402 憐憫
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
頭の悪い奴が嫌いだ
要領がどうのって話じゃない
鈍いヤツ、間抜けなヤツ
特に自分で考えないヤツが大嫌いだ
知識が無い種類ならまだ理解出来る
だけど生物として知能が足りない馬鹿、凄く嫌(いや)だ
丁寧に説明した所でどうせ理解なんて出来ないし時間が経てば忘れてしまう
要するに時間の無駄
『無駄遣い』
そう、まずはそれだ、無駄にならない様にしないと
だから
とりあえず
時間を無限に使えるように
寿命を無くす事から始めよう
この体も
この星も
最初は苦労した
なんせこの素体はカヨワイカラダで生成された
未完な技術、クローンと違って元となったベースから育たないから重い物は持てないし一里の距離を全力で走る事も出来ない
ヒトは大変だ
たかが三日眠らないだけで頭は痛くなるしウイルスにも弱いから風邪なんてものをひいてしまう
なんて非合理的に作られたのだろう
今となっては一号の様な機械の体なんていらない、、けどせめて大人としての姿形があれば初期の活動だってもう少し短期間で行えた筈だ
本当に
時間の無駄
3/7 15:10
「また オリジナル?」
投げ掛けられた言葉に少女は眉を吊り上げ
「何?キミさぁ、まだ文句があるって事?」
明らかな敵意を剥き出しにする
対する軍師としては
「あぁ、まだそういう考えが先行するのですね?」
決して逆撫でしたつもりも無かった為
「全く何の含みもありませんよ、配慮した言い回しをするのなら『室長』とでも呼んだ方が分かりが良かったでしょうか」
すぐに訂正し、話を続ける
「あのね~僕はその『オリジナル』よりも賢いだよ?何に使うのか知らないけどあんなのどうでも良いじゃない」
「いえ、貴女を棚に上げる訳ではありませんが『あのキドナ』は大陸全土に名が通っている、円滑に物事を進めるのにはこの上なく便利なピースなのですよ」
「 あっそ、でもさ?あの爆発を直に受けたんだ、カスだって残って無いよ?」
「えぇ、ですからお聞きしたかったのですよ それでも可能なのか、もしくは代替的なモノは作れるのかと」
その問いに
「う~ん そうだな~」
好奇心の方が勝(まさ)ったらしい
今までの不機嫌そうな表情をがらりと変え
「僕の細胞から摂取したとして以前と似た環境データを植え付けたらどうだろう、脳を騙す事自体は実証済みだから問題無いけど完全一致は無理だろうなー、こんな事なら移植した脳自体を幾つも取っておけば良かったか? でも似た様なのは出来そうな気がする」
今までとは違う感じの独り言が始まり
数分の思考と自問自答の後には
「うん、まぁなんとかなるんじゃないかな?」
しっかりと返答が返って来た
「流石ですね、どれくらいかかりますか?」
「テスト期間もいるだろうし100年あれば近しいモノにはなるんじゃない?」
「ふむ、まぁ一世代程なr」
「あ、でもそっか、今みたいに適当な技術やルーツの誤魔化しもしっかり組み立て直さないとまた感付くよね?」
「確かに、今回の件も」
【不思議だと感じたのは彼の技術に既視感があった事】
「何時から気付いていたのか」
「、、キミのせいだって言ってたよ」
【過去に私が考えてしまった良くない事、それを倫理の欠片無く試した場合の仮説を幾つも立てた、、それだけの事よ】
「私の?」
「アイツ、色々考えてやがったんだ」
【でも困ったわ? 破壊する手段がキーロの持っていたコレくらいしか無かったから】
「キドナ?」
「 馬鹿の癖に ばかりの はぁ はぁ 最後の最後の癖に」
【壊しきれると良いのだけれど】
「 っ うぅ あ、ああぁ!憐れみの眼で見てきやがったんだ!無駄ばかりの 癖にぃ 」
【貴女も共に】
「うああああああああああああああああ」
・・・・・・
「はぁやれやれ、つい黙らせるのに撥ねてしまいましたが、落ち着きましたか?」
「ぁ ぅ ん 少し した らくっつくか ら」
「本当に壊れてしまう前に無理言ってでもビー博士に治してもらう事を先決としましょう」
「 うん そ だね、明日に でも 診てもら 」
「あぁ、それと」
「吸血鬼が帰って来たらしいのでラボ側の報告と一緒に聞いておくとしましょうか」
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