429 潮流
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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本来、今の状況や流れなら
登場人物上お嬢様のターン
その筈なのだが
「 へ? ぇ ぁ はっ はっ はぅ」
『お馬鹿さんみたいな顔』
所謂三角の口をしたままでハスハス言うだけの状態になってしまった為
口が悪いを通り越した巫女が気怠そうにフォークを向けた
「んで、クソチビ 基(もとい)ド貧乳の役目なんだが」
これが良くも悪くも
「ふあn待!?待って? 今チビって言った!チビって言ったのよ!」
正気を取り戻した幼女が吠える
対した少女?は溜息を吐くと表情を変えないまま
「チビはチビだろが」
悪態を続ける
ここからはまたもいつもの流れが始まり
「ま だ ね! 最近好き嫌いも克服中なんだから」
「ぁ? それなら私がもっとデカくなってる筈だろが」
「え、あ、でもほら!ちゃんと毎朝体操もしてるからね、この前だって「大きくなるよ~」って言われたのよ?」
「けっ、何処情報だよ 身内ネタなら意味ねぇぞ」
「っで、でも~ それに、ちっちゃいのだって可愛いって言われるしぎゃ」
埒のあかない問答に巫女は今一度小さな鼻を摘む
「まぁどっちのロリコンに言われたか知らねぇが今はそんな事どうでも良い、とりあえずお前は今回もジンと一緒に行け なんかあったらカセンと相談して決めてくれ」
チラリと従者を見るも
「自分じゃないですよ?」
そこは瞬時に否定が入った
問題の吸血鬼はというと
「ぷぁあ、ぇ ぁ そ、そうなの?」
少し驚いた様に鼻頭を撫で、顎に手を置き
「、、ま~ぁ?カセンが一緒なら?寝る時も安心かもだけど?」
こっちも意味不明な事を言い出した
これにはエルフも引っかかったらしく
「む? なぁロゼ、私が一緒でも安全だった筈だが、頼りなかっただろうか」
と
平和な時間が過ぎる中
どうにも外が騒がしく
その報告はすぐに到着した
「巫女様ぁ~」
何かとよく見かける初老が数人の男を連れ
「化物が、近くで化け物が出たんだって!」
正門を指差す
「あぁ? ちっ、弔(とむら)いも滞(とどこお)っちまってるし一旦出るか 私はそっち片付けたらそのまま王にも会って来る、帰らなければ早朝にでもカセンらは出ちゃってくれ」
「防寒系統の装備等は二回の倉庫にある物を使って下さい、カギは~、ジンさんが管理している人を知ってると思います お嬢様を頼みました」
手際の良い二人
「うい、諸々承知した、ラフィも気を付けるんじゃよ?」
赤鬼の一言でそれを追う様に
、、追う様に
「 ? あ あぁそうか そうだ、私もあちら側だったな 行ってくーー !?」
立てかけていた剣を背負う為、壁際へと曲がり
少しゴソゴソしてから
「い、いってくryぅー!」
とんでもない速さで向かった
・・・
「私、真面目にラフィの事だけは心配なのだわ」
吸血鬼の幼女が困り顔で呟く
その裏では
何も知らない物語の主役が軽く自棄っていた
何分、敵側と知りながらも夕飯にまで誘い
後先考えずに自ら情報漏洩に加担する流れを作ってしまった訳だ
(流れ上しょうがないとはいえ、、俺、女に甘いとは思って無かったんだけどな~)
と野菜の千切りをしながら
閃いた!
(そうだ!女がどうのじゃなく、年下に弱いって事にしておこう)
ってぇえ、大抵のヤツ年下なんだよなぁぁあ
なんて
一人脳内で耽(ふけ)っていると
「あ~そうそう、そういえば~ ってか何頭抱えてんスか?お兄さん」
ギャルが灰汁(あく)を片手鍋に移しながら振り向いた
と思ったら そのまま
「いつ位にキドナっちのトコ行きます?」
とんでもない事を口走って来た
急過ぎて
「ぁっ え あ ぇ?」
後ろから刃物でも突き付けられた
いや、少し刺し込まれた様な気分だ
深く息を呑み
「 あ、はは やっぱり答えって 急ぎ?」
平常心を装い振り返る
が
「っ! m9(^Д^)プギャー なんスか~「あえ あえ」って~www」
顔文字や変な語尾が見える程に吹き出したまま
片手鍋を胸元に押し付けられた
「ちょ!熱いからっお前せめて うぉい持ち手!持ち手よこせし」
「ん~?ん~ふふふ、でも~まぁ~あ?「連れて来れそうなら」って言ってたんで~」
「ちょお急ぎでは無いって事っスよねー?」
妖艶までとはいかなくとも
妖しげに笑うヴェヌを見て再確認した
やっぱり
ギャルのテンションは苦手だ
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