401 喩告
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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これが正当な治療法、、だとするのなら狂っている
あまりに非人道的な治す為の行動は俗に言う所の荒療治
誰がどう見ても危ない側の手法なのだろう
正に
「魔族共が好みそうな程には醜いな」
そう呟くと同時
細首がすぐに千切れてしまうのではないかと思う程に激しく揺さぶった
抵抗する様子は無く
「 ぅ、ぁ ぁ」
と辛うじて鳴り始めた為
『まだ生物だ』と言う事の確認が出来た
ふとした拍子、反射的に反撃を喰らっても嫌なので
躊躇無く手放した
少女の形をしたソレ
雑に振り回した小柄な固体は思いもしない程に良く飛んだ
ゴン
だとか
ボギッ!
と
あまり聞きたくない様な鈍たらしい音を反響させながらザリザリッと擦れたコンクリートを響かせ、受身も取れず、最後は備え付けられていた机に激突した
私は転がったソレに
「落ち着きましたか?」
と嫌な表情を浮かべ
「例え天才であっても壊れかけ、、死に掛け程面倒なモノはありませんねぇ」
しっかり聴こえる様に悪態を吐く
「 ぅ ぁぁ あ、あーあー、うん大丈夫喋れるみたい」
「そうですか」
「アハハハ あぁ、嫌だなぁ~本当に、最近動悸が酷くてさ」
「心臓なんてモノ、貴女には無いでしょうに」
「うん、まぁでもさ、さっき言った様にテストしたおかげで一個レイの謎も解けたんだろう?」
「えぇ、確かにそうですね、レッドナイトは確かに脅威となり得そうな『神』ですね」
「でしょう?だから僕のおかげじゃないか!あんなのデータに無かった!!でもやっと繋がったんだ、あの子達が言ってた以上ってだけだったんだよ、だってあの時皆聞いて無かったでしょう? アイツがいけないんだよ、分からないのに聞きもしなかった もっと!もっとさぁ、、きっと港の一件はエルフ側とレッドナイトがやっちゃったんだって!なんであの時からドローン飛ばさなかったカナ!確認した方が良かったのにな・・・」
「 はぁ、短時間でまた壊れてしまいましたか?その半分以上も、、瞬時に消したのは黒い少女ですがね 全く、埒が明かないとは正にこの事」
小声で呟いた男は一人で喋り続ける少女から視線を外し
ゆっくりと思考する
キドナが可笑しくなってきたのは恐らくフェリスとの戦闘後からだ
以前の研究で作り上げた『アレの細胞』を組みこんでいるからといって全てが正常には復元されなかったというのか?
いや、そんなことは無い筈、現にアレを殺す事は不可能だったのだから、、だとするのなら
一度死んだ事に心が耐え切れなかった?
キドナの体も元を辿ればヒトの様な存在だ
メンタルから来る反射を脳が守ろうと阻害しているといったところか
「ちっ、だとするなら心の無い機械人形の方がマシだったか 幾つも書き換えの利く様にしてあるとは言っていたが」
その零れた言葉に
少女の独り言はピタリと、、
いや
「ハハッ!アハハハハ!ふふ、あの子じゃ賢者の石なんか作れないよ?」
化物が再び息を吹き返した
「、、ふむ、引っ掛かりがあれば反応は出来るのですk」
「って言うか黒い少女黒い少女ってまたソレ?怯え過ぎじゃないの?」
「 意識はしっかり戻った様ですが会話も少し戻りましたね? 体は問題無いのですか?」
「うん、大分落ち着いた」
自らを慰める様に
「自分でやっても良いんだけどさ、時間かかるから『ビー』に頼もうと思ってたんだよ」
折れた骨を撫で、涙目のままこちらを向くソレに嫌悪感が沸く
「なるほど、ですが会話でさえ真面(まとも)に出来ないとなっては、早々に」
「残念ではあるけどさぁもうあの子らの研究は十分済んでるし実験に使うなら今は別の素体がすぐ手に入るじゃん?こだわり過ぎだと思わない?」
「、、彼にとっては研究対象という意味合いだけでは無かったのでしょう、仕方ありませんよ」
(確かにヴェヌも彼に頼んでいた件が進まないと愚痴っていましたね)
「でもまた作ってあげるにはちょっと時間割けないよ?腑抜けたままならいらないし」
なんて中途半端でなんて気持ちの悪い感情だ
「えぇ、そうですね」
「アイラの子達が全て焼けてしまったのはしょうがないとして」
「そちらに注力するくらいなら再度」
「オリジナルの複製に力を入れて欲しいですね」
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