417 重来

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい




記憶


それは過去に経験した事


覚えている事


その事柄を保てる事、、もしくは、内容を思い出せると言う事



あたしにとっては少し前からの記憶



思い出したくない訳じゃないんだけど、全てを思い出したいとは思えない



苦しく無い部分



それと、皆の為に  真実だけを思い出せたら良いのに




まぁ、そんな都合の良い

曖昧で乏しいあたしではあるんだけど


近々で分からない事が幾つかあるんだ


それはあたし自身の過去だとか

皆が戦わないといけないって状況や世界の不思議


それこそ


ジンの言う別世界の件とか



・・・



そんなんじゃなくて!


今はそんなのどうでも良くてさぁ






3/8 12:00


気温も上がり始めたお昼時


「んん~~~あ~ なんかお休みってか、日光自体が久しぶりな気もするな~」

髪を二つに束ねた少女は何処ぞの幼女同様に陽の光を求める


目一杯に身体を伸ばし


「ねぇ、エバ~? 着れた~」

再び店内へと顔を覗かせる


のだが


「あ、あ~えっと、あ~っともうちょっと、もう少~しだけ待ってて下さいね~」


聴こえて来たのが当人の声では無かった為


「うぇ あ!あぁ!いえ、ごめんなさ~い」



少し気まずい『あ~あ~現象』となった




此処は王都の片隅にある衣類専門店

比較的可愛らしい物が取り揃えてある為、女性ばかりが通う小さな店


あー、、あたし個人としては以前銀髪少女?と来たせいで買い損ねた店舗だ


簡易的に今の相方であるエバが動ける状態になったので半分気晴らしに、もう半分は『本体部分の修理』に向けて支度をしている所である


直ぐに着替え終えた自分もそうなのだが


「えぇ、これなら袖も首周りも不自然じゃないと思うのだけれど」

と聞こえて来たのでサイズは問題無いらしい


だからこそ


「だよね~やっぱシエルが小さすぎるんだよ~ どう?可愛い?見せて見せて~ ってかどうする?次 何か食べ行こっかぁ?」


なんて



気軽にその姿をお披露目したのだが



「  あら? アルは その  確認なのだけれど、本当に貴女はその格好で良いのかしら?」

目を疑った


ってか



「こういう所なんだよお!」

ツッコミが自然と出た



だって、待って?いやいやいやいや

色々 色々なんだよぉ!?


さっき可愛い店員さんに選んでもらってた筈なんだよ?


その時は

【私はその色だと映えないから】

とか

【目立つ方が良いとするのならコントラストが足りないと思うのだけれど】

だとか言ってた!


言ってた意味が分っちゃったよ!


もう!


もう!!



「なんでそうなっちゃったの?」



ってくらい






ダッッセエのよ






挙句!!


淡目のチェックインナーが透ける程にうっすいトップス

(ってかそれトップス!!?)

「ってかわざとシワシワのを選んでたよね」

って突っ込んだのにさぁ



「ふふふ?」



じゃねえんだよ~!!

トドメに何時着るのかも分からないもう一枚薄い重ね着を腰に巻くな!?

なんなn

(蔦(つた)!?やら蔓(つる)?の巻き付いた様な色と柄!とかさあ)



なんなん!!?





だけじゃなくて





良く分からないプリントバチバチの靴下もどうしたいのーーーー!!?




と思ってたら


「なんでそうなっちゃったの?」って貴女  アルが先程【目立たない様にしないとね】 と言っていたのよ?」


って正論パンチの様な言い回しをしてきた




・・・




いやいやいや、違う違う違う


違う意味で目立ってんだっってば!


マジでゴールが見えない


此処まで色々と吸収が早かったからこそ


どうやらエバ、、って言うか、製作者事態のセンスに問題がある気がしてきた!






ま、まぁそう思ったからって訳じゃないんだけど


「あ、うん、良いよ~ もっかい全とっかえしてみよっか~」


再度、兎耳の店員さんにフルコーデを任せる事にした



何気にエバの反応と発言が気にもなったので



「え? アルちゃんのも?」



自らの分も含めて

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