428 酩酊

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



3/8 13:35


打ち合わせ?は始まったばかりなのだが

この二人に関してはあまり必要の無い事なのかもしれない


何せ、片方は言わずもがな分かっている者

それと



どっちみち噛み砕いて伝えなければいけない上、本当に理解出来るのかさえも分からない相手なのだから



、、だからと言う事では無いのだが


「ひぁぁ い˝だぁー」


「んぎぎっぃつぅ~」


今、両者は悶えている最中である



悲痛な声を上げさせた犯人は勿論、不愛想な少女?だ


テーブル越しのエルフに対しては捻(ひね)りを加えてから逆に引き

隣に座る従者へは倒れ掛かると見せかけ、支えに来た肋骨(ろっこつ)を肘で強めに擦った


容赦無く、態々(わざわざ)痛みが強く出る様に仕掛けて来るあたり意地が悪く

ボケやツッコミだとしたら明らかに割の合わない反撃だ


「ひぅぃ~」

と離れたエルフの手をジト目で追い

「ちっ、世間知らずは正に怖いモノ知らずってか?  痛ぇなクソが お前の役割は暫く私の護衛だ、『良くない事』も覚えさせっからな?」

巫女は自らの頬を撫でる


傍若無人(ぼうじゃくぶじん)はいつもの事

なのでその辺はしょうがないのだが、どうにも端折(はしょ)る言い回し

フォローする様に従者が続ける


「いっつぅ、もぉ、結構本気でグリっとしましたよね~ ってかちゃんと説明しないと普通?の人でもその言い方じゃ伝わらないですよ~? 即戦力強化!したいんですよね?シエル様?」


これには意外にも


多少ぶすくれつつ


「あーあーはいはい、時間無ぇんだよな  面倒だが夜にでも馬鹿丁寧に分かり易~く教えてやんよ」

飲み込んだらしい


「 ぅ? 面倒?」


ボケボケな反応にも



「強くなりてぇんだろ?」



真っ直ぐな声で睨みを利かせる




のだが




やはりこの娘だけはどうもスムーズにいかないらしい


(自分に言っているって事で間違いないのかな?)


とでも思ったのか

一度、誰も居る筈の無い後方を確認してから

うんうんうん、と頷き

「、、気持ちは嬉しいのだが、そんな一長一短(いっちょういったん)で上手くいくだろうか?」

真面目な表情で返答を交わす


相手が相手だ


リアクション等してくれる訳も無く


「一朝一夕(いっちょういっせき)な?」


無表情のままツッコミを入れ

「お前ぶっちゃけ意味不明過ぎんだよ 脳に制約でもあんのか?ぉ? 早急n」

説明、基(もとい)、説教が始まる手前で

「えぇとですね、ジルバ様から所謂『弱点』を聞いて来ましたので少し状況や考え方のトレーニングをしましょうって話なんですよ~」

再び従者が割り込む



成程納得の言葉



しかし


何処に引っかかったのか

軽く小首を傾げると


「むぅ、弱点? 弱点かぁ う~ん、じゃくて、、ん?!」

閃いたかの様、ハッとした表情を浮かべ



「ny˝っ!なな˝?!夜に!? っととト、トレ↑え エッ」



意味不明なイントネーションで




「わ、わtあしとみ、巫女どんで? えっちちぃな  トレーニングでしゅか?」




とんでもない事を言い出した






・・・






赤面したまま口を閉じきれないエルフを目の前に


(コイツは何を言っているんだ?)を通り越し

「きっとバカなんだろう、このピンクエルフ一回引ん剝いて庭にでも転がしとけよ 高く売れるぞ?」

辛辣(しんらつ)であり、正しい?事を口走る


語が進まないのと逸らす為

苦労人が咄嗟に口を開くが


「ほら!ロゼお嬢様『も』お馬鹿さんみたいな顔してますし話を戻しましょっかぁ~」



何故か本来の主『も』吊るし上げを喰らった

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