もしてこなければしないで上げる」

 もう好意での行動は控えることを決めた。嘘はうそでも途中まで本気で怒るつもりだたったから隠せたのかな。

「ほらあなたの好きなパグ」

「久しぶりのんちゃん」

 のんちゃんは私がこの店で見つけた私のお気に入りのパグ。ほんと何でも許せるほどかわいい。

「昨日ぶりキョン」

 昨日ぶり?あれ、何か聞いてはいけないことを聞いた気がする。でも、今ここで追及したらまた何かされそうだし。そもそも本当に起こっていることはなかったように済ませてるけど次私が何かしたときに使おうとしてるかもしれないから、聞かなかったことにしよー。ちなみにキョンはお姉ちゃんが推しのペルシャ。


 動物をかわいがってたらもう夕方になっちゃった。

「もう帰ろっか」

「なーにいってるの。あなたもしかしてほんとに忘れてるの?」

「え?」

 私は何も覚えていなかった。お姉ちゃんとの約束なら忘れるわけないと思うけど。

「あ、し、た」

 明日?なんかあったけなー。

「え、ほんとに覚えてないの?」

「ごめん。私が忘れた私が悪いから怒らないで」

「??何言ってるの。明日は何月何日?」

「十一月二十九日だよ」

 私は冷静に考えた。明日は十一月二十八日。お姉ちゃんとの記念日ではない。とはいえ、お姉ちゃんの誕生日でない。お母さんとお父さんも違う。ほかに何か日にちなんだことあったけね?

「あなた自分の誕生日覚えてる?」

 私の誕生日?何言ってるんだろう忘れてるわけないじゃん。私の誕生日は十一月二十九日。

「あっ!!!」

 明日私の誕生日だ!!

「だからついでに欲しいもの買ってあげるわよ」

 お姉ちゃん覚えててくれたんだ。うれしい。ってか私何で忘れてるんだろう。

「でも、急に言われてもなー。ほしいものとか考えてなかった」

 お姉ちゃんと一緒にいたい。私はこれだけでお姉ちゃんから大切な時間をもらってる。だから、誕生日だからってほしいものもないかな。

「去年とほぼ同じでいい?」

 去年は確かニャンニャンワールドにお姉ちゃんといったんだっけ。ニャンニャンワールドは千葉にある超大きな遊園地猫の着ぐるみがたくさんいて可愛いんだー。

ちなみにワンにゃんワールドとニャンニャンワールドは名前が似てるから関係あると思われてるけどニャンニャンワールドが大好きな店主さんがワンにゃんワールドという名前にしただけで何も関係ないよ。

「お姉ちゃんと一緒に入れるならなんでもいいよ」

「はい。ほしいものがあったら買ってあげるつもりだったけど、そういうと思って事前に用意しておいたの」

 お姉ちゃんがニャンニャンワールドDXのチケット渡してきた。DXのほうはニャンニャンワールド二つ目の遊園地。大人向けのアトラクションが多いのが特徴。

「やったー!!お姉ちゃん大好き」

 私はお姉ちゃんに抱き着いた。明日楽しみだなー。

「あーもう」

 私はお姉ちゃんが世界で一番好き。こんな優しいお姉ちゃんはどこを探しもいないんだから。

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